魔物の肉!!
ユリナは隣街につくと、また大量に品物を買い込む。
側近は、うんざりしながらもう 何十回と口にした言葉をユリナにつげた。
「・・・・もういいでしょ?帰りませんか?」
「うん。帰ろう」
「え!?」
側近は、ユリナがすんなり帰るのを了承したことに驚きそして涙ぐむ。
やっと帰れる!!
「品揃え あんまし代わり映えしないしね。
側近さん!肉の件はどうなってるんですか?」
ユリナが、台車に荷物をのせながら聞くと、側近は慌てて涙を拭き、通信魔道具を取り出した。
「はいっ。少々お待ちください・・・・・リガウル。肉の件は・・・・ああ半分位は確保したのか。ちょっと待て。
ユリナ様。五百体程は既に確保済みのようです。
直ぐに食べたいですか?」
「食べたいです!」
側近がユリナに聞くと、ユリナは叫ぶ。
側近は笑顔で頷き、通信魔道具に話しかけた。
「了解しました。少々失礼します・・・・リガウル。直ぐに食べたいって城に運んでくれ・・・調理?ちょっと待て。ユリナ様、どんな調理方で食べますか?」
側近は、魔道具をいったん切ってからユリナに聞く。
するとユリナは力一杯叫んだ。
「魔族が一番美味しいと思う方法で!」
調理法はお任せらしい。
側近はコクリと頷き、魔道具を再び発動させた。
「・・・了解しました・・・リガウル。料理方法はまかせる。だが、美食家で有名な大食漢リリベルに料理させろ。分かったか・・・・・・よし。では戻りますか」
側近が魔道具を切ると、ユリナは笑顔で魔術を発動させた。
「はい。(浮遊)!(疾風)!!」
「うあっああああ!!またかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
側近の悲鳴が響き渡るが、ユリナは全く気にしない。
そして、ユリナは王都の城につくまで、全くスピードを落とさず。
孟スピードで空を駆け抜けた。
「はい。つきました・・大丈夫ですか?」
「・・・・」
城につき、全員を地面に下ろすと、約一名がへたりこんで動かない。
動かない側近を、ユリナが心配してのぞきこむ。
流石に、魔王の側近を殺してしまっていたら不味い。
ユリナが更に側近を覗きこむと、側近はノロノロと顔を上げてきた。
良かった!生きてたよ!
「高所恐怖症ですか?」
「?」
ひとまず。側近が生きていた事に安心したユリナが、高所恐怖かと聞く。
すると、側近は不思議そうにユリナを見上げた。
高所恐怖と言う単語は、この世界に存在しないらしい。
「・・・説明面倒・・・(浮遊)!!」
ユリナは、色々面倒になって魔術で側近を空に飛ばした。
「!?何をうわあああ下ろしてくれ!!」
「やっぱり・・高所恐怖症ですね」
ユリナは、空に飛ばされ慌てふためく側近を、冷静に観察しながらウンウン頷いていた。
そんなユリナに、側近は涙目で懇願する。
「何でもいいから降ろしてください!!」
「ああ。ご免なさい」
ユリナが軽く謝り、側近を地面に下ろしてやると、解放された側近はまるで、呪いをかけるようにブツブツ呟き始めた。
「・・ううう何で私がこんな目に・・陛下が悪いんだ・・陛下が・・」
「とりあえず中にはいりますか」
ブツブツ言い出した側近さを放置し、ユリナ達が兵士に案内されて城に入る。
すると、ユリナ達は食堂ではなく、千人は入れそうなホールに通された。
そこには、大量の魔物の死骸があった。
そして、ホールの真ん中には大きなテーブルが置かれていてその側に、一人の男性魔族が立っていた。
彼は、笑顔でユリナ達にペコリとお辞儀した。
「初めまして。私はリリベル。
美味な食を追い求める、美食家兼料理人でございます。
今回の料理は、私が腕によりをかけて作らせていただきます。
必ずや!貴女様を満足させてあげますわ!」
「・・・・宜しくお願いします」
あれ?今・・いや気にするのはよそう。
ユリナはペコリと頭を下げると、兵士に案内されてテーブルの前に行く。
そして、椅子に座るとユリナは、布ナプキンを装着する。
すると直ぐに一品目が運ばれてきた。
凄く良い匂いだ!
「まずは一品目。草食魔物 リコタのスープです」
ユリナは、マナーを守りながらも、凄い勢いでスープを口に運ぶ。
肉なのに、サッパリしていて、スプーンが止まらない。
ユリナが食べ終わると、次々に料理が運ばれてきた。
「肉食魔物ガリスの蒸し物です」
「肉食魔物リハルのステーキです」
「次は草食魔物・・・」
「本日最後の料理。肉食魔物テランのソウセージですわ」
最後の料理はなんと!草食魔物の腸に、香草と肉を詰めたソーセージだった。
この世界に!生まれ変わって初めてのソーセージ!
このソーセージは、噛むとパリッと弾け肉汁が口一杯に弾け飛ぶ。
美味だ!!
「美味しい!!モグモグモヒュゴクン!御馳走様でした」
ユリナは、全てのソーセージをたいらげ(三十本はあった)両手を合わせた。
その様子を見ていた魔王(二百体目あたりで、仕事を終えた魔王が様子を見にきていた)が、信じられないモノを見るような目でユリナを見る。
「凄い・・その小さな体によく入ったな」
「まだまだ入りますよ?」
ユリナがニヤリと笑いがら魔王に言うと、魔王は何とも言えない顔をする・・人族って・・・
「ユリナが異常なだけだぞ!俺達には無理だ。」
「ああ。神の加護は凄まじいな」
魔王の視線の意味を、正確に理解したシュエとグレルが、魔王に普通の人間には無理だと主張した。
そして、腹がふくれたハズのユリナが、ニコリと笑って魔王に・・
「で?後半分はどうですか?」
まだ食う気らしい。
恐ろしい食欲だ。
「いやいや。後半分は、かなり強力な魔物でな・・まだ数週間はかかる。」
魔王が、申し訳なさそうにユリナに言うと、ユリナはガッカリしたように肩を落とした。
「そうですか・・この城に図書館とかありますか?」
ユリナが伺うように魔王を見上げると、魔王はニコリと笑う。
男前だな魔王様。
「あるぞ。本が好きなのか?図書館の使用を許可しょう。
食材が確保できるまで、城に泊まり好きなようにすごすと良い」
「ありがとうございます!荷物を置くので部屋に案内してください」
「ああ。お前達、客間に案内してやれ!外交官向けの部屋だ!」
「はい!!」
ユリナが頭を下げると、魔王は給事をしていたメイドにユリナを案内させた。
図書館・・どんな物語が眠っているのか今から楽しみだ。
ユリナは、満足感で一杯でした!!
次の更新日は10月13日です!




