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勝ちたい理由

ツイッターアカウント@hiyokurenrisksにて告知をしてます、もしかしたらアンケートなんかもそちらで取るかもしれませんのでよかったらぜひ

FGOやアズールレーンをしてるので気軽に絡んでもらえると嬉しいです。



朝、目覚ましを止める、眠い目をこすりながらベッドから降りて制服に袖を通す。

寝坊した時に腕輪に魔力を流して新しく展開してしまうため5着くらいまで増えてしまっているのでいい加減近くの支部か比連校の方で戻してもらわないと邪魔だ。


歯を磨き終えリビングに行くと俺の分の朝食のご飯が多めに盛られている、これは先に席について顔を合わせようとしないエレナの仕業に違いない…嬉しい。


「やってやりますか!」


気合をもらったので意気込みは十分だと独り言で伝えてから家を出た。



「悪いな紡、俺の予定に合わせてもらって」


「いいって、俺この前まで収録の時間以外は部屋から出るなって言われてたからトレーニングも自主トレだけな上に収録のために外に出てもトイレですら一人にさせて貰えなかったのに比べたら自由にさせてもらってるから」


「そっちが普通なはずだから悪くは思わないでやってくれよ、どんな見た目でも油断してたら魔法で殺されたりするものだから」


戦闘訓練を受けた子どもの怖さは矜持自身が身に染みている、いくら警戒しても警戒しすぎということはないのがこの業界だ。


「矜持の昔話聞いてたからわかるよ、まあただの子ども相手でもナイフでコロッと殺られる自信があるけどな!」


「それもそうか!俺もこの前ナイフ…とは少し違うんだけど刃物でズバーっとやられてめちゃくちゃ焦ったんだよ、不意打ちなんてここ何年か食らってなかったからさ」


「あー、わかる!俺もこの前ストーカーのせいで調子乱して生放送中に歌詞ど忘れしてほんと焦ったんだよ」


ハッハッハと笑いながら二人は部屋を出る。今日の予定は比連校にてレントとルイスの模擬戦の見学することだ。



攻撃が精神ダメージに変わる魔法、『幻想世界』を使用できるフィールドの付近にレントの姿がある。

模擬戦が近づくと緊張で喉が乾いてくる、アップをした筈の体は強張ってしまっている。


「緊張しすぎよレント、もっと気を抜いて」


「そこまで思いつめなくてもぉ」


エリアスとシスカの言葉が耳に入る、それでも緊張は治らない、勝ちたいと思う程に心に重しがのしかかる、決して弱気なわけではない。どこまでも貪欲に勝ちたいと願っているがそれが空回りしているのが自分でもわかる。


「よおレント、気合入ってるな、なんかあったか?」


そこへ来たのは矜持(シスコン)、冷たかったエレナが少しずつ心を開いてきてくれた嬉しさを話すにはちょうどよくて話しやすい、それにやっぱりこいつがきただけで少し緊張は緩んだ。


「おう、実は特訓で疲れてたところにエレナがマッサージしてくれた上に今日は朝から米を大盛りによそってくれたんだよ」


自分でも驚くほどに明るく口が回る、それを聞いた矜持も少し驚いてから笑う。


「よかったな、羨ましいぞこの野郎…まあ俺も最近妹の祈理が道場に通うようになって時間があれば指導してるんだけどスポンジみたいにぐんぐん技術を吸収して伸びてくのが面白くて仕方ないんだけどな!」


ドヤっという擬音が似合う表情を浮かべながら自慢してくるのが本当にこいつらしい。


「武道ならエレナだって凄いの知ってるだろ?なんたって今は石動道場にまともに通ってる中でいちばんなんだぜ?」


「ああ、この前見たときにわかったよ、本当に自分に厳しく正しい型を練習してるんだなって。

祈理もまだまだだけどその内追いつくかもしれないぞ?」


「それはそれでありだな…ライバルができると強くなるものだし、今度会わせてみるなんてどうだ?あとエレナが仕事で大変だろうお前にもマッサージさせてほしいって言ってたぞ」


あの激痛マッサージはなんだかんだで結構効いていた、それでもやはり痛いものは痛いのだから矜持にも受けてもらいたい。


「いいなそれ、2人のいい刺激になりそうだし、マッサージの方も楽しみにしとく」


「おう!そう伝えとくわ」


「んじゃ、今日の模擬戦しっかり見てるからな、妹に応援されたんなら負けんなよ」


負けるなという言葉が心地いい、負けてもいいなんて弱気な言葉なんていらない。俺が欲しかったのは熱さをくれるこの言葉だったんだ。


「任せろ、言われなくても負けねーよ」


「なんか男同士で二人の世界に入ってるんだけど…」


「レントさんの緊張もうまい感じに解れてますしぃ、私だったら負けるななんて緊張しますけどぉ…武人にしかわからないものがあるんでしょうねぇ…」


エリアスとシスカは少し不満げだがこればっかりは仕方がない、たまたま俺と矜持が波長の合うバカなだけだから。


「あ、あの!頑張ってください!」


「特訓の成果、期待しています」


俺の態度のせいで話しかけづらそうにしていたクリスと悠里さんも応援してくれる、間違いなく最高の精神状態だ。


「そういえば新しい戦い方ってどんなのなんだ?」


「ああ、それなん…」


答えようとしたところにビーーー!っとブザーが響く


「悪い、時間みたいだから行ってくるわ、すぐにわかるから見ててくれ!」


「さぁー!やって参りましたこの一戦!『殲滅』対『疾風魔剣』互いに一年ながら二つ名持ちの実力者!今日はどんな戦いを見せてくれるのか!」


普段はこんな物はなく淡々と進めるはずの戦いに面白そうだからとわざわざMCまでつけられているが調子が狂うことすらない、確実に勝つとルイスを見据えてフィールドに上がった。



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