130話・勇者vsポイズンベア
「それじゃ、トランスさんが前衛を...うちがその後ろを...そして、
鈍山くんが後方からうちらをサポート...これでいくけど、いいよね！」
「はい、俺もそれで問題ありません...！」
「う、うん...オイラもそれでオッケーだよ、神楽さん！」
「よし...それじゃ、行くよ！二人とも...戦闘開始っ！！」
神楽の号令とともに、トランスと鈍山が自分の持ち場へと素早く
移動して行く！
「まず...私が先手で......」
『舞え！アンバー・ビットォォ―――ッ！！』
神楽が両腕を天に掲げると手のひらが大きく光だし、その光から
琥珀色した鉱石が無数に現れた！
そしてそれが拡散するように飛び散ると、ポイズンベアを四方八方から
攻撃する！
「おっと...その隙は見逃さんぞ！ウリャァァァ――――ッ！！」
神楽のアンバー・ビットの攻撃に怯んでいるポイズンベアの隙を狙って、
トランスが振りかぶって斬りかかって行く！
「グギャアァァァ―――ッ！！」
「うっし！いい感じで攻撃がヒットしたっ！」
トランスの剣攻撃をマトモに食らったポイズンベアが、痛みから
後ろへ後ずさりしていく！
「よし...このまま、追い込む！ハァァ―――ッ！」
『二連撃ィィ――ッ！たぁぁッ！てりゃぁぁッ！』
後退りしたポイズンベアへ、トランスが更に接近戦へ持ち込む為、
相手の間合いに素早く入り込み、その勢いでギフト技をポイズンベアへと
繰り出した！
「あ！危ない、トランスさん！上！上ぇぇっ！？」
「上......なっ！？」
神楽の叫声に反応したトランスがその方向へ顔を向けると、ポイズンベアが
トランス目掛け、牙を剥き出して襲いかかろうとしていた！
『さ、させないんだな...！亀の甲羅ッ！』
鈍山がトランスを助ける為に、急いでギフト技を叫ぶ！
すると、トランスの身体全体を亀の甲羅のバリアが包み込み、その身を
守ってくれた！
「あ、ありがとうございます、鈍山さん！」
「ナイスだよ、鈍山くん♪」
「ゲヘヘ.....」
二人の誉め言葉に、鈍山が顔を真っ赤にして照れてしまう。
「ったく...よくもトランスさんを殺ろうとしたわね、もう、許さないからっ！」
『舞え！アンバー・ビィィィ―――トッ！！』
神楽がギフト...アンバー・ビットの技名を叫ぶと、琥珀色の鉱石が幾数現れ、
再びポイズンベアを四方八方から攻撃する！
「グシャァアアァァ―――ッ！？」
神楽のビット攻撃を食らったポイズンベアが、痛みからくる奇声を上げて
その場をのたうち回って苦しがる！
