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五君子戦 開戦

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@hiyokurenrisks


名前はその辺の物から適当に…



五君子戦開会式、転移装置前に集められた出場する5チーム25人と校長である老人、イヴァンの計26人が整列している。


「周りの目など気にするな!幻想空間を使えば死なん!存分に殺しあえ!自信の出せる最高のパフォーマンスをするだけでいい!そしてそれを見た者は自身に活かせるよう考えるように!」


簡潔に済ませた校長の挨拶の後でチームリーダーが前に出て行く


「金羽、ジン・トニック」


黄緑色の髪をたてがみのようにセットした大柄の男が


「金羽、石英(せきえい) (すける)


水色の髪に白い肌でその名の通り透けるような印象の細身の男が


「金羽、摩耶樫(まやかし) 紫陽花(あじさい)


紫の髪を長い三つ編みおさげにした美女が


「金羽、レント・シャルカン」


紺青の髪をした一見女にも見えるアホっぽい少年が


「銀羽、ゼロ・リフレクト」


灰色の髪を無造作に跳ねさせている適度にガタイのいい男が


これから戦う決意を胸に、覚悟を瞳に、期待を背に堂々と踏み出し校長が頷くと同時に


「「「「「力の限り戦おう!」」」」」


力強く宣言した。


それを生放送で見ている講堂、各講義室、交流所の生徒の盛り上がりは最高潮に達する、1部屋あたり5枚のパネルに映される別視点の映像は転移先でそれぞれのチームがおおよそ映るように動く。

ちなみに撮影に使用しているのは魔力を動力にした連理の枝側生徒の制作した人工知能搭載型ドローンだ。


校長が去りチームごとに分かれ25人が転移装置へ、そして起動される。

無人世界丸ごとに張られたダメージを全て精神ダメージに変換する幻想世界により死ぬ事は無いので彼らは転移終了次第、殺す気で戦う…



「というわけで転移したわけだけど、フィールドは…森?」


辺りが木に囲まれているためレントが確認をとる、しかし契約精霊の腹部分が膨らんだ蛇…ツチノコらしいを手に乗せたエリアスが否定する。


「ううん、半径10キロ調べたけどここら辺に木が植わってるだけで向こうに行けば崖のある水辺、あっちに行けば岩山」


土精霊を持ち自身の先天魔法も土であるエリアスによる地形把握能力は高い。


「状況を言えば上から順に岩山、森、崖の三層フィールドで岩山に1チーム、森に2チーム、崖に2チームで分かれてるんだけどどうする?」


「直接戦闘なら岩山と崖、罠を張るなら森、崖はこっちに水使いがいないからメリットがあまりない」


一瞬と言うほどでないにしてもかなりの速度で周りの状況を知れるといえアドバンテージを考えると森を捨てるのはもったいない。一方で森にいる限り制限を受ける人がいるのは事実…そしてレントが選んだのは


「このまま森で罠を仕掛けながら身を隠そう」


という選択だった。


「周りの実力を正しく把握していない事、立体的なしかけを使った罠を使える状況を捨てるのはおしい事。

ほかのチームがあんまり持っていない技能で戦おう」


という意外にも冷静で消極的な意見だ、しかし間違っていない。ニタリと悪い顔をした奴がどんなに嫌らしい罠を仕掛けていてもこれは決して間違いではない…



森に配置されたもう一つのチームのリーダージン・トニックもまたレントと同じ剣士であるがその戦い方の本質は剣ではない。

自身が起こした行動をストックしておき任意のタイミングで解放する先天魔法にある。


そして彼は現在、詠唱が必要な魔法をストックしていた。


「リキュール、見えたか?」


そのチームメイトである小柄な女性のリキュールに大柄な男、霧島が声をかける。


「待ちたまえ、私の生物探査に対してこの森は反応する対象が多すぎる」


リキュールの先天魔法は辺りの生物の場所と形がわかるというものだが森という場所の性質上沢山の生き物がいてその全ての情報を受け入れ処理している彼女には割と負担がかかっている、しかし曲がりなりにも先天魔法であるため使いこなしている彼女は把握し終える


「うん、大体わかった。あっちに1チーム、向こうにも1チーム、さらにそっちにいけば2チームだね」


3方向に指を指して答えた彼女はエリアスのように地形の把握はできない、しかし…


「そんでもって向こうにいるのが例の1年達だから狙い目」


生き物の形まで把握できる彼女は狙いたいチームを即座に割り出せる


「そんでもってあっちにはジンのライバルである石英がいる」


そう言って彼女が指すのは岩山の方角


「ちょっとみてもらえるか?」


霧島の声に反応したのは白鶴(はくつる)という鳥系の獣人、かれがその翼を使い低空飛行をして見渡すとそこには岩山があった。


「石英のところが岩山か…もしあいつがそこにいるならやってられないな」


正直な感想を述べる、しかしストックを終えたジンは実に楽しそうに


「なに、全力で相手してこそライバルだろう!もちろん狙いはスケのところだ!」


スケとは石英のあだ名で二人は幼い頃からライバル関係だ。

基本万能型で剣も魔法も使えるジンに対して先天魔法しか使えないながらもマグマをゆっくりとだが自由に動かせるという強力な魔法を持つ石英はライバルであった。


互いの読みと対応力が試される戦いが楽しく他では物足りないと感じるほどに二人だけが隔絶した力を持つほどに…


比連校に入ってからも二人だけが隔絶した力を持っていた、紫陽花も金羽ではあるがサポートメインの彼女とメインアタッカーの彼らでは純粋な戦いなど望めない、他学年には今まで何度か面白い相手がいたが今更そんなことは関係ない、互いの実力に加えて仲間を交えた軍略戦、それに心を震わせジンは岩山へと歩を向けた。


「やっぱりそう来ると思ってました!」


『彼らの足を止める障害なかれ』


『彼らに絶えず大気の恵みを』


それに対して最後の1人、和テイストの桜を制服に軽く散りばめた(みお)がかっこいい…と目を輝かせて支援系の魔法をかけて速力を強化する。


最も近い彼らがレントのチームを放置したため罠を作る時間が増えた。





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