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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
猫VS犬
144/174

お腹一杯

 

 ユリナ達が、夏祭りに行った翌日。


 ユリナ達はオッェアーン王達に見送られながら、オッェアーン城を後にした。


 そして次の目的地であり、国宝の最後の一つ。

海神の護り玉を返却するために、ハヤワーン諸島に向かう船に乗ろうとオッェアーンの港に向かった。


 ユリナ達は港に着くと、馬車が乗れる大きい船を探す。

すると・・・余り苦労なく船が見つかった。


 港には大量に、大きな船が止まっていたからだ。

殆どハヤワーン諸島行きか、ハヤワーン諸島から来た船らしい。


二国はかなり貿易が盛んらしい・・・


 そして今。シュエとグレルが、大きい船の内の一つの船乗り達と交渉している・・


 あ!交渉終わったみたいだ・・・


 交渉を終えたシュエとグレルは、ユリナの待つ馬車に戻って来た。


 そしてユリナを乗せた馬車を、交渉成立した船に乗せる。

 二人は、船に馬車を乗せるとユリナを馬車から下ろして、船員に馬車を預けた。


 馬車を預けられた船員は、船が揺れたさいに馬車が動かないように、ロープで馬車を固定している。

 馬車から降りて、馬車を船員に任せたユリナ達は、宛がわれた客室に向かった。

 三人は自分達の客室に行き、荷物を置いてから、ユリナの部屋でマッタリしていたのだが・・


「・・グレル・・薬は?」


 一時間後。


ユリナは早くも船酔いを発症した。気持ち悪い・・


 ユリナが、船酔いでベッドでヘタっていると、グレルは自分が作った酔い治しを、ガバンから取りだしユリナに渡す。


「ほら」


 ユリナはグレルから薬を受け取ると、苦しげに呟いた。


「・・また船酔いとの戦いか・・」


「仕方ないさ」


 シュエはユリナを、痛わしげに見ながらそう言うと、ユリナに水を手渡した。


「・・いつ着くの?」


「明後日」


 ユリナがそう言うと、シュエが答える。

 ・・・明後日か・・


「・・私寝てるよ・・」


 ユリナはそう言うと、ベッドに入り直ぐに寝息をたてて寝始めた。


起きているのも辛いらしい・・・


 そして、後に残されたシュエとグレルは、ユリナの寝顔を優しげに見つめながら楽しげに微笑んだ。


 それから2日後の朝。


 ユリナ達は、ハヤワーン諸島の中の王が住む島・・ナーブ島に到着した。


 ユリナは、船から降りて大地に立つと力一杯叫ぶ!


「到着!!地面だ!大地に感謝します!」


 ユリナが、大地に感謝しながら叫んでいると(回りから変人を見る目で見られた!!何故だ!)


「行くぞ」


 シュエがユリナの手を引いて、船乗りが下ろしてくれた馬車に向かう(かなり急いで・・何故だ!)


 そして三人は、馬車に乗ると街にくりだした。



 オッェアーンでは、グレルが御者をしたので、オッェアーンではシュエが御者をする。


 ユリナ達はオッェアーン城に向けて進んでいたのだが、ユリナが馬車の中から、キョロキョロキョロキョロ・・・


興味津々で街並みを凝視している、全く落ち着きの無いユリナに、グレルは苦笑した・・


「先に観光していくか?」


「うん!」


 グレルがそう言うと、ユリナは嬉しそうに元気よく返事した。


 御者をしているシュエは、ため息をついたが反対はしないらしい・・


 そしてユリナ達は、一軒の食事処で馬車を止めた。


 そこは江戸時代の団子屋そのもののスタイルで、紙の傘まである。街並みも江戸時代のそれだった。


 江戸村に来たみたいだ。


 ユリナ達は、店の横の広場に馬車を置き(馬車は魔術で保護している。なのでユリナ達以外動かせないから盗まれる心配はない)店の中に入る。


 すると・・店内まで江戸だった・・


 畳に座布団・・ああ・・懐かしい!!


「いらっしゃい!何にしますか?」


 ユリナが、座布団に座りながら感動にうち震えていると、着物を着た若い女性が注文を取りに来る。


 ユリナは、メニュー表を見て目を見張った・・・漢字だ!


「これと・・これとこれ!3つずつ!」


 ユリナは久しぶりの漢字に、嬉しくなりながら注文する・・


 文字は、漢字とカタカナで書かれていて・・大正時代の教科書みたいだった。


「ハイ。煎餅にずんだ餅に緑茶を・・3つずつですね」


 若い女性は、注文を紙に書き記すと店の奥に消えていった。

再び出てくると、女性はオボンに煎餅とずんだ餅、緑茶をのせて持ってきた。

 女性は丁寧に、ユリナ達の席にそれを置くと、他の席の片付けを始めた。


「美味しい!」


 ユリナは思わず叫ぶ。


 シュエとグレルも、初め目を見開いたが美味しそうに食べ始めた。


 煎餅をバリバリ食べていたユリナが、何となく近くにいた客を見ると・・


「あ!あれは!」


「ああ。ワラビ餅ですね」


 ユリナが叫ぶと、若い女性の店員が笑いながら教えてくれた・・何が可笑しい!!

 ・・・食べるけどな!!


「3つお願い!」


「ハイ。わかりました」


 若い女性は、小さい子供を見るようにユリナに笑いかけると(子供っぽいとか思ってるのかな・・チクショウ!!)注文を紙に書く。


「あと・・ぜんざいに、みつ豆に、葛切りに、アンコ餅に、かき氷に、枝豆に、串揚げに、天ぷらに、饅頭・・あと冷やしうどんも!」


 ・・あれ?ここ・・甘味処じゃ無かったっけ?何で串揚げとかうどんとか有るんだ?・・・まあ良いか・・


 あれ?お姉さん・・・何か引いてないか?


「・・わかりました・・少々・・多少お待ちください・・・」


 若い女性は、そう言うと大急ぎで店の奥に消えていった。


 店の奥で(凄い量の注文入ったよ!!)とか(団体客か?)とか(ううん。三人組で食べるのは女の子)とか聞こえない!!


 店主のオッチャンが、チラチラこっちを見るが・・気にしない!!


 そして、数分後・・注文した食べ物で、ユリナ達の机が埋まった。


「・・お待たせしました・・」


 女性はユリナ達にそう言うと、また近くの席を片付け始めた。


 しかし。目はユリナの方をチラチラ見ている・・・何だよ!!


「・・全て食べるのか?」


「大丈夫か?」


 シュエとグレルが、流石に心配になりユリナに聞く・・腹壊すぞ!!


「大丈夫だよ!」


 ユリナはそう言うと、片っ端から食べ始めた・・神の加護を甘く見るなよ!!


 そして一時間もしないうちに、ユリナは全ての食べ物を間食した。


 店のお姉さんと、いつの間にか・・店主までユリナを観察していたようで、化け物を見る目で見られた!!何故だ!


「・・本当に間食したな・・」


「凄いな」


 シュエとグレルも、若干顔が引きつってる。

もしかして引いた?ユリナが期待を込めて二人を見るが、二人は食費の心配しただけらしい。


小声だか深刻そうに相談していた。


 ・・いや・・私を捨てろよ!!食費について、前向きに会議なんかするな!!


 そんな時。店に入って来たのは・・


「あ!ユリナ様!!」


「!?」


 そこにいたのは、奴隷にされていた犬の獣人少女。


・・・スズだった・・・




食いしん坊ユリナでした!

お忘れの方のために言いますが・・・・・ユリナは神様から、健康の加護を頂いています・・・・・なので大食いタレントより食べれます!!


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