犯人はアイツだ!
ユリナに下女の身分を乞われたハヤワーン王は、訳がわからなかった・・・
だが。何か意味があるのだろう・・・・
一応。ユリナを城の下女として雇い入れた。
そしてユリナは下女になると、下女の仕事をしながら、情報を集めるために犬のつけ耳とフサフサの尻尾を着けて洗濯場に向かった。
下女の仕事は、掃除と洗濯と厨房の手伝い等が主な仕事だ(下水道が整備されているので、汚物処理の仕事は無い)掃除などは担当場所が決まっているので、見知らぬ者がいたら怪しまれるが、洗濯等は城に四五個ある井戸の近くで行うので、見知らぬ者がいても、洗濯ものが多くて何時もの場所でできなかった。と言えば、簡単に誤魔化せる。
ユリナは井戸に行く途中で、協力者である巫女長から(女官のように、女性の使用人を統括している人)洗濯物をもらう。
そして、バウンド族の下女達がよく洗濯をしている井戸に向かった。
ユリナは井戸につくと、無言で洗濯ものをバジャバジャ洗う。
ユリナは洗いながら、近くにいるバウンド族の女性達の会話に耳を傾けた。
「キャット族って、時間を守らないから嫌よね」
「そうそう!この前ね!キャット族の下女と組まされたんだけど・・・三分よ!三分も遅刻したのよ!信じられる!!」
ユリナは、頬がヒクつくのを必死でおさえながらモクモクと洗濯をする・・三分?マジ?たった三分の遅刻でそこまで怒る?
まあ。普通は五分前とかに来るもんだけどさ・・・
「マジ!本当キャット族って駄目よね!仕事も適当だし」
「へーそうなんだ・・でもアナコンダ族も寝てばかりで仕事遅いって聞いたよ」
「・・・アナコンダ族は仕方ないわよ。アナコンダ族だもん」
「・・そっか・・そうだよね。アナコンダ族だもんね」
ユリナが後で巫女長に聞いてみると、アナコンダ族は蛇獣人の一族で、変温動物なせいか気温が下がると寝てしまうらしい。
仕事は速いが、その分寝てしまうのでドッコイドッコイなのだそうだ。
ユリナは素早く洗濯を終えると、洗濯物を持って建物の影に消える。
そして・・バウンド族の下女達は、噂話に夢中で、ユリナが消えた事に気付く事は無かった。
洗濯物を持って、建物の影に消えたユリナは、洗濯物の籠を地面に置いてから犬耳と尻尾を外す。
そして外した耳を裏返し、尻尾を裏返すと犬耳は猫に、フサフサの尻尾はシュッとした猫の尻尾に変わる。
これは勿論。不器用なユリナが作った訳ではなく、シュエとグレルの作品だ。
凄い事に、本物と区別がつかないくらい出来が良い。
ユリナはその猫耳と尻尾を装着すると、別の井戸に向かった。
ユリナは目的地である。キャット族の良く使う井戸につくと、ユリナは洗濯物を干す。
そして回りで洗濯物を洗いながら、楽しく談笑しているキャット族会話に耳を傾けた。
「ハウンド族って口うるさいのよ!!少し時間に遅れただけなのに!」
「そうよね・・私もついつい居眠りしちゃったら烈火の如く怒ってさ・・
隣でアナコンダ族も寝てたのに!!私達だけ怒るのよ!居眠りは悪いけど・・気持ちのいい朝だったんだから仕方ないじゃない!!」
「そうよね!大体・・ハウンド族だって備品壊しちゃったり、細かい汚れを見落としたりしてるのよ!!何で私達だけ悪いのよ!!」
「自分達が正義なんでしょ?嫌になるわ・・・・」
「そうよね!それに!コタロウ様だっけ?バウンド族の次期長!あいつ・・私達に言いたい放題よね・・」
「本当よね・・・スズさんが嫌がるわけだよ。スズさんとムネスケ様の邪魔ばかりして!!」
「バウンド族だって・・前は彼処まで、五月蝿く無かったのにね」
「空気に流されてる娘もいるけど・・大半は、コタロウ様に命令されてるわね」
「最悪よね・・」
「ああいう男は、嫌だわ」
・・バウンド族とキャット族の不仲は、全てコタロウが仕向けた事らしい・・
ユリナは、洗濯物を干し終わり籠を持つ。
そしてユリナは、巫女長に洗濯物を干した場所を報告すると、今度はハヤワーン王に報告するために王の元へ向かった・・・・・
犯人はアイツです!コタロウです!




