108話・ナビゲーションシステム
「サポートをする為のナビゲーションシステム...?」
『はい...その通りです...』
ま、確かにメイーナ特製の装備アクセサリーって、結構な数があるからな...
僕が混乱するのを見越して、このナビゲーションシステムか...。
「...って言うか、この声...どこかで聞いた事がある様な気がするけど...?」
はて...どこで、聞いたんだったかな?
『何をボケた事を抜かしているんですか...主様?いつもサポートをしてあげた
この声をお忘れになるなんて...』
うわ!主様とか言っているのに、何て口の悪い...っ!?
でも...いつもサポート......?
『はあ...これを聞いて思い出して下さい...コホン!』
『相手に殺意を感知しました...今からジャッジメント・サンダーを発動します!』
あっ!?そ、それは金剛石の腕輪のっ!?
『ピピ...この先...約20メートルに人型がいます...その数...1人』
そ、その声も言われれば、同じ声...!?
「じゃ、この声の主はキミ...なのか!?」
『はい...そうですよ、主様...!やっと、お気づきになられましたか...』
そっか...さっき、サポートをって言ってたもんな...。
『全く...今まで散々、サポートをしてあげましたのに...気づかないとは...
本当に主様は無能ですね...はあ』
ナビゲーションシステムが、蒼井の記憶の無さに呆れて溜め息を吐く。
「口で溜め息の音を出すんじゃありません!あんた...本当に口が悪いよな!
それが素の人格なのか?」
『素と言いましょうか...この人格は、元々メイーナ様の人格をモデルして
作られたモノです...』
メイーナの人格...
確かに天上界で素を出してきた、あの時のメイーナにそっくりだ...。
でもさっきから1つ、気になってるんだけど...
「君はそんなに悠長に喋れるのなら、何で今まで機械音みたいな
喋り方をしてたんだい!?」
『それは...主様の頭の中にあったナビゲーションのイメージは
こんな感じでしたので...似せてみたのですけど...駄目でしたか?』
「駄目というか...せっかくの可愛い声が台無しになってるかなって...」
『か、可愛い!?』
蒼井からおくびもなく発される可愛い発言に、ナビゲーションシステムの
熱が上昇してしまう。