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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
国宝返却 編
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獣人事情

 

 ユリナの悪魔な提案を、スズが承諾した後。


 スズは尊敬の眼差しで、ユリナを見ながら口を開いた。


「ユリナさんは凄いね」


「何がです?」


 ユリナが首をかしげると、スズがムスッとしてユリナを睨み付けた。


「・・その敬語・・どうにかならない?」


 ユリナは、うぐっと言葉を詰まらせた・・・


 そんなユリナの代わりに、馬に乗っているイデアがスズに答える。


「ユリナは人見知りなのよ」


 イデアは、本日何度目かの台詞をはいた。

 スズはハアーと溜め息をついてから、ユリナをジーと見つめる。


「・・・私の事嫌い?」


「!?」


 ユリナはビックッと震えた。


 そんなユリナを、スズは悲しそうに見つめる。


「嫌い?」


 可愛い女の子がうるうるすると、破壊力は抜群だ・・・・・


 恐ろしい程の罪悪感に、ユリナは負けた。


「そっそんなこと無いです・・いや無いよ!」


 ユリナが言い直すと、スズは嬉しげに笑った。


 可愛すぎるだろぉぉぉ!!


「よし!ユリナさん!私ね!頑張るよ!

 頑張んばってムネスケを口説いて見せる!!」


 笑顔で宣言するスズ。


 彼女の言葉を聞いたスズの母親が、目を見開いて叫んだ。


「ムネスケ!?」


「知ってるんですか?」


 余りにスズの母親が驚くので、ユリナか聞くと、スズの母親は言いにくそうに重々しく口を開いた。


「夫の・・政敵の息子よ」


「・・うわぁぁ」


 最悪な相手らしい。少なくともスズの父親にとっては・・


「ムネスケは好い人だよ!父親がアレなだけで!!」


 いくら、ムネスケが好い人でも父親がアレ・・アレってなんだ?

 ユリナが考え込んでいると、スズの母親がボソボソと呟いた。


「・・それに・・あの子・・猫獣人じゃない」


 猫獣人?それが問題なのだろうか?


 ユリナは不思議そうに、スズの母親を見て口を開いた。


「?獣人同士でしょ?」


 ユリナが首をかしげる。


 それを見たスズの母親は、人の感覚は自分達とは違うんだと自覚しながら、ユリナ達に分かりやすい言葉を探し口を開いた。


「獣人でも、種族が違えば子が生まれにくいのよ・・

それに混血は疎まれるから・・大体は他国に逃げるわ」


 混血は、獣人同士でも疎まれるらしい・・・・・


 ならば、スズの母親が難色を示すのは理解できる。


「思った以上に大変だね・・今なら・・」


 まだ間に合うよ?とユリナが言おうとしたら・・・・


「やる!諦めないわ!」


 もう無理らしい・・・


 なら。後の事は本人の責任だ。

 ユリナに言うことはない。


「分かった・・出来るだけ協力する」


 ユリナがニヤリと笑うと、スズが嬉しそうに笑った。


「ありがとう!!ユリナさん!」


 そして・・・


腹をくくったスズとスズの母親が、馬車の中で作戦会議を初め、ああすれば良いとか、こうすれば良いとか・・夫の時はどうこうと・・ムネスケを口説き落とす戦略を練っていた。


 時折シュエとグレルが、男性視点でのアドバイス(ユリナにしてほしいこと)を教えながら、馬車は街道を走った。


 数時間後。


 馬車が国境の門について、検問をしている門番がユリナ達一行を止める。


「身分証を」


「はい」


 身分証は、一つの集団なら代表者の一人が見せればいいらしく(旅芸人とかは数十人になるので!時間がかかるためらしい。異世界緩いな・・・・)


 すんなり通してくれた。町につくと、ユリナ達は毎度お世話になっているの転移の出来る建物を探す。その間にユリナは、女性達に今後について聞いてみた。


「私達はこの国で、する事があるので王都に行きますけど・・・

 貴女方は、これからどうしますか?」


 ユリナが聞くと女性達の一人が笑顔で答える。


「私達は自力で帰りますわ」


「お金も頂きましたしね」


 女性がユリナ達に、大量に金貨が詰まった皮の袋を見せてきた。盗賊が貯め込んでいた金だ・・・・・


「町まで来れば大丈夫ですよ」


 笑顔で言ってくる女性達。


そして、細かい話が(馬はそのまま女性達にあげて、服も女性達にあげた。

 代わりに、盗賊から強奪したお金でユリナは途中にあった服屋で新しい服を買った)終わる頃には、転移陣がある建物についた。


知らないうちに、お土産を買っている辺り女性達は逞しかった・・


 そして、其々の目的地に向かう転移陣をに行くために、女性達とは此処で別れる事になった。


「ありがとう御座いました・・・」


「ハヤワーンに来た時は、都にある宿(猟犬)に来てください!!無料でお泊めしますわ!!」


「「その時は、私達もおもてなししますよ!」」


 口々にお礼と・・宣伝?・・をする女性達にユリナ達は笑って手を振った。


 ・・しかし・・(猟犬)か・・何か凄い名前だ。


「必ずいきます!」


 ユリナはタダが大好きだ!ガメツイとも言う・・


 ユリナが笑顔で言と、イデア達もそれぞれ(約一名・・無表情な奴がいる・・シュエだ)笑顔で手を振って声をあげた。


「元気でね」


「気を付けてな」


「また会おう!!」


「ではな・・」


 それぞれが手を振る。


 すると、スズが力一杯ユリナ達に叫んだ。


「バイバイ!ユリナさんと皆さん!私頑張るよ!」


「頑張れよ!」


 ユリナは、ニヤリと笑って言うときびすを返して、王都の転移がある部屋に向かって歩き始めた。



・・・・・想い人に向けて一直線・・・・・

誰かを思い出しますね・・・・・

次はブライアの王都です!

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