124話・クラスメイトの特訓(磯下と井上)
「おお!流石、奥村と光牙院だな!俺達とは技の威力が段違だぜ...」
――――――
磯下達也
LV16
クラス【勇者】
HP182
MP155
攻172
防233
速140
魔122
幸288
女神のギフト【幸運の足跡】
――――――
隣のゾーンで同じ様に特訓をしていた磯下が、光牙院達の戦いを見て
自分達との雲泥の差に目を丸くしつつ、賛辞の言葉を口にする。
「何が俺達よ!私は別に、あの二人に遅れを取ったつもりは1ミリだって
ないわよ!」
―――――
井上恵
LV18
クラス【勇者】
HP166
MP300
攻155
防180
速210
魔252
幸120
女神のギフト【神秘の恵み】
――――――
「その証拠を見せてあげるわ......ハァァァッ!」
『私の腕力を上げよ...!剛腕の恵みっ!!』
井上が拳をグッと握りしめてギフトの技を発動させると、拳が光だし腕力の
威力が数倍に跳ねあがる!
そして井上が、自分の身体を横へ目一杯に捻って...
「行くぞ、達也ぁぁっ!歯ぁぁぁ食いしばれえぇぇぇ―――――っ!!」
...と、気合を入れた叫声をあげると、その捻った反発力を開放するかの様に
突き出した拳を、思いっきり磯下へ叩きつける!
「ちょ、待てって!準備くらいさせ―――――アンバリベェェッ!?」
磯下の抵抗空しく、轟音唸る井上の拳がその頬にヒットした瞬間、磯下の
身体が宙を舞う様に吹っ飛んでいくと、凄まじく回転しながら床へ叩き
つけられた!
「あらあら~達也ってば、あんな無様...けふん、豪快に吹っ飛んじゃって~
油断大敵だぞ~♪」
激昂した井上に思いっきり吹っ飛ばれた磯下を、黒さを含んだ屈託のない笑顔を
こぼしながら緑川が楽しそうに見つめている。
「ホレホレ...いつまでもボケッと床に倒れていないで、さっさと起きなさいっ!
練習の続きができないでしょう!」
「こ、このBL女...あんな技を食らわせておいて、直ぐ立てるわけないだろうが...
無茶を言うんじゃねぇっ!」
井上のギフト技で吹っ飛ばされたというのに、理不尽な要求を述べてくる井上へ
磯下が不満全開の愚痴をこぼす。
「ったく......って!?どのわぁあぁ―――っ!?」
そんな愚痴を磯下がこぼしていると、いきなり誰かの放った炎の魔法が
磯下を狙って飛んできた!
しかし、磯下のギフト技『ラッキー』が発動して、その炎の魔法を瞬時に
回避する!
「こら、奈々!いきなり魔法を撃つなっ!あっぶねぇだろうがぁぁっ!!」
魔法の飛んできた方向へ目線を向けると、魔法を撃ち込んだ張本人...緑川が
立っていたので、磯下が激おこ状態で注意する。
「なんでそんなに怒るのよ~達也が立てないって言うから~私が代わりに~
立たせてあげようと思っただけなのに~!」
「あんな物騒な立たせ方があるかぁぁぁ―――――っ!!」
井上と同じく、意味不明な理不尽をかましてくる緑川に対し、叫声を荒らげて
説教する磯下だった。




