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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
猫VS犬
159/174

一件落着

 


コタロウが、勾留されてから数日後。


 コタロウの刑は確定した。刑期の無い島流し。


つまり、終身刑に決まった。


 まあ・・自業自得なので仕方ないし、同情する気もない。


 そして全てが終わった今。ウオノ・ミノが、ムネスケとスズの新居に訪ねてきた。

 何故かと言うと・・・


「え!!結婚するの!!」


 ムネスケの屋敷に訪れたウオノは、顔を赤らめて恥ずかしそうに頷いた。


「はい。スズ様・・何かよく分からない内に決まりましたわ」


 ウオノがそう言うと、スズはニカッと笑う。


「良かった良かった。一件落着だね」


 スズがそう言うと、ウオノはかなり複雑そうな顔をした。

 そうだよな・・・知らないうちに、話が纏まっていたら驚くよな。


「はい・・多分・・良かったのかしら・・いえ良かったですよ」


 困惑気味のウオノが、無理矢理納得する。

そしてスズは、ウオノに今一番聞かなければならない事を聞いた。


「式は?」


「今日」


「へ?」


 スズが間抜けな顔をしていると、ウオノは呆れたようにため息をついた。


「私の気が変わる前にだそうです」


「・・・うわ・・ウオノ・・・」


 スズが何とも言えない顔でウオノを見ると、ウオノは必死な形相で叫んだ。


「言わないでください!!何も言わないでください!!」


 ウオノは、現実を直視したくないらしく必死でスズの発言を遮った。


 その光景をムサシムとネスケ。そして、ユリナ達が生暖かく見守っていた。


 溺愛されるのは恥ずかしいもんな。




 そして数時間後。


 スズが結婚式をしたのと同じ場所で、ウオノとムサシの結婚式が執り行われた(ムサシはウオノに言わずに、何ヵ月も前から準備をしていたらしい)

 そして沢山の参列者に囲まれた、ムサシとウオノは誓いの盃をかわした。


「今!この時を持って!二人を夫婦と認める」


 神主が高らかにそう宣言すると、結婚式は終りをつげた。


「これから忙しくなるわね。ムサシ」


 結婚式が終わり、参列者達から祝の言葉をもらっているムサシに、スズが笑いながらそう言うと、ムサシは苦笑しながらスズを見た。


「ああ。新居の準備に就任式。兄上の裁判もあるからな」


 一応。判決は確定しているが、ハウンド族の元次期長を裁くので、裁判では他部族の長達に同席してもらう。


 王家とキャット族とハウンド族以外の族長は、離島に住んでいる。

なので、裁判までは少々時間がかかっていた。


 しかし新居は・・実はもう準備していたりする。


「私も・・長の妻として覚える事が沢山ありますわ」


 ウオノは、大変だといいながら嬉しげに笑っている。


 相思相愛のようだ。


「一件落着だね・・スズ」


 そんなウオノ達にユリナはよし!と頷くと、背後からスズに近づき彼女の肩をポンと軽く叩いた。


 スズは誰だ!と驚いて振り返ると、そこにユリナがいた。


 スズは驚かされた事に少しムスッとして、ジロッと後ろにいたユリナに叫ぶ。


「うわっ!何ですか?ユリナ様!」


「私達はもう行くね。国宝渡し終わったって、母国に報告しないといけないし」


 ユリナがそう言って笑うと、スズは寂しげにユリナにすがり付いた。


「え!もう行っちゃうんですか!」


「うん。もうスズが危険な目に遇う事もないしね」


 ユリナはそう言うと、クルリとスズに背を向けて会場の外に向かって歩き出す。


「じゃあ!!またいつか会おうね!」


 ユリナは、振り返らずにヒラヒラと手を振るう。


 すると、スズは泣きながら叫び手が千切れんばかりに全力で手を振った。


「また!!また必ずあいましょう!必ず!!」


 号泣するスズに見送られ、ユリナ達は国を出るために馬車に乗り込み、港に向かって走り出した。



次の更新日は9月3日です!

次は・・・・・・

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