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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
前世の過去 編
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馬子にも衣装

引き続き過去編です。

 

「レイン様。御起床を」


 薄暗い寝室に設置されている、キングサイズのベッドに向かって、アリンナが優しく声をかけた。


 声をかけても、全く反応しない人物を、アリンナが優しく揺り起こす。


 寝ていた人物。ミリは、揺り起こされてパチリと目を開けた。

そして、少しの間回りを見渡しす。


 寝室の分厚いカーテンの隙間から、朝日が部屋に少し漏れていた。


・・気持ちいい朝だ。


 ぐっすり眠り目覚めは・・胃もたれしている。

原因は・・肉か・・


「・・・おはようございます・・アリンナさん」


 ミリが、目を擦りながら上体を上げる。


「朝食はどうなさいますか?」


 ミリは、胃の辺りをさする。


 まだ胃に、肉が残っている感じがするが・・何か食べたい感じでもある。


「何か・・胃に優しいもの頂戴」


 ミリが寝ていた、ベッドの横に立っているアリンナにミリが言う。


 中途半端に空腹になると、胃が痛くなるから何か入れたい。


「そうですね・・・スープをいただいて参ります。寝室で召し上がりますか?」


 アリンナは、ミリに取り敢えず聞いてみる。


 貴族ならば、寝室で朝食をとることもある。アリンナは、それ用の小さい机を一様は準備していた。


・・・しかし、異世界の文化がわからない・・


 ミリは、ゆっくり首を振り、ベッドから出た。


「ううん。流石に行儀が悪いよ・・・隣の部屋で食べる」


 そう言うと、そのままミリは寝室を出た。そのあとに急いで、アリンナがついて行く。


 隣の部屋は、昨日食事をした部屋だ。


 ミリは、その部屋に出ると昨日座ったソファーに座る。すると直ぐにアリンナが、カチャカチャと軽食の準備を始めた。


 少しして、ミリの前にあるテーブルに紅茶が出てきた。


「お召し上がりください。私は厨房に行って参ります・・スープを頂いて参りますので、少々お待ちぐださい」


 アリンナは、そう言ってミリにお茶を出すと、部屋を出ていった。


 ミリは、目の前にある湯気がたつ紅茶を見ると、ハーとため息をつく。


「・・・どうしよう・・・私・・紅茶・・・飲めないんだよね・・」


 ミリは、紅茶の強い香りが苦手なのだ・・

しかし、飲まないと気を使わせてしまう。

ミリは義理で、無理して一口。


紅茶を口にした。


・・・が、まるで香水を、そのまま飲んでいるみたいだった・・・ウゲー。


 ミリは根性を出し、吐き気を押さえて紅茶を飲み干す。


 残したら・・アリンナさんが・・・気にやむかも知れないからだ。


「ウゲーっ・・・緑茶か、烏龍茶が飲みたい・・」


 紅茶と珈琲は駄目だが、烏龍茶と緑茶は好きだ。

 烏龍茶も、結構匂いするのにな・・


何故好きなのか・・・自分でも分からん。




 その頃・・・・・


 厨房についたアリンナは、朝食の片付けをしていた、料理人の一人に声をかけていた。


「おはようございます。異界の方の、朝食をいただきに参りました」


 若い料理人は、鍋を洗いながらアリンナを見て笑った。


 爽やかな笑顔だ。


「おお?アリンナか!おはよう!お前の主。何食うって?」


「スープです。胃に優しいものを、欲していらっしゃるので」


 若い料理人は考え込んだ。


病人食を作るのも料理人の仕事だ・・しっかし・・


胃もたれか・・寝る前に、肉塊何か食うからだよ!!


「胃もたれか・・そういうときは・・・おい!まだミルクスープ残っているか?」


 若い料理人はニカッと笑い、手を一つ叩く。そして、後ろにいた他の料理人に声をかけた。


 その料理人は、賄いに回そうとスープの鍋を、火にかけようとしている所だった。


「おお!あるぜ!今暖め直してやるよ!」


 丁度、今暖め直そうとした鍋が、目的のスープだったらしい。


 彼は、火の残る釜の上に鍋を置いた。


「ありがとうございます」


 賄いに回すスープを貰う事になり、アリンナは料理人達にお礼を言う。


 一人分貰うと言うことは、料理人達の取り分が減ると言う事だ・・・・


「いいって事さ!それが俺達の仕事さ・・・ちょっと朝飯が遅くなるがな」


 最初に会話をした料理人が、アリンナにニッと笑った。


 数分後・・・・・


 アリンナは、暖め直して貰ったスープを持ってミリの部屋に向かう。


 すれ違う人達は、みんな嫌そうな顔をした・・

いつもの事だが嫌・・・だな・・


 アリンナが、ミリの部屋につくと、アリンナは扉を軽く叩く。


「レイン様。スープをお持ちいたしました」


 すると中から女性の声がした。ミリだ


「入っていいよ。アリンナさん」


 アリンナは部屋に入り座っているミリの前に、熱々のスープを差し出した。


「お召し上がりください」


 ミリは嬉しそうにスープを見る。彼女は、スプーンでスープをすくいスープをフーフーして・・・飲まない。


 ひたすらフーフーしている。そして、3分位してスープを飲み始めた。


・・レイン様・・・


「・・これからは、ぬるめにしていただきますね・・・」


 ミリは猫舌だった。


「うん・・・お願い」


 少し恥ずかしそうにしながら、ミリはスプーンを使いスープを飲む。


 ミリは、ゴクゴクスープを飲んでいる、ミリが飲み終わり人心地ついていると・・

アリンナが、幾つものドレスと装飾品を持ってきた。


・・ああ・・・着替えか・・・


「お着替えをしていただきます。どれになさいますか?」


 ソファーに座るミリの前には、色とりどりのドレスが並ぶ。


 ミリは、その中の一つに手を伸ばした。


「これがいい!」


 ミリが選んだのは藍色のドレス。無駄な装飾の無いスッキリしたデザインのドレスだ・・・


 ミリが選ぶと。奥の部屋からアリンナが、ドレスに合う装飾品を幾つか持ってきた。


「では、髪飾りと首飾りはどれになさいますか?」


 アリンナは、ドレス似合わせて青系統の飾りを持ってきてくれた。


 どれも良いが・・・おっ!これがいい!

 ミリは銀でできた羽に、青い小さな石がついた髪飾りと、同じく銀の鎖にに小さな石がついている首飾りを、交互に指差す。

 アリンナは、にこりと笑い頷いた。


「分かりました。これですね・・・お立ちください」


 ミリはスッと立ち上がる。

 するとアリンナがミリの服を脱がそうとする・・・・・やめて!恥ずかしいから!


「自分でできるから!」


 真っ赤になって服を押さえるミリの手を、アリンナがはがし、テキパキと仕事着の牡丹を外す(そう言えば、召喚されてから一度も着替えてない・・・・・)


「いえ。侍女ですから・・・女性同士ですし・・・恥ずかしがらなくてもよろしいんですよ」


 アリンナは、本当に素早くミリの服を脱がし下着姿にする。


 脱がした服を、皺にならないようにソファーにかけてから、アリンナは藍色のドレスを手に取って、ささっとミリにドレスを着せた。


 素早く髪を結い上げて(アリンナは、ミリより10センチ近く身長が高い。なので、ミリが立ったままでも問題ない)

 髪飾りをつけて、首飾りもつける。


「レイン様。服を片付けてますから、ソファーに座っていてください」


 アリンナは、パタパタと奥の部屋に消える。

 ミリの仕事着と、ドレスをしまいに向か為だ。


 ミリはドレスに皺が寄らないよう気を付けながら、ソファーに腰かける・・・アリンナ・・早業だな・・

 アリンナは服を仕舞うと、奥の部屋から箱を持って出てくる。

・・・・・もしかして・・・


「化粧?」


「はい。当然ですわ!はい!目をつぶって下さい」


 アリンナは、楽しそうにミリに化粧を施す。

終わるまで一時間。


化粧は時間が かかるんだな・・私は余りしないから。


・・・スッゴク・・・疲れた・・


 コンコン。ノックの音が部屋に響く


「リームだ」


 ソファーにダラッと座るミリが、ピンと背筋を伸ばし、扉に向かって声をかける。

ダラッとしてたら殺されそうだ・・・


「はい。お入りください」


 ガチャリ。扉が開き二人の男性が入ってきた。

 リームとリームの付き人の男性だ。


「レイン。支度は・・・出来たみたいだな」


 リームは着飾ったミリを見て、驚いて目を丸くした。


 着飾り、化粧をしたミリは綺麗だった。

・・・幼さと綺麗さが同居した、綺麗な容姿。

女は、化粧でこうも変わるとは・・・・・


「では行くぞ。アリンナは、片付けをしていろ」


 リームは内心を押し隠し、冷たい声音でミリに言う。


「はい」


 アリンナが返事をすると。


 リームとミリと付き人は、ミリの部屋を後にした。


 昨日よりは短い道のりを3人で歩く、道のりは、短いがすれ違う人は多い。


しかも皆が皆・・・何か・・嫌な目をする。

何なんだよ・・・一体・・


 しばらすると、大きくて荘厳で立派な扉が現れた。


扉につくとリームは止まり、扉を守る扉番に話しかける。


「異界の方をお連れした。扉を開けよ」


「「はい!!」」


 扉番はリームに敬礼して、急いで扉に叫ぶ。


「異界の方とリーム閣下が到着いたしました!」


 バァン!

 勢いよく扉が開くと、リームは無言でスタスタ歩く。

その後ろに、ミリと付き人が続いた。


 三人は、金色の絨毯の上を歩く。


左右には貴族っぽい人がズラリ・・・・・コイツらも・・・あの嫌な目をしている。

 中央くらに行くと、リームが頭をい下げた。ミリも慌てて下げる。


「面を上げよ」


 上の方から声がした。


 見えないと思ったら、階段の上に玉座があったのかよ・・・


 リーム達は、顔をあげよと命じられ教王を見上げる。


 教王は、金の王冠をかぶり金の衣装を纏った60くらいの爺さんだった。


 金がかかってそうだ・・


 老人は、リーム達が顔をあげると静かに口を開いた・・・


ミリのドレス姿でした。

次は、ミリの心がちょっと最低です。

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