シュエ。愛を語る
しばしの沈黙。
ユリナは単に驚いたため。
シュエは男性を忌々しい顔で睨み、タンペット先生は呆れ顔で男性を眺める。
そして我にかえったユリナは、慌てて立ち上がる。
そして、スカートの端を少し持ち上げ頭を下げた。
「あっ!私はユリナ。
ユリナ・ウィングと申します。
タンペット先生に師事している者です。以後お見知りおきを」
そんなユリナを見て、筋肉のオッサンはフンと鼻をならした。
スッゴク見下されてる。
「俺はバルバロ。そこのシュエの父で、お前が先生と言う男の息子だ。
平民の小娘?お前がユリナか!おい!シュエ!」
オッサン改め。バルバロは、私の顔を凝視して何か怒こったような顔をしたのち、シュエに叫ぶ。
何だよ・・・・・
「可もなく不可もない!普通の顔じゃねぇか!お前、こんな・・・ぐふっ!」
シュエが、バルバロの鳩尾をおっもいっきり殴った!
しかも、先生は静観してる!?
いつもの事なのか!!そして、そのままシュエはニメートルはある巨体を、軽々と俵 担ぎして私達にいい放った。
「もう 帰る。アップルパイ旨かった。
またな、ユリナ。失礼します。お爺様。」
「うん!バイバイ」
「また来い。孫よ」
彼はそのまま、魔法陣の部屋に行き、王都の屋敷に帰って行った・・・・・
突っ込まないよ!
突っ込み処多すぎて めんどいしね!
そしてユリナとタンペット先生は、夕方まで術研究したりお茶をしたり、まったり過ごした。
ある、貴族の家族の会話。
「おい!お前あんなのが好きなのか!王女の方が死ぬほど美人だぞ!」
「シュエ!王女様は美しく可憐で、召し使いに優しくて、貴族令嬢にも評判が良いのよ!何処が駄目なの!」
「休日まで、呼び出す所です!ベタベタ触ってきて鬱陶しい!」
「鬱陶しいだと!あんな美人に!」
「ユリナさんはどんな方なの?」
「人嫌いで引きこもるのが好きで、暗闇が落ち着いて、喋るのが嫌いで甘いものが好きで、魔術が好きで本が好きで、弟も含めて子供が嫌いな面倒臭がりで、料理が上手い女性です!」
「父上を上回る奴が居た!」
「シュエ!貴方何処に!好きになる要素があるの?」
「好きに理由はないです!初めて会った瞬間に恋に堕ちたんです!何を考えてるかわからない何処とか、恐ろしい白の瞳と、その怪しさを増幅させる赤の髪と、性格は二の次です!むしろ、怠惰な所がいいです!世話を焼きたくなる!」
「「お前はやはり父上の孫だ!」」
あとで聞いたが死んだお婆様は、放置していると一切 動かない怠惰ぶりで、お爺様が世話を喜んで焼いていたらしい。
あとで、お爺様にお婆様の思い出を聞いて参考にしよう。
今後の為に・・・・・
どうでしたか?シュエ君。苦労しますよ・・・・・ほんと・・・・