159話・イアナ宿屋のサービス
蒼井とアミュー達がベットで寝るか寝ないかを論議している
その中...イアナとキッシュが物置小屋を整理していた。
「ふう...こっちはこれでよしっと!さて、この次は......ん?
あれ、このソファー...何かどこかで見たような気が...?」
イアナが物置小屋を掃除していると、見たことあるソファーが目に入る。
「それにその上に乗っている毛布やカーテンもどこかで見た様な...?
どこだ?どこだ?どこだっけ~?」
イアナがこのソファーや毛布等をどこで見たのかを頭の中の引き出しを
開けまくって考える。
「は!思い出した!これって、さっきも少年達の部屋にあったソファー
じゃない!それがなんでこんな所にあるの!?」
やっと思い出したイアナが、何故ソファーらがここにあるのか不思議がる。
「ふふ...それはね、イアナお姉ちゃん、それらをそこに置く事...これが
あのお姉ちゃん達へのこの宿屋からのサービスなのよ♪」
「え...これがサービス?どうしてソファーや毛布をここへ置く事が
あの嬢ちゃん達へのサービスになるのよ?」
キッシュの言う、そのサービスの意味がわからないイアナが、首を傾げて
不思議そうな顔をしている。
「う~ん、それをお姉ちゃんに説明した所で、多分トンチンカンなだけで
理解できないと思うよ?」
「なっ!?酷い事をサラリと言うよね、あんたって...」
キッシュの悪びれもない言葉に、イアナが膨れっ面でプンプンと怒る。
「とにかく、いいお姉ちゃん!今からあの部屋に行くのは禁止だからね、
き・ん・し・っ!」
キッシュがイアナに人差し指を突きつけて、念を押す様に注意する。
「ええ、なんでだよ!せっかく屋台市場で起こった色々を聞こうと思って
いたのに!」
「ハァ...やっぱり、空気も読まずにあの部屋に行くつもりだったんだ...」
禁止を告げられ拗ねるイアナを見たキッシュが、自分の姉のあまりにもな
空気の読めなさにホトホト呆れてしまう。
イアナとキッシュがそんな談笑をしていた頃......
「これは参ったな......ソファーもない、上にかける毛布の類いもない...。
こんな状態で床に寝るしかないのか...」
しかしこの寒さで床に転がって寝るというのは、かなりの無理ゲーな
寒さだ!
僕は床へ手を置いて温度を計ってみると、そのあまりの冷たさに思わず、
身体中がブルブルと震えてくる。
「もうさ~諦めてさ~こっちのベットで一緒に寝ようよ~シュン♪」
床で震えている蒼井に対し、アミューがベッドをパンパンと手で叩いて
こっちゃ来いのアピールをする。
「い、いや...それは駄目だよ!恋人同士でもない女性と一緒にベッドで
寝るだなんて!」
「え~だってお兄ちゃん、ボク達と一緒に寝たい...物凄く寝たいぞぉって、
思っているよね?」
「ちょ、ココさんッ!?人の心を勝手に読んじゃ駄目でしょうぉぉぉっ!?」
自分の本音をアッサリとココに暴露された僕は、めちゃくちゃ焦って動揺の
叫声を荒らげてしまう。