表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/481

11話・女神の使い


「先程の圧倒的強さ、それに死にかけた私をなくなった腕ごと完全に

治してしまうその奇跡の力...恐らく貴方様は女神様の使いであられますよね!」


「め、女神様の使いって...それは勘違い...」


あ...イヤ、確かにメイーナに召喚されたんだから、その言い方で合ってるのか?

でもそれを言うと絶対、面倒事になるよな...。


うん、ここは言わないでおこう...。


だって折角、ギフトを断って自由を得たって言うのに(正確には得てないけど...)

それにランスロッドだっけ、あの国に今の力を知られたら、かなり厄介な事に

なりそうなのは目に見えるしなぁ...(別の意味で)


「そう...勘違いですよ!僕はしがない冒険者ですから...はは...は」


「いいえ、そんなわけがありません!だって貴方様は、光と共にこの場へ

突如と現れたではありませんか!」


「光と共にって...それは日が射し込んでそう見えしまったのでは?」


「日が射し込んでって...空があんなに曇っているのに...ですか?」


女騎士にそう言われて、空を見上げると見事に空は曇っていた。


ハア...めちゃ面倒くさい...この女騎士さん、僕の苦手なタイプだ...。


「とにかく、僕は女神様の使いとかいう者じゃないですからね!」


「いいえ!そんなわけがありません!それなら、私のこの右腕を治した事実を

どう御説明するんですか!」


「え...と、そ、それはこの薬の力のおかげ...かな?」


「そう!それこそが貴方様が女神様の使いと言わしめる証拠なんです!

何故なら、この世界に欠損を治すアイテムや技術はないのですから!」


あ...やっぱり、ないんだ...。


メイーナが自慢のドヤ顔をしていたから、この世界にはないアイテムの

予感はしたんだが...。


く...メイーナのアイテムを使ってしまったのは迂闊な行為だったか...。

イヤ、あんな状態のこの人を放っておくなんて、僕にはできなかったし...。


蒼井はこの状態をどう誤魔化そうかと思考をグルグルと働かせ、色々考えてみるが

いい答えが全く出てこず、結局......


「嗚呼!大切な用事があったのを思い出したぁ~!すいません、僕...この後に

大切な用事があったの事をスッカリ忘れていまして...じゃ、そう言う事なんで...

この辺で僕は失礼させてもらいますね...!」


話を強引に打ち切って、この場を早急に逃げ出す事にした...。


「ま、待って下さい、使い様ぁ!私に恩を...恩を返させて下さいっ!」


「恩を返したいと言うのなら、僕の事はご内密にして下さい...それで恩は

返してもらったという事にしますので......ではっ!!」


僕は女騎士にそう釘を刺すと、その場を離れる為に空へと思いっきり

ジャンプした。


「め、女神様の使いが空へ消えて行った!?やはりあの御方は女神様の使いで

間違いなかったんだ...!!」


凄い速さで遥か上空へ消えて行く蒼井の姿を見た女騎士が、女神様の使いが空へ

帰って行かれたと、感動にうち震えるのであった...。


「のわあぁぁっ!?なんだ、このジャンプ力はぁぁぁ―――っ!!」


高い!ここ高過ぎるぅぅぅっ!?これ...落ちても大丈夫なのかぁぁぁっ!?


そう思った瞬間、大地へと落下が始まる。


うわぁぁあああぁぁぁ――――――――――っ!!


そして大地に突き刺さる様に僕は着地した。


「......」


お、痛くない......!?スゲエな、このブーツ...流石はメイーナ特製だ!

それに...何だ、このスピード!?は、はええぇぇぇ―――――っ!!


普段の数十倍で走っている今の現状に、僕は驚いて目を丸くしている。


『この南南西に人の気配が多数有り...その数、大体数百人程度...』


ブーツの効果に驚き中の僕の耳に、強引にメイーナが装備させた装備品の一つ、

『銀の指輪(人種発見付き)』が作動する。


「数百人...これは町がある可能性有りか...。よし取り敢えず、行ってみるか!」


僕はそう決めると、南南西へ向かって、ダッシュで駆けて行く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ