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幕間:大切な理解者

リクエストもらえた喜びは尋常じゃないのに糖度…頑張ってみてもこの2人糖度低い…


ツイッター

@hiyokurenrisks


活動報告にてリクエスト


感想ブクマもお待ちしております



翼階級の人間は狂っている、それは避けようがない当然の事だ、だからといって彼らが普通の感性を持っていないわけではない。


何があろうと譲れない信念を持つものだけが魂の強化される限界の壁を越えて通常とは隔絶した力を得るだけでそれ以外はただの人間と変わらない、友達が大切だとか家族が大切だとか自分が大切だとか


ただその信念が全ての序列の最上位に来るだけでそれが表面化しにくいものならば本当にただの人と変わらぬ心の在り方と言える。


「矜持、もうちょっとだけこのままで」


だから辛い事があれば落ち込みもするし癒しを欲しがる、畳に敷かれた布団の上でしがみつく様に矜持の胸に顔を埋めるクオリアの姿も何もおかしくはないのだ、そのサラサラと流れるような銀の髪を優しく右手で撫でながら左手で彼女の肩を抱き寄せる事で矜持は返事とした。


矜持もクオリアもどちらかと言えば落ち着いた雰囲気であり本人達の能力の高さからもそうした態度を求められ頼られる事が多い、それは決して不愉快な事では無いけれど人間は頼られるだけでは生きていけない、人に頼る事もまた心の健康を保つ上で必要なことだ。


凛とした姿で丁寧な口調ながらも硬さをあまり感じさせないクオリア

近くにいるだけで安心感が得られる矜持


誰もが頼り心の支えにしている彼らは逆に頼れる相手が少ない。


人前で本心を出せないなんて表現をよくされるが違う、幼児に対して、目上の人に対して自然と態度を変えるように人は誰も相手によって態度を変える、その1つの頼られやすい態度ばかりが前に出やすい2人ではあるけれどお互いの前では甘えられる。


全てが本心であり全てが自分であると知った上で彼らは寄り添って生きている。

そうして彼らは悲しみを乗り越えていける、背負い続けるのではなく必要な経験を得たら置いていく、正しい負荷のかけ方を選んでいける。


今日クオリアが落ち込んでいるのは依頼で来た温泉街で言われた「あんなにすぐ解決できるならなんですぐに来てくれなかったんだ」という愚痴のせいだ。


せっかく温泉街に来たのだからと依頼を片付けたら温泉を楽しむ事に決めていた2人は度々食べ物屋を荒らしに来ていたという猿の魔物をクオリアの二丁拳銃と矜持のワイヤー、その阿吽(あうん)の呼吸により追い詰めて捕らえ人目につかないところで処理をした。


その後宿で温泉に浸かっているとそんな言葉が聞こえたものだから少し落ち込んでしまったのだ。

そもそも猿の魔物を捕らえるのはそれほど簡単では無く本来の戦い方と違うとはいえ息の合う2人が圧倒的な先読みを行ったからこそできた事なのだがその説明もわかってもらない。


たった数分の実戦の裏にある膨大な修行の事なんて一般人にはわからない、だから見かけだけの判断をされるのは仕方がない。


仕方がないからといって傷つかない訳ではない、だから風呂上がりの今矜持を押し倒して甘えている。


矜持はそんなクオリアを宝物を抱えるように優しい手つきでそれでいて強く抱きしめる、自分の『救ける』という狂気を受け入れて理解してくれる大切な彼女を


この前のネルパ女学院での一戦、矜持の考えを理解して最低限の治療を施して送り出し相手の魔法を破壊し続けてくれた、当たり前のようにそうしてくれていたが万が一を考えると怖かったとクオリアは少し泣いた、それでも決して止めはしない、そういう生き方を矜持が選んでいると知っているから。


矜持も辞めるつもりはないけれどその分返せるものは返そうと考えている、だから


「クオリア、明日デートをしよう」


といっても何をしたらいいかわからないけれどと続けようとした言葉は続かなかった。


「なら観光用の世界に行きたい…」


今来ている温泉街もそうだがセラフェリアのある第1世界ではない、セラフェリアからは無人世界を開発した施設への移動用の超大型次元転移機がある、観光用のそれはバスのように箱で囲まれているため職員が生身で行う転移のような酔うという感覚がない。


「うん、行こう」


何をするか決めるのを失敗せずに済んで良かったと思いながらすぐに返事を返す。


スルリと頭の位置を前…矜持の方まで移動させたクオリアが腕を絡めて耳元に口を寄せる


「ありがとう、大好きよ矜持」


その囁きの破壊力は凄まじいものだった。


翌日昼


「寝坊した…」


せっかくの約束を守れなかったと矜持が頭を抱える。


「ま、まあしょうがないんじゃない?2人とも寝坊しちゃんったんだし、つ…疲れてたんだし…また今度行きましょう?」


同じように寝坊したクオリアが顔を赤らめながら許す、というよりも原因の半分は自分であるため責められない。


「クオリアがいいなら…」


矜持もまた顔を真っ赤に染める


「そうね…でもせっかくだからセラフェリアの方で適当に映画とかどう?」


クオリアの提案によりビデオをレンタルした2人はただひたすらにのんびりと過ごした。



2人が具体的にナニをしたかは書いてませんが現時点でこれは後の話のために入れる展開ではあったのでリクエストで機会を貰えて良かったです

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