142話・やれやれ...
「それじゃ...クエスト達成の報告も無事にすんだみたいだし、
お姉さんの待つ屋台市場へ行くとしようか!」
早く屋台市場に戻って、パーティーの準備をしているお姉さんの
お手伝いをしてないといけないしね!
僕はギルドカードを懐へしまうと、屋台市場へ向かう為に席を立ち、
ギルドの出入りに足を向ける。
「おっと、その前に...今貰ったクエストの報酬を、みんなに分けおこうか!」
テーブルに置かれた報酬の入った皮袋を手に取り、中身の硬貨を取り出して
テーブルの上に置いた。
「報酬の額が金貨2枚と大銀貨1枚だから...えっと...」
『主様を含めて4人ですから...1人当たり...大銀貨1枚と銀貨1枚、銅貨2枚...
そして、銅貨が2枚余りです。これくらい、瞬時で計算して下さい...。
だから主様は恋人いない=年齢なんですよ!』
だあぁぁ―――っ!またそれを言うのか、この口悪なナビゲーションさん!
『はあ...主様...私ナビゲーションじゃなく、ナヒと呼んで下さいって
言いましたよね...それをもう忘れるなんて...全くやれやれですね...。
はあ...本当にやれやれですね...。はあ...やれやれ、やれやれ...。
はあ......』
蒼井の忘れっぽさに、ナヒが心底呆れて溜め息を吐くと、まだ激おこが
収まらないのか、何度も何度もやれやれを連呼する。
ナヒさん、僕が悪かったからさ、そのやれやれを連呼するの...そろそろ
やめてもらえませんか......。
『もう...こ、今回だけですよ...許してあげるのは今回だけ!今度から
ちゃんとナヒって呼ばないと...絶対、殺っちゃいますからね!』
はは...気をつけます......
必死な謝罪をしてくる蒼井に、ツンデレな口調でナヒが気をつけて下さいと
釘を刺してくる。
「さて...報酬のわけ方はわかった...。あのルビさん、すいませんが
この硬貨たちを両替してもらってもいいですか?」
「両替ですか...はい、わかりました。ちょっと待ってて下さいね!」
蒼井から硬貨を受け取ったルビが硬貨の両替の為に、再び奥の部屋へ
早足で移動して入っていく。
「お待たせしました、シュン様。硬貨の両替がすみました!」
奥の部屋から出てきたルビが両替してきた硬貨を蒼井に手渡した。
「ありがとうございます、ルビさん!それじゃ早速、報酬をみんなで
わけようか!」
そう言って僕はさっきナヒに聞いた通り、硬貨を4等分にわけて
みんなへ手渡すのだった。