来てください!!
ユリナ達が、まだイデア達と旅をしていた頃・・・
ユリナ達を襲った盗賊。その盗賊から助けた犬獣人の少女。それがスズだ・・・
彼女はたしか、好きな人を落とすと言っていた。
そんなスズが今。若い猫獣人の男性と一緒に、店に入って来たのだ。彼がその思い人かもしれない。
ユリナが先に気付き、スズを見ると視線に気づいたスズが、視線のする方を見る。
そしてユリナを見つけると、嬉しそうに叫んだ。
「ユリナ様!!」
「モグュモグモグもぐ!!もごもご!?」
しかし・・
ユリナは、追加注文していた枝豆を口一杯に頬張っていたせいで、喋れない・・
何とか喋ろうとするが、無理だった・・・
「・・飲み込んでからでいいですよ」
スズが少し・・呆れたように、ユリナを見ながらそう言う。
するとユリナは、枝豆を素早く枝豆を咀嚼して飲み込んむ。
そして何事も無かったように笑いながら、スズに話しかけた。
おっと・・口元に粕が残っていた・・不味い不味い・・・
「久しぶりだね!スズ!!あれ?その人・・・・」
ユリナがスズの横にいた男性について口にすると、男性は一歩前に出てユリナ達に頭を下げた。
そして、静に口を開いく。
「始めまして。僕はムネスケ・タケダと申します」
ああ!!やっぱりアンタがネスケか!!
ユリナは意味ありげに笑いながら、スズに親指を立てる。
「・・上手くいったみたいだね!」
ユリナの反応に、スズは幸せそうな笑顔で頷いた。
「うん!来週には結婚式をするんだ!」
「そうなんだ!」
来週かよ!!早いな・・婚約期間一年も無くないか?
ユリナが心の中で、突っ込みを入れていると、スズがグイッとユリナの前に出た。
「ユリナ様!!ここで会ったのも何かの縁です!結婚式に来てください!!」
「・・・・・」
スズの台詞に、ユリナは沈黙した。
・・結婚式か・・めんどいな・・
「・・駄目ですか?」
スズが心底悲しげにユリナを見る。止めて!!良心が痛むから!!
数秒後・・まだ見てる・・・数分後・・まだ見てる・・・
・・ああ!!わかったよ!!
「いくよ!行くから!」
ユリナが根負けしスズに叫ぶと、スズは、嬉しそうに笑って頭を下げた。
「ありがとうございます!!ユリナ様!!」
誇らしげに笑うムネスケ。幸せそうに笑うスズを尻目に、ガクリと項垂れるユリナ。
その後ろで、シュエとグレルはユリナのドレスの相談を始めていた・・・・・
次はスズの結婚式です!
・・・・・すんなりとは・・・・終わりません。




