五君子戦のルール(真)
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@hiyokurenrisks
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昨日感想でFGOに10万課金しても星5が出なかったと言っている人がいたのに1万でヒロインXオルタを出した僕はド畜生。一緒に来てくれたエルバサちゃんも好き…
『スピリッツ』『ラフメイカー』両チームから五君子戦参加者が多かったためあぶれた3人は学内の食堂でシスカに魔法を教えたり、逆に教わったりしながらのんびりしていた。
「大変な事になってきましたねぇ…」
「そうですね、特に矜持君はこんな事になって大変でしょう。クオリアはこんななので心配いりませんが」
ジトーっと半目で悠里が見つめる先にはいつも通りの姿でフライドポテトを食べているクオリアがいる。
「クオリアさんはどうしてそんなに落ち着いてるんですかぁ?彼氏がこんなに大々的に告白されてるのにぃ」
自分ならもう少し取り乱しているであろう状況であるにも関わらずあまりにもいつも通りなクオリアにシスカが問いかける
「んー、どうせ矜持がなんか救けたんだと思う。その時に言った言葉で…みたいな、あいつってば安心感あるから昔から吊り橋効果みたいなのは多かったのよ」
本当に何でもない事のように告げてからさらにクオリアは続ける
「それにね、私は矜持にいろんなものを沢山もらっているけれど返せているか不安だから…1人で返せるか不安なら2人で、3人でって事で彼女が増えてもいいかなって思うの…だって矜持はどんな人が相手でも助けようとするくらい大きい愛を持ってるんだもの、返す側も大きくないと…
もっとも、ただ矜持に甘えるだけの輩は許さないから私がちゃんと見定めるけれど」
途中まではとても儚くも美しく話していたというのに最後は底冷えするような冷たい笑みを浮かべたクオリアの圧にシスカと悠里はゾッとする。
「クオリア…それ実質誰も認めないんじゃ…」
「え?なに?」
「いえ…なんでも…」
怖い空気を出すクオリアをなんとか元に戻してしまおうとシスカは話題を模索する。
「あ!そういえばぁ、結局五君子戦てどんな戦い方するんですかぁ?」
5人チーム5つが無人世界でバトルロワイヤルをする、これが全てといえば全てだし五聖位戦を見たことが無い者などいないのでこの質問は完璧にマズったとシスカは頭を悩ませる…が
「そういえば独自ルールがありますね」
「そうそう、ほとんど五聖位戦と同じなんだけど盤外戦…というかそういうのが許されてて事前に結託とかできるわよね」
「そうですね、魅せる事を目的とした五聖位戦と違って何があろうと勝つ事を目的としてるので。
もちろん闇討ちなんかは普通に犯罪なので認められませんが」
案外自分の質問も無駄じゃなかったなーなんて考えてからシスカは気づく
「そ、それってぇ!レントさんたちに不利じゃないですかぁ!」
優勝するなんて大々的に宣言してしまったせいで他のチームに睨まれているであろう自分の思い人のチームの事を思い綺麗な緑のおさげを激しく揺らしてシスカが立ち上がる。
対して黒のポニーテールも銀のストレートも乱れない。
「それは彼ら次第でしょう」
「そうね、他にも因縁のあるところもあるんだから一概にみんなだけが不利って事も無いわよ、転移先はランダムだから良い土地に飛ばされるかどうかも勝敗には影響するしね」
そう考えるとなんだか大丈夫な気がしてシスカもフライドポテトを摘む作業に戻った。
ここ最近続けている訓練の後の日課だったカーバン一家のところへ顔を出す必要は無くなった。ヒカルたちが本当に特効薬や俺の空色の話を参考に対抗策をどんどん開発したらしい、一方であの状態は失敗作である事も分かったのだが…
他のチームからの報告で戦闘力もそこまで高くない事が証明された、つまり完成形は…ネルパで戦った子達になるのだろう。
しかしあの子は確かプロトAと呼ばれていた筈だ…つまり適性の問題、何分の1かで現れる適性者が厄介ということになる、そしてそれが現れるまでにたくさんの人が苦しむ事にも…
嫌な考えを振り払うように頭を振る、自分の持つ情報は既に本部に全て渡してあり他からも情報を集めているそちらに任せた方がいいに決まっている。
自分にできる最良の選択はコンディションを良い状態にしておくこと、そう思いながら家の扉を開ける。
「ただいまー」
「おかえり!」
トタトタと玄関口まで必ず出迎えに来てくれる妹の姿に開け放たれたリビング側から漂ういい匂い。
「おかえりなさい矜持、お姉ちゃんもそっちに行きたいんだけど今手が離せなくて」
そう言いながらも少しキッチンから離れて顔だけは見せてくれるエプロン姿の姉
「矜持おかえりー!おーい祈理ー!お父さん1人じゃ負けちゃうからー!」
祈理と一緒にゲームでもしていただろうにとり残されてしまった父の情けない叫び
「ちょっと摂理、手が離せないって言いながらいつまで顔出してるの!吹きこぼれてるから!あ、おかえりなさーい!」
姉さんの料理は被害を出した前例があるので俺専用になっているため恐らく他のみんなのための料理を隣でしているであろう母のちょっとしたおしかり
いつも通りになったそれが心に深く染み渡り潤いをくれる
「祈理おいで」
靴を脱いでから玄関口で待ってくれたままの祈理を抱き寄せるリビングからゲームで負けただろう父の落胆の声が届いたが聞こえないふりをした。