表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/481

152話・宿屋イアナ


「それじゃ...ここでこうしててもしょうがないし、そろそろ中に

入ろうか!」


「うん、そうだね。日も暗くなってきた事だし...何か小腹も空いて

きちゃったしねっ!」


アミューがまだ食い足りないと言わんばかりに、お腹を擦っている。


「こ、小腹が空いてきたって...確か、アミューお姉ちゃん...さっきの

パーティーで結構な数を食べていましたよね?」


「はは...ちょっとココちゃん、そんなにジロジロとお腹を見ないでよ!」


ココが目を丸くしてアミューのお腹を見てくるので、顔を真っ赤にして

アミューが恥ずかしそうにお腹を手で隠す。


「と、とにかく、私は育ち盛りなんだから、少々お腹が空いてもいいのよ!

ほ、ほら!ちゃっちゃと中に入るわよ!」


「あ、ちょっと待ってよ、アミュー!」


ココの目線を逃れる様に、急ぎ慌ててアミューが宿屋の中へ早足で

移動して入って行く。




「あ!ようこそ、宿屋イアナへっ!!」


宿屋に入った蒼井達を出迎える様に奥の部屋から、パタパタと足音を

立てて、こちらに女性らしき人物が近づいてくる。


「え...と、皆さんでお泊まりですか?」


出迎えくれた女性...というより、女の子が首を傾げて僕達に対し、

そう聞いてくる。


「あ、はい。みんなで三人なんだけど...大丈夫ですか?」


「三人様っと...はい、大丈夫ですよ。何せここはあんまり冒険者や

旅人には馴染みのない宿屋ですからね~はは!」


蒼井の問いに、宿屋の女の子がニガ笑いをこぼす。


「おお、何か騒がしいと思ったら、お客様だったんだ!」


女の子と会話をしていると、先程女の子が出てきた部屋からとてもキレイな

女性が出てきて、こちらに笑顔で近づいてくる。


「でもあんた達、よくもまぁ...こんなマイナーな宿屋を選んだもんだね♪」


「もう!お姉ちゃん!自分でマイナーだなんて言わないでよ!」


蒼井達の事を感心しているか、呆れているのか、よくわからない表情で

自虐を述べる女性に対し、女の子が膨れっ面で怒りながらその自虐へ

説教を洩らす。


「にゃはは...ゴメン、ゴメンって!冗談なんだから、そんな顔をして

怒んないの!折角の可愛い顔にシワが出来ちゃうぞ♪」


「うう...相変わらず、軽いと言うか...楽観的と言うか...」


女の子の肩をパンパンと叩きながら、女性がケラケラと笑って誤魔化す。


「や、やっぱ...アンジュさんの紹介だけあって、中々な宿屋みたいだね...」


アンジュと似た豪快な喋りや態度の女主人を見て、アミューがニガ笑いを

こぼしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ