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新入生チームで初仕事



入学から一月、クオリアとは主に討伐系の依頼で夜をメインに時々数日がかりで活動し。

家では積極的に世話を焼いてくる姉と甘えてくる妹に囲まれて充実していた矜持は学校の方でもうまく活動していた。


「今日集まったのは他でもないわ!そろそろこのチーム『スピリッツ』で依頼を受けようと思うの、いい!?」


そう言って矜持を含めた4人に問いかけるのはエリアス・有馬


金髪サイドテールに勝ち気な金の瞳、問いかけのようでそれは拒否権を与えない言い方だ。


「私もそろそろだと思ってたんで大丈夫でーすぅ」


少し天然な緑の髪をおさげにした紫の瞳に眼鏡をかけたエルフの女の子はシスカ・リール


「が、頑張りましょう」


このパーティーの中でならあまり緊張せずに話せるようになってきたクリス

ここまでが机の対面、チーム名の由来の精霊魔法士3人組の女子側


「俺も賛成!鍛えた成果を実戦で出さないとな!」


おれの隣にいる紺青(こんじょう)色の髪に紺の瞳の細身の男がレント・シャルカン

見た目はただの人だが父親がオオカミの獣人のため筋肉の質がただの人間と違いかなりの力があるらしい。


「俺も賛成、ただ最初だから安全なのがいい」


それに同い年のパーティーなので口調が砕けた俺の男子組


この計5人で初仕事に行くことに決まった。


「言われなくても安全なのを選ぶわ、というか選んできたから」


そう言ってエリアスが選んで来たのは第13世界の港町、地震と津波により町が半壊して近くの森から出る魔物が夜になると襲ってくるらしく、既に何組か正規職員が向かっているが近隣の町から物資を運ぶために馬車の護衛に人手を割いて一人当たりの仕事が増えて職員の疲労がたまってきているので力を貸してほしい。というもだ。


「これなら正規職員が周りにいるから比較的安全だし私たち魔法使いが役に立ちそうな状況でしょ?」


たしかに仕事の安全性はなかなかだろう。

クリス、エリアス、シスカは魔法使いだし戦闘中に使える魔法は得意分野に限られてるが時間をかけて計算すれば生活支援程度ならいろいろできるだろう。


レントと俺は力仕事でもすればいい。


心配なのはどれだけの死体を見ることになるかだがさすがに正規職員が現地に行って時間が経っているならそこまで酷くはないだろうとあたりをつける。


「いいと思う、でも瓦礫の撤去とかもする事になったら死体を見るかもしれないぞ?いいのか?」


だからよ(・・・・)、これから仕事をしていく上でそれを知らずには通れないでしょ、有馬家の者としてまずはこの目で自分たちの守るものをしっかりと確認すべきだと判断したわ」


「俺はいいけどみんなは?」


「俺も問題ないな!エリアスの言うことは正しいと思うし今まで色んなところを旅していろんなものを見てきた矜持が仕事的に問題ないって言うなら大丈夫だ」


隠していてもそのうちバレるだろうことはわかっているので実力だけを隠し最近まで旅をしてて小中学校には行ってなかったことを伝えてあるのでレントは了承してくれる。


「私の魔法はそういうところの方が役に立ちますし大丈夫です」


「私も皆さんを信じます!」


シスカとクリスも続き満場一致で可決される。


「じゃあ転移装置の申請しておくから明日から2週間、頑張るわよ!」


「「「「おー!」」」」



という事で2週間、比連の仕事は長引く時はつき単位になったりするので珍しくもないのだがこっちの世界にいなくなる事を家族とクオリアさんに伝えるとクオリアさんからはあっさりと「わかったわ、頑張ってね」と言われただけで済んだのだが


「矜持がグレた〜〜!どうしたの?お姉ちゃんのお弁当美味しくなかった?構いすぎなのが鬱陶しかった?ダメなとこあったら治すからー!」


「お兄ちゃん、お仕事頑張って!」


摂理姉さんが壊れた。


「ありがとう、祈理。姉さんの弁当美味しかったし構いすぎとかでもないから、ただチームで決めた依頼だから」


「でもいきなり2週間なんて!普通は日帰りから3日までで手頃な仕事から始めるんでしょ!?ネットで調べたんだから!」


「いやまあそうだけどちゃんと安全な仕事だしそれ以前に俺の本来の階級思い出してよ」


学生としての階級はクオリアさんとの特訓の甲斐もありうまく隠せて銅羽でチームのみんなも銅羽、エリアスだけ銀羽の程度だ。

だが俺の本来の階級は銀翼超高難易度依頼が舞い込んで来てもおかしくないし最悪数ヶ月も家を空けて当然の階級だ。


「あ、そういえばそうだったわ…そっちの方の話は聞けないからつい学生のイメージばかりで…」


姉さんがえへへと恥ずかしそうに頬をかく


「じゃあ頑張ってきてね矜持、帰ってきたらお母さんと一緒にご馳走作るから!」


「祈理も手伝う!」



そうして周りのみんなから応援を受けて翌日、比連校内の転移装置前にそれぞれが準備して集う。


「それじゃあお願いします」


エリアスが代表して係の方に告げて円形の台の上で転送を待つ


「転送とは本来精霊とごく一部の魔物、そして悪魔が使う魔法、次元転移の式を精霊から書き写してもらうことで作られた装置ですので、旅行とは違い生身での転移は慣れるまでは転移してすぐは船酔いのように気分が悪くなるかもしれませんのでその場合は少し休んでから行動してください。

ではお気をつけて」


係の人が定型文らしきものを言いおわるとスイッチを押す、すると周りにある複数の大型の魔力貯蔵箱から魔力が送られて目の前が光に包まれ体が浮遊感を覚える。


光がうすれて浮遊感が消えると先ほどの景色から魔力貯蔵箱が消えた状態の場所、つまり転移出口となっていた。


「うぅ…酔ったぁ」


「私もですぅ」


「わ…わらひもぉ〜」


「あ、俺平気だったわ、矜持は?」


「慣れてるから平気」


少し締まらない感じでチーム『スピリッツ』の初仕事が始まった。

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