表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生しても私は私  作者: 柳銀竜
メイド 編
18/174

愛人 2号

愛人です!詳しくは本文で!

 

「ユリナ!菓子を買ってきたぞ!」


 早朝。井戸から勢いよく男が飛び出・・れなかった。

サンタのような荷物が引っかかっている・・

どうしよう・・・・・


「ユリナは台所よ・・・・・」


 ユリナ!ユリナ!連呼するグレルに呆れながら、たまたま水汲みに井戸に来たシャルロットが、井戸を遠目に眺めた・・

井戸が詰まってるわね。

水汲めないわ・・・・・


「どうしたのですか?シャルロットさ・・・・・」


 井戸の近くで立ち尽くすシャルロットを、仕事前の早朝から離宮を訪れていたシュエが不思議に思い近づく。

シャルロットに近づくと視界に白い物が・・・あいつか・・・・・


 シュエは井戸に近づき、グイッと白い物体をを引き抜き投げ捨てる。


「グエッ 何すんだよ!」


 グレルは投げ捨てられて、地面に叩きつけられて痛みに思わず呻く。


 シュエはグレルをフンと鼻で笑い。放置した。


 井戸に向かい水を汲み上げ、シャルロットを呼ぶ。


「シャルロット様。桶を」


 シャルロットは自分の手元を見て慌てて井戸に近づく。

そうだった!水汲みに来てたんだった


「ああ!はい!」


 シュエは、シャルロット持ってきた桶に水を注ぐ


「おい!無視かよ!」


 グレルが無視された事に憤り喚いた。 立ち上がろうとすると・・・

おもいっきり背中を蹴られた・・・誰だ!


「喧しい!台所まで聞こえてたわよ!」


 ユリナだった・・いい蹴りだ。


「ごめん!所で何で離宮にに台所があんの?」


 グレルは地面に倒れ背中をケジゲシ踏まれているが、ユリナだから問題ない・・・・・ユリナだから・・・・・

ちょっとMっけがあるが、まあいいか。


 そんなことより、気になるのは台所・・・・


 王宮の食事は王族専用の調理場で作られる。

台所なんてないのが普通なのだ。


「ルィン様が作ってくれたらしい。なんか、毒やら虫やらを盛られるから、野草を食べて生活してたってさ。」


 え?グレルは驚く。シャルロットは公爵家出身。

着替えも一人でしたことはないはずなのに・・・・・


「見分けついたのか?」


 毒草と食べれる野草を、見分けるのは結構難しい。


「うん・・無理だった・・死にかけたらしい・・食べれる草とまちがえて食べて・・・それからは、ルィン様が簡単な台所作って食材を毎日差し入れしてるんだって。

まあ、シュエが本格的なの作ってくれたけどね!」


 ユリナは胸をはる。自分の手柄ではないが自慢げだ・・・可愛いな・・・・・

 そして、ユリナがやっと足を退けてくれたのでグレルは立ち上がる事が出来た。

 グレルがパンパンと土をはらっていると、ユリナはグレルの持ってきた袋を指さす。


「ねぇ・・・あれ・・もしかして」


 グレルはニッとユリナに笑って袋を開けてユリナに見せた


「色々買ってきたぞ!」


 聞いた瞬間。ユリナはパアッと微笑みグレルに抱きついて・・・・・


「よし!よくやった!」


 ユリナは抱き付いたまま、片手でグレルの頭をヨシヨシと撫でる。グレルは子供のようにヘラッと笑った。


「ユリナぁ!い゛ってっ」


 グレルはユリナの体に手を回そうとしたら、いきなり後頭部を殴られた・・・・・犯人は一人しかいない!


「何すんだよ!」


 グレルがユリナに抱き付いたまま、真後ろにいたシュエに怒鳴る。

シュエは苦々しげにユリナの手とグレルの手を見て怒鳴る


「さっさと離れろ!」


 ユリナとグレルは直ぐに離れたが、それでもシュエの怒りは収まらず、シュエとグレルはギャンギャン喚く・・・・・五月蝿い!

 ユリナは静かに口を開いた


「グレル。シュエ。口を閉じろ」


 瞬間。二人は口が縫い付けられたように開かなくなってしまった。ユリナは続けて命令を下す


「グレル。シュエ。菓子の入った袋を持って、私に付いてきなさい台所に行くから」


 ユリナは魔術契約の魔力を行使して、二人を連れていく。

なんか本当に怖い力だな・・・

魔術契約って、二人はまだ口をモコモコさせてるしさ。

口が開かないから目で喧嘩してるし・・・・・袋は4つ有ったので、グレルとシュエが二つずつ持ってついてくる。

 台所につくと二人に命令した。


「もう喋っていいよ袋もおいて」


 声に魔力を込めて命令する。

 喋れるようになって直ぐに、袋をテーブルに置いた。

 そして、グレルはシュエに詰め寄る。シュエも袋をすでに置いていて、グレルを冷たく眺めていた。


「まさか!お前もか!」


「フン。私がユリナと契約をして何が悪い」


 グレルは一番気になる事を口にする


「契約内容は!」


 グレルが叫ぶが、シュエは冷めた目でグレルを見るだけだ。

一向に答えない・・面倒臭い・・替わりにユリナが答える


「グレルと一緒」


 グレルはユリナを見て恐る恐るきいてきた・・

何を恐れてるんだよ


「なあ・・聞いておきたいんだけとさ・・・・

ユリナ・・結婚とかしてたりとか・・・する?」


 グレルはユリナの目を真剣に見る。ユリナは悲鳴のように叫んぶ。


「私は結婚しない!誰とも!」


 ユリナ叫んだ後。シュエが自慢するようにグレルに言う


「フン・・・・私はユリナの愛人で肉体関係もあるぞ」


 グレルはすがり付くようにユリナに詰め寄った・・・・・

目がマジで怖い・・・・・


「・っ!ユリナ!2号でいいから!愛人にしてくれ!」


 おい!回りの人間は心のなかで突っ込んだ・・・・・愛人!

しかも2号って!


「え!ああ・・・良いよ・・・・・愛人にしてあげる。シュエ?良いよね?」


 ユリナはニッコリとシュエに笑う。シュエは厳しい顔だ。


「駄目?駄目なら・・・」


「駄目なら?」


「わか・・・」


 最後まで言い終わらないうちにシュエが叫んだ。


「構わない!愛人いても私が一番だろ!」


 ユリナはニッコリ笑い・・・・


「うん。一番目の愛人だよ!」


 そうじゃない!シュエが心の中で突っ込んだ・・・・・

 何か言いたげなシュエをユリナは放置し、グレルの方をむいてグレルの目を真っ直ぐ見る。


「私は誰とも結婚しないし、シュエとも別れない。それでも愛人になる?」


 ユリナがイタズラっぽくグレルに聞く。


「なる!愛人になる!」


 グレルは即答・・・・それでいいのか!


「わかった・・・・・」


 ユリナはグレルに、チュッと軽く唇にキスをした。

グレルは真っ赤。シュエはムスッとしている。


「拗ねないでよ」


 ユリナはシュエにも軽くキスをする・・・・・お前ら・・・・


 その場にいたイデアとシャルロットは・・・・・驚きを隠せない・・・・・


「何で愛人!?」


「てゆうか、シュエとそこまでいってたの!」


 ・・・まあ、女が愛人囲うのは外聞悪いからな・・・・・と言うかイデア。


・・・気になるのはそこか・・・・・



 まあ、考え事をすると・・・・・

 グウゥゥゥゥゥ情けない音が辺りに響く・・・・・ユリナの腹の音だった。

沈黙が重い。


「話は後にして、ご飯食べません?」


 ユリナは誤魔化すようにシャルロットに進言する


「そうね・・・・・・」


 シャルロットは曖昧に笑った。


 皆で急ぎ朝食の準備をする。

 イデアとシャルロットは人数分の皿に料理を乗せ、ユリナは水を鍋に注ぎ火にかけた。


 そして、新たにグレルの分を作る。その間にイデアとシャルロットは食事を隣の部屋に持っていく、男二人は菓子を皿にのせてる。 あーだこーだ言いながら・・・・・


 ジュー。ベーコンを焼き終わり皿に乗せて、それを隣の部屋に持っていく。


 それを、丸テーブルに置いていると、シュエとグレルが皿に盛った菓子を持ってきた。次いでにポットにお茶も、気が利く奴等だ。


「じゃあ、座って皆さん」


 シャルロットが皆に席を進める。

 シャルロットが奥の椅子に座り その隣にイデア、その隣に座ろうとユリナが動く前に、グレルが座りその横にユリナが座る。シュエがその隣に座り食事が始まった。


 ユリナは、よほど空腹なのかひたすら食べる。口にソースがつくとシュエがナプキンで拭く。


 お茶がなくなるとグレルが注ぐ。ベーコンを切るのに苦戦するとシュエが切り、皿が空になるとグレルが下げる・・・・・


「ねぇ・・・イデア・・・」


 シャルロットがなんとも言えない顔をする。娘も同様に・・・・・


「・・・言わないで・・・母様・・」


 イデアとシャルロットは王女と側妃。ユリナは侍女・・・

何か・・イデア達より世話されている!いや・・・・・それより・・・


「ユリナ・・いつもこんな感じなの?」


 シュエにお茶を、冷まして貰いっていた(彼女は猫舌なのだ)ユリナはイデアを見る


「ん・・・いつもこんな感じだけど?て言うかグレル気が利くね」


 グレルは嬉しそうだ。


「ユリナのためだからな!」


 シュエはチラリとグレルの皿をみる。


「食事は進んで無いがな」


 イデアはシュエとユリナの皿を見比べ 驚愕!凄いなあんた!


「シュエ・・・あれだけ世話してユリナと食べるペース一緒なの!」


 シュエは、グレルを馬鹿にした目で見ながら口を開く。猫舌なユリナのために冷めたお茶をユリナに渡してから


「当たり前ですよ・・・でないと食事を終えるのを待たせてしまいますからね」


 シャルロットは遠い目でシュエを見る・・・・・貴方・・・・・


「シュエ・・・凄いわね・・・」


 ユリナ大好きだな・・・・・

 馬鹿にされたグレルは、急いで食べる。食べながらもユリナの様子を見ながら世話はする。


 皆が食べ終わると、デザートタイムだ!


「じゃあ食べますか!」


 ユリナは青いクッキーを掴む


「私はこれ」


 イデアは赤い焼き菓子にてを伸ばすした


「私はこれにしょうかしら」


 シャルロットは花の砂糖付けを口に運んだ


「「「美味しい!」」」


 三人はキャイキャイ言いながら菓子を食べていく。男二人はユリナの表情を見てどの菓子が好きか探るのに忙しい


「青いやつは何だ」


「夏にしか取れないブルーアップルのクッキーだな」


「あれは?」


「ブルーアップルのパイだ・・・・・」


「リンゴか・・・・・・」


「リンゴだな・・・・・・」


 シュエは懐から羊皮紙を取りだし何やら数字を書く


「この予算でブルーアップルのの木は何本買える?」


「んー20は買えるな」


「そうか・・・・・・」


「てか、うちの国でしか育たないぞ」


「構わん。何年も先の話だからな」


「お前は・・・・・」


「グレル!」


 イデアが叫ぶ。グレルはシュエと話し込んでいてイデアに気づかなかった。よく見ると手紙を・・・・・ああ!


「忘れてた!確かにお預かりしました・・・ユリナ・・もう帰らないといけないんだ」


 仕事を思いだし項垂れる・・・・・折角・・ユリナの愛人になったのに・・・・・


「そうなの。バイバイ。また明日くるの?」


 グレルは力一杯頷いた


「来る!ブルーアップルの菓子も買ってくるよ!」


「待ってるよ」


 チュッ ユリナはグレルの頬にキスをする。グレルは嬉しそう笑い、手が千切れんばかりに振って去っていった・・・

なんか・・犬みたい・・・




 食べ終わると皆で、食器を洗い片付ける。

 片付け終ると、シュエは後ろ髪を引かれながら仕事にいった。

 サボろうとしたが、ユリナが強く言うと仕事に行った・・・仕方の無い奴だ。


 それから三人で洗濯をして、干すと仕事はもうない。

 皆で本を読んだり、お喋りしたり。楽しんでいた・・・

なのに・・・


「女官長・・どうしたんですか?」


 どうしても声が低くなる・・・さっさと帰れ・・・・・


「王妃様が御呼びです。来なさい」


 わあっお!死への呼び出しだ!

 ユリナは静かに女官長を見つめた・・・・・









 その日の夜。

 ユリナはベッドの中で悶えていた・・・何故かと言うと・・あの二人・・・・・グレルとシュエだ・・・

普通・・・愛人とか嫌だよね!幻滅するよね?ね!


 絶世の美女じゃない女の為に愛人になる?!


 ならないよね!キスとかしたけど・・・・・二人とも仕方がないって顔して・・・何で許すのさ!


 私は別れるのを期待したのに!何でよ・・・別の手を考えないと・・・悪女作戦失敗だ!

何か益々世話されたし!イデア様には ああ言ったけど・・いつも以上だった・・・・・

グレルまで世話はしてくるなんて!何か・・・何か手を考えないと!

 絶対・・・絶対結婚なんてするもんか!

 目指せ孤独死。お一人様!


 ユリナは決意を胸に眠りにつく・・・・

夢でも二人が出てきて世話をされた・・・・・愛しい孤独は夢にも訪れない・・・・・ちくしょー



愛人2号。グレル君でした!

次は王妃様登場です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ