終わってない
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@hiyokurenrisks
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「ほぇ〜、師匠と矜持にそんな関係があったのか…てか師匠今と全然キャラ違うな」
「だよな、俺もそれは思った。まあ指導者として態度には気をつけてるんじゃないか?」
「今度聞いてみようぜ、面白そうだし…んでまだ話あるんだけど大丈夫か?こっちはそんなに急ぎでも無いんだけど…」
さっきあくまで今は仕事中だと言ったのにいらない気を回してくる
「大丈夫よ、むしろ今回みたいに遠慮されて今回と違ってアドバイスが間に合わなかった時の方が矜持は後悔すると思うわ」
きょうのレントのギリギリの勝負を思い出しうんうんと頷く
「わかりました…今度比連校の方で五君子戦てやつが始まるの知ってるか?」
五聖位戦なら知っている、テレビ放送されるほど人気の大規模チーム戦闘。本部近郊に滞在している金翼の中で顔出しOKの連中から5人選んでそれぞれが方々から選抜した4人とチームを組んで行われる計25人による無人世界を使った大規模戦闘だ。
もちろんイメージアップや広報のための戦いであるため全力で行うというよりも見ていて憧れるような華やかな技が多い、そもそも金翼5人が全力戦闘なんてしたら上位同士の戦いに巻き込まれた銀翼なんかは余波でやられるかもしれないほどだし…
それを模しているとすれば…比連校が金羽5人に選抜させて行うものとでも思えばいいのか。
「五聖位戦の比連校版てことでいいんだよな?」
「そうそう!でも金羽が5人揃ってなくて…今も揃ってないらしいけど俺が金羽になったろ?それで知らない間に出場が決まってたんだよ」
これでルイスが階級に拘っていた理由と最初から剣を使わなかった理由が見えてきた、彼はその五君子戦に出たかったのだ、そして手の内を明かしたくなかった。
「ルイスがレントに挑んだのはその辺の理由も絡んでるっぽいな」
「あ、やっぱり?だと思って今日誘ってみたらめちゃくちゃ嫌そうな顔されたけどチームに入ってくれたんだよ」
カラカラと笑うレントは本当に楽しそうだ、やっぱりこいつはいい奴だ。
「それは良かったな、それで他のメンバーはどうするんだ?」
「まずお前、ルイスが顔合わせの時に謝るってさ」
思わず俺とクオリアは顔を見合わせる、正体がバレたらやばいのにそれは…と思ったが今日紡に指摘されたところだった。
「レントくんいくらなんでもそれは…ほら矜持って一応力隠して…「わかった、五君子戦はいつだ?今の依頼と被らなければ出る」えええええ!!」
途中でクオリアの発言を遮って告げた言葉に珍しく目をまん丸にしてクオリアが驚いている。
「梅雨明けて少ししてからだってさ、時間は十分だろ?それから他のメンバーだけどエリアスとクリスだ、バトルフィールドがどれだけ変わろうと確実に有効なメンバーで俺とルイス以外の力を合わせれば罠もちょちょいのちょいだろ?」
木々など身を隠せる場での遠距離狙撃なら悠里さん、木自体を使えるシスカなどが有力だが無人世界となればただの荒野の場合もある、そうなれば身を隠せない悠里さんに草木を育てるのに必要な栄養を魔力で補わないといけないシスカは不利になる、銃を使うクオリアは燃費がよく火力も飛距離も正確性に威力調整に状態異常と万能だがルイスを固定した場合に変則フィールドでエリアスとクリス、そして俺の地形にワイヤーに爆発物を使った罠の強みと天秤にかけて外れたのだろう。
最終的に出来上がったチームは一年生のみ
「ついでにこの五君子戦、一般公開はされないけど『比連職員』は見にこれるみたいでさ、ルイスは両親が、エリアスは父親が観にくるらしいんだよ、勝つしかないだろ!」
レントらしい前向きな言葉だがそこに自信が感じられる、今日の戦いで何か吹っ切れたみたいだ。
俺も話を聞いただけでだんだんと闘志が湧いてくる。
何もしていないのに体は熱を持ち自然と口角が上がる。
他チームは確実に高学年で固められているところへ一年が突っ込む、なんとも楽しそうな展開じゃないか。
「ああ、勝ってやろうぜ!」
ねつを込めたまま返事をした。
「ウィッヒヒヒーッスー!みんな準備進んでるかーい!?」
「うぇええええいっす!」
「いいねぇいいねぇ超元気でいいねぇ!人が増えると情報も増える!ほんっと君達はいいよぉ!」
ピエロのような格好をした紫の肌にツノ、ダボダボの服からは分かりづらいが獣の逆関節を持つ男…即ち悪魔の男がクラブハウスの中で若者たちの前に立つ、若者たちは元気な返事と裏腹にその顔に生気はない。
「んっん〜!悪意をばら撒く思春期の少年というのはほんっとーっに!スンバラスィ!ルイスと言ったかなぁあの子、八つ当たりの悪意振りまいてて良かったなぁ!あの子悪魔に堕としたいなあ!そうは思わないかい?ダァ〜グラスゥ〜?」
突然話しかけられたDJの名前はヒロヤという名前だ、ダグラスではないため咄嗟に答えられなかった。
「返事はちゃんとしろ!」
逆ギレをしたピエロのような格好をした悪魔に殺される。
「というわけでお前ら!そのカスみてーな魔力にカスみてーな魂!俺のためにしっかり使えよ!」
笑いながら悪魔は見せしめに殺した事によりあたりに漂う恐怖を、負の感情を持っていた瓶に集めて行く。
楽しげに笑いながら返り血を肌に塗りたくる、どこまでも楽しそうに狂った笑いをあげていた。