17話・至福の感触
「その装備アクセサリーはね、攻撃を自動防御を発動してくれる
中々の優れ物なんだよ♪」
「だから、その優れ物をクラスメイトにあげろよ!」
「それでね、その自動防御には段階があって...」
最早、メイーナは僕の嘆きに聞く耳持たずで、淡々と装備の説明を
続ける。
「...と、いう能力があるんだよ!スッゴいでしょう!」
「はは...スッゴいで片付くLVじゃない能力だけどね...」
メイーナの説明を聞くには、このアクセサリー【金剛石の腕輪】は、
全部で五段階の自動防御があるみたいで...
5段階...殺意を向けた相手を容赦なく、この世から塵1つ残さずに消す。
4段階...殺意を少し含んだ敵意の相手を捕縛して締め上げる。殺意が
なくなるまでそのまま締め続ける。
3段階...敵意を持った相手を捕縛し、締め上げる。
2段階...敵意を持った相手からの攻撃をカウンター。
1段階...敵意を持った相手の攻撃だけを無効化。
...の自動防御があるらしい...。
「5段階か...へえ、メイーナにしては優しい効果だよな、これ?」
「優しい?」
「うん。だって、他の強引に付けられた装備アイテムたちと
違って、まだ慈悲の効果があるからさ...」
そう...この前に説明された戦闘系の効果があるアイテムたちは、
大抵、一撃必殺のものが多く『許す』の効果が殆どないのだ...。
「慈悲...?イヤだな~!それは全く違うよ~!」
「え...違うの?」
「うん、ほら...弱い相手なら、そこで消さなくても危険はないじゃん...
だって、ザコなんだもん...」
「だから、それが優しい考えなん――」
「でもさ、それを勘違いした相手って、また調子に乗るでしょう?そしたら、
調子に乗った相手を無惨に亡きモノにできるじゃん♪」
うわ...全然、優しくなかった...!
「つまり...この段階設定は相手を調子に乗らせ、その後にザマァ展開を
する為の布石って事か...」
「そう言う事♪だって楽しいでしょう、さっきまで見下しの下卑た顔で
ニヤニヤしていた奴がさ、絶望と恐怖の表情へ切り替わるんだよ~♪」
本当に楽しいそうに話すなぁ~この女神様...。もう自称が頭に付いても
いいよね、自称・女神様ってさ...。
「でも流石は私のシュンだね、私の考えをピタリと当てちゃうなんて♪」
「誰が私のシュンだ!...って、何をするっ!?」
「ピタリ賞の賞品だよ...えい♪」
「ちょ、この展開はさっきのおっぱい固――――」
ムギュ...
メイーナはさっきとは違い、にこやかな表情でガバッと僕を
抱き締めると、段々とその力が強くなっていく......
う、埋まる...!顔が埋まって行くぅぅ~!息が、息が~!!
何、この苦しいけど、至福の感触...!
でも、これだけは何度も言える...メイーナ様のおっぱい、最高っ!!
......ガクッ
――――――――――
「ふう...あの後も気絶した僕にメイーナがまた慌てていたな...」
メイーナもああなるってわかってるんだから、やらなきゃいいのに...
イヤ!うそです!もっと、やればいいのにっ!!
さっきの先輩冒険者や金剛石の腕輪の防御の事等は、スッカリ忘れていて、
僕の頭の中には、もうメイーナのおっぱいの感触しかなかった...。