123話・クラスメイトの特訓(光牙院と奥村)
ここは蒼井よりも早くこの地...アーチに降り立ったクラスメイト達が
召喚されし場所...ランスロッドと言う国。
人族の中では、一番の繁栄と経済力...そして戦軍力を保持していると
される大国である。
その大国、ランスロッドから勇者として召喚された蒼井のクラスメイト達が、
魔王を倒すべく、今日も特訓に精を出していた......。
「よっしゃっ!今日は昨日のようにはいかないぞ、隼人!」
――――――
奥村大地
LV20
クラス【勇者】
HP255
MP255
攻189
防205
速181
魔155
幸233
女神のギフト【大地神の知識】
――――――
「ふふ...いい気合だな、大地!なら、俺もそれに満身の力を以て
迎え撃たせてもらうっ!」
――――――
光牙院隼人
LV22
クラス【勇者】
HP300
MP220
攻280
防206
速255
魔180
幸198
女神のギフト【光子神の栄光】
――――――
奥村が指をパキパキと鳴らし、光牙院に目線を向けそう言い放つと、
光牙院も準備運動をしながら奥村へニコッと微笑み返事を返す。
「それじゃ...やろうか、隼人っ!」
「ああ...いつでもかかってこい、大地っ!」
奥村のかけ声に光牙院が答えると、手に持っていた剣を握りしめ、
身を構える。
「んじゃ...遠慮なく、いくぜぇぇぇ―――――ッ!!」
光牙院の声に答える様に奥村が拳を強く握りしめ、大地を蹴って
突進する!
「ふっ!流石は大地っ!もうそんなスピードを出せるのかっ!だが...
俺だってっ!!」
奥村の素早い突進に光牙院が感心しると、持っていた剣を振り上げ
間合いをはかる。
「まずは、小手調べといくぜ!ハァァ―――ッ!」
『喰らえ!ロック・スプラッシュッ!』
奥村が魔法を詠唱して拳を突き出すと、そこから無数の石つぶてが
光牙院へ向けて次々と飛び出していく!
「それじゃ...こっちも小手調べで...迎え打とうかな...」
『俺を守って!ライト・ウォォォ―――ルッ!』
光牙院が魔法を詠唱して両手を広げると、目の前が光だし、そして
その瞬間、光の幕がその身全体を包み込む!
奥村の放った魔法の石つぶてが、光牙院の作った光の幕に当たると消え、
当たると消えを繰り返し、気づくと全ての石つぶてを消滅させた!
「やるな!じゃ、小手調べは終わって...本番に入らせてもらうぜぇぇぇっ!
ハァァァ―――ッ!!」
『硬化しろ!剛裂・岩断拳ッ!!』
ニヤリと笑みをこぼし奥村が、風を切る様に拳を突き出すとリング状
波動が打ち出され、光牙院に目掛けて轟音を立てて飛んでいく!
『させるかぁっ!光波・逆鱗斬ッ!!』
そのリング状の波動を迎え撃つ様に、光牙院が大きく剣を横一線へ
振ると、稲光の閃光がリング状の波動にほど走り、互いの技が相殺される!
「くぅ...うわぁぁ――ッ!?」
「ぐうう...ぐはぁあっ―――ッ!?」
相殺された風圧で、光牙院と奥村が反発するかの如く、逆方向へと
吹き飛ばされる!
「ハァ...ハァ...ふ...やるじゃねえか、隼人!」
「ハァ...ハァ...そっちもね...大地!」
ニヤリとして光牙院を誉めてくる奥村に、光牙院も爽やかな笑顔で
同じ誉め言葉を返す。