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日常:ゲーム

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「矜持、放課後暇?」


「まあ特に予定は無いな」


「じゃあ今日うちで遊ばねぇ?」


「いいけど家ってなにするんだ?」


「あー、ゲームでもしようと思ったんだけどさ…興味無かったか?」


「いや、どっちかっていうとめちゃくちゃある、殆どやった事が無いし」


「よっし!じゃあ決まりな!」


エレナの裸を見てしまったお詫びにした約束を守ってレントは矜持を誘っていたのだが完全に自由選択になった今の比連校において顔を合わせる場所というといつものメンバーが何となく固まる学年ごとの交流所の一角であるため当然他のメンバーも揃っている。

となればレントの事が好きなエリアスとシスカもそれに乗っかるのは当然と言える。


「私も今日予定無いから行ってもいい?」


「私もご一緒したいですぅ」


しかしレントの計画ではたまたま暇だった(という設定の)エレナを交える予定なので既に3人なのだ。テレビゲームは大体4人対戦であるため2人が来るとエレナが参加しにくくなる。

だからといって断る理由も思いつかなかったためどうしようもない。


「おう!やろーぜやろーぜ!クリスもどうだ?」


なら逆に人数を最初から余らせて最初からローテーション制にすればいいとクリスも誘う事にした。


「わた…私ですか!?その…友達の家にいくって経験が始めてなのにいきなり男の人のところっていうのが…ハードルが高くて…」


相変わらずの恥ずかしがり屋であるクリスだがここで来てもらわないとエレナが参加しやすい空気を作れない。


「私たちもいるんだからそんなに気にしないで大丈夫だって、それでも気になるなら私の家にする?」


それは…!それだけはまずい!


「待ってくれよエリアス!俺の家の方が種類が豊富だろ、矜持は初心者なんだから合うやつ見つけやすいほうがいいだろ?」


「でもクリスも誘うならみんな楽しめる方がいいでしょ、なんでそんなに必死なのよ」


「それは…」


どうしようもなくなって答えに困る、クリスを誘ったのはレントであるため(ないがし)ろにはできない。


「あの…さっきあんなこと言っといてなんですけど…レントさんなら大丈夫です!チームですし、ですからレントさんの家に行きましょう?」


助かった!とクリスの方を見るとコクンと頷いた。

もしかして気づいて助けてくれたのかと心の中でその優しさに涙を流す。

エレナのためにという下心こみだったがクリスのためにら今日は絶対楽しい日にしようと決意した。



放課後…

まだ明るい時間であるため子どもの声がよく聞こえる街中を5人はのんびりと歩いていた。


「同じ北区でもやっぱレントの家と俺の家って結構離れてるよな、場所によって家の様式も多少違うし」


「まあそりゃそうだろ、セラフェリアって超多民族国家だし…正確には国家じゃないけど」


セラフェリアは国では無くあくまで街なのだが国連組織の比連の下にある街であるためどこの国も所有権を主張できないため実質自治国家に近い。


「わすれてませんかぁ?、私もエルフですしレントさんも獣人のハーフですよぉ?」


「レントさんて…見た目完全に人間ですもんね…」


「俺も父さんみたいに全身丸ごと毛皮に包まれてたらもっと男らしかったのになぁ…」


「ふさふさで可愛いだけだったりしたかもよ?」


獣人は本当にその度合いが様々であるため特徴が全く受け継がれなかった事をレントは悔やむ。


「確かにエレナの耳とか尻尾は毛がふさふさだし柔らかそうだしで可愛かったなぁ…」


エレナの姿を思い浮かべながらしみじみと矜持が呟く、それを聞いてレントはやっぱりエレナが直接頼む方が絶対に楽だったと自分の無駄な苦労を振り返る。でもどんなに面倒でも話せるだけマシだと思ってしまうのだから仕方ない。


「今日エレナに会えたら思う存分撫で回してやってくれ、たぶんあいつも喜ぶから」


「お前が言うことじゃないだろ、お前自分の耳とかケツを触っていいって他人が許可出したらどう思う?」


「いやまあそりゃそうだけどあいつの場合撫でられるの嫌いじゃないから、昔はよく撫でたら喜んでたし。獣人と人間は違うんだから無理に当てはめて考えなくていいんだよ」


「じゃあ…会えたらお願いしてみようかな」


「おう、絶対断られないから安心しろ」


それを聞いて矜持から妙にそわそわした雰囲気が漂い始める。


「凄く楽しみみたいですねぇ」


「まぁ実際すげぇ気持ちいいからなあれ」


「そこまで言われると私もそわってみたくなるんだけど…」


「わ、私もです…」


エレナの知らぬ間にどんどんとその耳と尻尾の需要が高まっていた。


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