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FGOのイベント美味しすぎて更新遅れました



気丈に振る舞いエリアスたちに同行している巫女装束の少女(あかね)は白い紙がついた棒、御幣を強く握りしめ、汗が滲み始めていた。


ヒトクチを倒すのなら自分にもできる、問題は周りにいる4人が『未知の力で』『予備動作なしに』それを行ったことだ、今この瞬間も自分の生死は彼女達に委ねられている、そんな状況を恐れるなという方が無理だろう。


「どこに向かっているの?こっちは今の時間開いてるお店も無いと思うけど」


「あ、ごめんね?話を聞かせてほしいからついてきてだけなんて不安だよね」


金髪のサイドテールを揺らしながらエリアスが気さくに話すが朱の警戒は解けない。


「このまま進むと私たちの所属する組織比翼連理の管理する門があり、そこからこの世界のもう一つの側面に移動します、あなた…都市伝説を倒す存在について現在情報が無いため私たちだけで判断はしない方が良さそうなので、お時間を取らせる事に関しては本当に申し訳ないです」


悠里の毅然とした態度に状況説明から怪しいのに変わりは無いが、先ほどの力も含めてある程度は朱も信憑性を持ち始める。


「お偉いさんに会ったりするの?私言葉遣い変えるのあんまり得意じゃないんだけど」


「大丈夫ですよぉ、こちらがお願いしてる立場ですしぃ」


「そ…それに矜持さんはとても優しいですし…心配しないでください!」


何故か自分より緊張してる雰囲気を出しているクリスの姿に朱は心配するのが馬鹿らしくなった、化け物…『都市伝説(フォークロア)の相手をするのが自分だけでなくなれば楽ができるし、万が一…自分が死んだとしても被害が深刻化しない。


この誘いは悪い話じゃない、そう思うとこれから仲間になりそうな同世代の女の子相手だ、朱は積極的に話して仲良くなることにした。



妖界に入る前からクリスは自身の精霊である火の子虎、フィンを矜持のところへ走らせていた。

本来なら手紙を咥えさせるなどをするのだが、矜持はなぜかフィンの身振り手振りや鳴き声で何を言っているかわかるので手間が省けた。


妖界に入ってからは支部の役割を兼ねた宿屋はすぐだ。


「偉い人がいるんだよね」


イレギュラーへの対応は、調査に出ておらず妖界にいて銀翼という立場の矜持、そしてクオリアの仕事だ。


「立場的には偉いけど私たちとは同級生だし優しいから大丈夫だって」


ここにきて追加される同級生という情報、若くて立場の高い人ということで朱のなかでは余計にイメージがつかなくなる。


「でも止まっていても仕方がない…か…よし!」


「フィンがもう着いてるので矜持さんは部屋の中に居ると思います、行きますか?」


なんだかRPGの確認みたいだ、なんて思いながら朱は頷く。


宿屋の中へ、そして奥へと進む。


「矜持ー、例の子連れてきたんだけどフィンから話いってるー?」


ノックなどを全てすっ飛ばしてエリアスが扉を開ける、もう少し開ける前に何かあると思っていた朱は扉の中に広がっている光景に圧倒される。


子どもが2人、そしてその子どもと戯れる2人の男女、髪の色がそれぞれ違うから血は繋がっていないのだろうが…偉い人に会うと言われていたのに仲良し家族に会ったような気分だ。


「すいません、少し寛いでて…」


ハハハと笑う矜持だがこの光景も合わせて朱の緊張は一気に解ける、矜持の周りを安心させるという特性はこういう時に強い。

そして心を読む読という存在もまた情報を聞き出す上で大事な存在だ。


「緊張…はもう解れたみたいだし話を聞かせて貰ってもいい?」


クオリアが朱に問いかける、すでにペースは矜持とクオリアの側にあった。


「はい、大丈夫です!知ってる事は多くはありませんが話せます!」



朱が話したのは家系の話、昔から悪いものを封じる家系に生まれた彼女は御幣を用いて化け物を倒すという話だ、そしてそのために化け物を感知する力があるとも言った。


「その感知能力だけど、向こうの方からは何か感じる?」


妖たちが多く住む方角を矜持が指差す。


「感じます、その子からも少し感じています、ただ化け物とは質が違うというか…あいつらはもっと空虚なんです」


読を指差し朱は答える。


「じゃあこれは?」


矜持が負のエネルギーを纏ってみせる、朱は恐怖に汗を噴き出す、早くこれをやめてほしい一心で答える。


「近いですけど…違います…」


「怖い思いさせてごめんね、ありがとう」


「いえ…大丈夫です」


「朱さんの実家の方に資料とかはあるの?」


「ある…と思います、詳しい事は分かりませんけど」


もう恐さはないだろうが気を遣ってクオリアが引き継いで話す。


「それ、見に行かせてもらっても大丈夫かしら?」


妖怪や負のエネルギーの塊との差を感じ取れるということは都市伝説という存在は明確な判断基準があるのかもしれない、であればそれを知りたいのだ。


「はい、大丈夫です」


「じゃあ…今回は俺が行こうかな」


「そうね、よくわからないものの感知なら矜持の領分だし」


朱としても先ほどの圧は仕方のないものだったと思う上に今は何も感じないため問題ない。


「じゃあ今日は遅いからこのままこの宿に泊まってもらおう、明日からよろしく」


人間界側の調査に矜持が参加することが決まった。




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