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サザナミ決戦2

そういえばこの前感想がきてめっちゃテンション上がったんで感想待ってます。


FGOのセイレムストーリー辛いですよね、アビーちゃんが可愛いのがせめてもの救いです。



「レンガ、立て。ライム降ろしてくれ、作戦はあるが時間はない」


作戦と言ってもあの迷宮巨人(ダンジョンギガス)の相手は結局ゴリ押しになるのだから適当もいいとこなのだが雑魚を一掃する陣を発動するための魔力をどれだけの面子で行うかを素早く決めなければならないので責任者のレンガには落ち込んだままで居られると困ってしまう。


「勝ち目が…あるんだな?」


「お前が立ち上がれば…な」


「取り乱してすまなかった…任せてもらおう」


レンガが立ち上がるとライムが降ろしてくれる。


「全員集めろ、作戦を説明する」


蛮の言葉を受けたレンガにより戦闘班、支援班その全てが集められる。


「全員集まったな、説明するぞ。まず最初に今は夕方だが進行が始まった、次にこれまでの雑魚だけじゃなく迷宮巨人と言われるやばい化け物が出てきた」


迷宮巨人を知っている勤勉な者が恐慌状態に陥り始めそれに当てられて何も知らない者にも恐怖が伝播し始める頃にとっておきをぶつける。


「それでも俺たちには勝ち目がある!なぜなら雑魚を一掃して迷宮巨人との戦いに集中できる環境を作れるからだ!元々迷宮巨人は街食い、翼階級が相手をしなくちゃいけない相手だが…あいつの厄介さは魔物を生む特性にある、それを封じれば勝ち目はある!」


「そんな方法があるのか?」


レンガが蛮に問うが


「あるっつってんだろが筋肉ダルマ、俺たちのよく知るあれだ」


「まさか…あの陣は完成していないだろう!」


「したんだよ、あいつの作る意味のわからん液体は前に解析してたからな、仕組みや何でできてるかも普通じゃねーから説明できないが作った。それをこの前来たガキがあいつが残した図面通りに走りながら垂らして作ったんだよ、他人の先天魔法を無理矢理再現したせいで時間も魔力もアホみたいに使ったが…やったんだ」


ニナイが数時間で半分終わらせたのに対し約一週間でもう半分、さらに言えば魔力も何倍も消費した。


「コストがかかりすぎるからやめたはずだろう、なぜ今更になって…」


レンガがもっともな疑問を口に出す、レンガの作戦です死者が出なかった以上、完成させる必要はないと切り捨てたはずだったのだ。


「あのガキ…矜持がよ、ここに来る前に野営用の塀から見たらしいんだよ、太陽に照らされて浮かんだニナイの陣を、来てすぐに罠師はいないって説明したら死んだって察しやがってな…引継いだ。

故人が残したものを無駄にしたくないってよ」


「そんな…」


レンガには言葉が見当たらない、感情がごちゃ混ぜになって何を言えばいいのかわからない。


だが力は湧いて来る。

ニナイが残してくれたものに助けられた、最後に残したものが無駄にならなかった。この仕事をしていれば死ぬのは仕方がないと切り替えたつもりでずっと引きずっていたのだと気付かされた。


「ああ、こんなにも…昂ぶるのは初めてだ」


喜びもある、悲しみもある、それでも戦う気力は満ち溢れていた。

ニナイが残してくれた力を無駄にはしないと、彼のおかげで勝てたと言うために負けるわけにはいかないと。


「その意気だ、じゃあ起動のための魔力はまず支援班全員、あとは…魔法使いでも迷宮巨人に対して有効でないやつはこっちに回してくれ。

んであのでかいのは前衛のやつらでパパッと決めてくれや、セオリー通りだろ?」


基本的に広域破壊は魔法使いが得意とする事が多く、逆に単体相手は近接戦の面々の方が得意であることが多い。


「ああ、人選は任せてくれ」


レンガの魂は先ほどまでより確実に強くなった。

溢れ出る闘気を見るに本当に負ける気がしなくなってくる。


「こりゃ俺も魔力を限界まで絞り出してやりますかね」


ニヤリと笑いながら蛮もまた自身の魂も同じように強くなってることだろうと感じていた。



うまくいったと矜持は安堵する。

死者への弔いは死者のためだけでなく生者のためになる。矜持の手助けは上手く『センライン』の面々に働いた。


あとはレントが自分の力に気づいてくれれば万々歳というところだ。


「なんか凄い事になってきたんだけど…」


「大丈夫ですよぉ、レントさんがいますからぁ」


「おう!任せろ!」


この3人はいつも通りと言えばいつも通りなので心配なさそうだが


「…っ」


クリスは怯えて震えてしまっている。初仕事でこんなことになればこっちの方が正しいだろう。


「クリス、大丈夫だ。絶対にみんな生き残る」


「でも…迷宮巨人なんて…」


「雑魚は無視できるから問題ないって蛮さんが言ってたろ?」


「そ…それでも私たちの力じゃまだまだ危なくて!」


自分が子供の頃、強大な敵に挑む時はいつだって自分がやらなくてはならないと奮い立たせてきた。

今のクリスはきっと自分1人いなくても変わらないと思っている、そんな彼女に正体を隠して直接戦闘に関わっていない俺からかけれる言葉が思いつかない。


「大丈夫だクリス!俺がついてる!」


レントがなんの根拠もないアホな言葉で入り込んで来るがクリスはそれに耳を傾け始める。


「クリスは凄い力があるから戦力になる、必要だ!そんでクリスのことは俺が守るから!何も心配しなくていい!」


真っ直ぐで明るいレントの言葉にクリスも当てられたようで呆気にとられた顔から少し笑顔になる。


「そ…それじゃあ頑張るので…守ってくれるって信じてますね?」


「おう、チームなんだからこれからもずっと守ってやるよ!」


レントの明るさは頼りになるな、自分はやはり少し口下手なところがあるみたいだと自重する。正体を隠した今は特にかける言葉が見つからないことが多い。


「レント…また口説いてる…」


「あの言い方は直して欲しいところですぅ」


エリアスとシスカのぼやきは聞かなかったことにしよう、やっぱレントも口下手の部類に入るかもしれないと矜持は思い直した。

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