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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
ラピス編
133/174

理解者との別れ・・・・・

 

 それから数年間。


ラピスは、アルジェントとオールから全力で逃げ続けていた。

居留守を使ったり、仮病を使ったりしながらアルジェントとオールから逃げようと、やっきになりながら毎日を過ごしていた。


 そしてラピスは、段々と外にすらでなくなっていった・・・


 街を歩けば、回りから冷ややかに見られ、上位竜種の少女達から水をかけられたり、悪いときは魔術の的にされたりしていた。


 そんな毎日を過ごすラピスの、唯一の癒しは長老とシルクに会うことだけだった・・


 ラピスの両親も、ラピスが二人に言い寄っていると考えているらしく・・


いじめられても庇ってはくれない・・


 もう・・


ラピスを優しく迎えてくれるのは、長老とシルクだけだ・・


 なのに・・


「・・うっぐ・・長老ぉぉ・・」


「じい様・・」


 ・・今。長老は棺の中で永久の眠りについている・・


 長老は今朝。眠るように息を引き取った。


 その棺の前で、十五歳になったラピスが真っ白い花を棺に添えながら泣き崩れる・・


 そんなラピスの横で、同じく十五歳になって、優しげなスラリとした文官風に青年に成長したシルクが、倒れそうになるラピスを支えていた。


 そして二人の後ろでは、大勢の中位竜種達が静かに涙を流している。


 長老は慕われていたので、葬儀はかなり盛大なものとなっていた。


 シルクは、泣き続けるラピスの頭を優しく撫でながら、穏やかな口調でラピスに語りかけた。


「大往生だったんだから、悲しんじゃ駄目だよ・・」


「うん・・」


 ラピスは涙をゴシゴシ拭いてから、棺を見つめて悲しげに笑った・・







「ラピス。ちょっと来い!お客様だ」


 長老の死から数日後。


 相も変わらず引きこもりをしていたラピスは、父に呼ばれた。最近は話しかけてすら来なくなっていたのに、不思議な事だ。


 ラピスは少し・・イヤ。かなり嫌な予感がする・・


「何?」


「水の族長様よ!失礼の無いようにね!」


 ラピスが顔を出すと、母が機嫌良くラピスに言った。


 母は最近。顔を合わせる度に、アルジェントとオールは上位竜種になったのだからと度々説教をしてくる。

はっきり言って自分は、全力で逃げているのに、悪いのは私らしい・・


 なので、父以上に母が苦手になってしまった・・


「はい・・」


 ラピスが返事をしてから階段を降りると、いつも食事をしている場所に一人の気難しそうな上位竜種の男性が座っていた。


 男性はラピスに気付くと、覚めた目でラピスを睨む。


「君がラピスですか・・私は水の族長。水の長です。

 今日は貴女に縁談を持って来ました。貴女には勿体ない上位竜種ばかりです。さあ・・選びなさい」


 男性。水の長はそう口にすると、懐から2枚の紙だして、バサリと机に投げた・・選べと言うがたった二枚。それに・・


「・・私はまだ十五ですよ?」


「十五で婚姻する者は多い・・早すぎる事はない」


 ラピスは何とか断りたい一心で、そう口にしたが断れないらしい。

確かに十五は成人だし、十五歳で結婚するものもいるが、ラピスが断りたい本当の理由はそこではない。


 ラピスは頭を下げながら、水の長に向って口を開いた。


「・・考えておきます」



 水の長が帰った後・・


 ラピスの両親は、水の長が置いていった紙を読みながら(竜種の領地では、学舎では学ばないといけない法律があるので、読み書き出来ない者はいない。

無料の学舎もあるので、平民の負担もない。だから皆、キチンと法律を守っている)

 フムフムと頷き、目を見開いて半狂乱で喜んだ。


「二人とも名門じゃない!凄いわ」


 母が笑顔でラピスに叫ぶと、ラピスは嫌そうに口を開いた。


「・・私・・風竜だよ?水竜になんて嫁げないよ・・」


 だから無理だとラピスが言おうとすると、ラピスの母は目を輝かせてラピスに詰め寄った。


「水竜に嫁ぐ風竜なんて一杯いるわよ!しかも上位竜種よ!左うちわよ!」


「そうだぞ!飢える心配もないし働かなくてもいい!!王都なら陸で生活するから問題なんか無いじゃないか!」


 水竜の達の住む場所は湖の底。水の中でも水竜は呼吸が出来るし、水に触れていると落ち着くらしい。


 因みに火竜は火山の中。地竜は地下洞窟に暮らしている。


 風竜達は浮遊島を住みかにしていて、風の資質を持つ者しかその場所を見つける事が出来ない。


 他の竜種の住みかに住むのは難しいが、王都なら上位竜種は皆、王宮近くに種族関係なしに住んでいるので、大して問題はない・・


 またもや・・断る理由を潰された・・・クソッ!!!


「・・分かった・・考えるよ・・」


 ラピスはそう言って、自分の部屋戻るために階段を上った・・



 自分の部屋に戻ったラピスは、ダダダダダと窓に駆け寄り、ガスッと窓を開ける。

 ラピスは窓を開けると、ラピスは何かを探してキョロキョロと外を見ながら叫んだ。


「テディ!テディ!いる?・・あっ!いた!」


「ビギッ?」


 ガサガサと音を立てて、一匹の下級竜種が現れた。彼はテディ。


 ラピスの契約獣で、下級竜種のわりに頭が良い。簡単な情報収集くらいは簡単にこなしてくれる。


 なのでラピスは、テディにコッソリ回収していた見合いの相手の姿絵を見せて、それを指差した。


「この人と、この人を調べてきて!早急に!」


「ピギャ!」


 テディは分かったと言いたげに頷き、空高く飛び上がる。

彼は風竜なので、直ぐに目的を達成するだろう・・・


 ラピスは、テディが向かった方向を見ながら呟いた・・


「急いでね・・・」



長老が亡くなる話でした・・・・・

因みに長老は享年998歳でした・・・・・平均寿命は989なのでかなり長生きです・・・・・

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