134話・LV50
「あ、危なかぁ!?なんね、この大岩は!?ビックリするじゃナカネ!?」
自分に飛んできた大岩を見て、マーガレットが目を丸くして驚いている。
「み、見て、あそこにいる魔物!?きっとあいつの仕業だよ、これ!」
「......あいつ?」
遠藤がマーガレットの後ろ側を指を差して叫声を上げると、愛野が
その指の先を目を凝らしてジィィーッと見てみる。
「あれって...ポイズンベア......だよね?」
「う、うん...でも見た目は確かにポイズンベアなんだけど、何か微妙に
違うような気が?」
愛野や遠藤の目に映っているのは確かにポイズンベアなのだが、何か
自分達の知っているポイズンベアと違うので、何故だろうと考える。
「嗚呼!わかったばい!色じゃなかと色っ!あのポイズンベア、
わたし達が知っとるポイズンベアとちごうて色が真っ赤ばいっ!
それに大きさも何かひと回りくらい、大きか気がするトヨッ!」
マーガレットが相づちを打つ様に手のひらをポンッと叩くと、自分が
気づいた特徴の違いを口にする。
「色...?あ、本当だ!あのポイズンベア、毛の色が真っ赤じゃん!?」
「そ、それにマーガレットさんの言う通り、大きさもかなり違うね......」
マーガレットの気づいた事に愛野達が改めてよく見てみると、確かに
毛並みの色が真っ赤で、その大きさも普通の2倍も大きかった。
「ま、間違いありません......あ、あれは...あのポイズンベアはユニーク系の
ポイズンベアですっ!?」
愛野の後ろで真っ赤なポイズンベアを見たマインが、動揺した表情で
目を見開いている。
「あ、あれがマインさんの言っていたユニーク系のポイズンベア...なの!?」
「は、はい...あの色と大きさ...間違いありませんっ!」
遠藤が額に冷や汗を掻きながらそう述べると、マインが静かにコクンと
首を縦に小さく振った。
「ちょっと待って下さい......」
『ステータス・オープンッ!』
愛野がユニークモンスターと呼ばれたポイズンベアに、能力を見る事が
できる魔法、ステータス・オープンで能力チェックをする......
――――――
ポイズンベア(ユニーク)
LV50
HP5500
MP1550
攻300
防255
速200
魔180
幸258
――――――
「なっ!?れ、LVが50ですってっ!?それに、HPが5500もあるっ!?」
「ええ!れれ、LV50...!?私達のLVの2倍どころじゃないじゃんか!?」
「そいに、HPは5500じゃと!?そいは大変じゃナカネ!?」
驚き動揺を隠しきれない愛野が述べる、そのあまりにも大きなLV数値に、
遠藤とマーガレットが目を全開に見開く様に喫驚してしまう。