129話・クラスメイトの特訓(鈍山と神楽)
ここはランスロッド城から数キロ離れた場所にある森...
【東の森】
そこで勇者...鈍山と神楽の二人が特訓の為、この森で討伐
クエストを行っていた......。
「グルルルゥゥ......」
「ウボォッ!し、しまったっ!?ま、前に出過ぎちゃったッ!?」
鈍山が勢いあまって突進し過ぎ、ポイズンベアの攻撃射程内に
入ってしまっていた。
――――――
鈍山亀男
LV12
クラス【勇者】
HP100
MP108
攻98
防190
速102
魔191
幸95
女神のギフト【鈍速の亀】
――――――
「ああ!だから言ったのに!もう...鈍山くんったら、人の忠告を
聞かないからっ!」
神楽が勝手に突っ込んで行った鈍山に対し、呆れ口調で愚痴を
こぼして怒っている。
――――――
神楽琥珀
LV13
クラス【勇者】
HP125
MP120
攻142
防230
速200
魔182
幸133
女神のギフト【鉱石の曲芸】
――――――
「グヴャアアアァァ―――ッ!!」
「ひえええっ!?」
『ブヒヒィィ...!オ、オイラを守って...亀の甲羅ぁぁぁっ!!』
ポイズンベアの攻撃に間に合うように鈍山がギフトの名を叫ぶと、
自分の周囲に亀の甲羅状の盾が浮かび上がる!
「これでその攻撃をなん......って、うぎゃぁぁぁ―――うべっ!!?」
ポイズンベアの攻撃は甲羅の盾が弾いてくるものの、その勢いは
止められず、攻撃された反発力で鈍山が思いっきりぶっ飛んでしまう!
「キャァァッ!?に、鈍山くんが顔から思いっきり地面に突っ込んで
行ったんですけどぉぉ...っ!?」
突き刺さるかのように地面へ突っ込んで行った鈍山に、神楽が目を丸くして
驚くと共に......
「ちち、ちょっと、鈍山くん、だ、大丈夫ですかぁ~っ!?」
鈍山の安否が気になるのか、神楽が慌てて鈍山の近くへ移動する。
「だ、大丈夫だよ、神楽さん...本当、ギリギリセーフだったよ...!
ブイッ!」
「いや...全然、大丈夫って状態じゃないよ、鈍山くん......」
神楽の前なので無理にカッコつけている鈍山だったが、地面へモロに
激突した事で顔中が泥だらけ、血だらけになっていた。
「鈍山様!さっき、あれほどポイズンベアへ迂闊に接近してはいけませんと
申しましたよね!」
「トランスさんの言う通りよ、鈍山くん!第いち、貴方は遠距離なギフトなん
だから、離れた場所で待機してなきゃいけないでしょうっ!」
鈍山達を牽いている騎士...トランスが説教を含めた助言を述べ、神楽も
指示を忘れちゃったの?...と、鈍山を窘めた。
「ふ、二人ともすいませんです...。ついつい、カッコつけたくなって...デヘヘ」
顔の泥や血を拭いながら、鈍山が恥ずかしいそうに反省を色を見せてくる。
「カッコつけたくって......とにかく!鈍山くんは遠距離で私の指示があるまで
待機!...いいですねっ!」
「ハッ!ラジャーであります!神楽さんっ!」
神楽の憤怒にこもった言葉に、鈍山が後ずさりしつつも慌てて返事を返すと、
早急にポイズンベアから離れて行く。




