竜種の王宮
思っていたのとはかなり違うが・・
無事。竜種と契約を終えたユリナ達は、王宮に向かって歩き出した。
その道中で、ユリナはラピスに中位竜種について聞いてみる。
何でも・・中位竜種は人形になれるし、共通語を喋れるらしい。チビ竜の時に喋れないのは、喉か慣れていなかった・・という事だった。
一番の疑問点が解決されたユリナは、後ろの人物達に聞かれないように・・コッソリとラピスに耳打ちした。
「で?あの二人は?」
「・・幼馴染みの上位竜種・・二人の両親は中位竜種なんだけどさ。
生まれた時から異様に魔力が高くて、成人したら王宮から上位竜種の資格をもらったんだよ」
・・ユリナは染々呟いた。
「幼馴染みか・・大変だったね」
ユリナも大変だった・・特に女の嫉妬が・・
「そうなのよ!!竜種はね!力が全てなの!男は勿論女もそう!上位竜種になった二人には、上位竜種のお姫様がお似合いなのよ!なのに!!私に二人が求婚なんかするから・・私・・両親にも睨まれてるんだから!!」
ラピスはそう言うと、悲しげに顔を歪めてうつ向いた・・え!
「両親も!」
両親まで、ラピスを疎ましく思っているらしい。逃げ出したくもなるはずだ。
驚愕したユリナが、つい大声を出してしまい、ユリナの驚いた声を聞いたシュエとグレルが、全力で駆け寄ってくる。
また。面倒な事になりそうだ・・・
数分後。
ユリナは、やっと二人を宥めて歩き出す。
そして三人が王宮につくと、三人は王宮の入り口にある受付に向かう。
受付嬢に、ラピスと契約をした事を伝えると・・受付嬢は眼を見開いた。
「・・中位竜種と契約したですって!」
「はい」
ユリナが頷くと、受付嬢はラピスに叫んだ。
「貴女はいいんですか!」
「はい!」
ラピスは受付嬢にキイッと見られる。
しかしラピスは、笑顔で元気よく返事をする。契約は彼女達の総意らしい・・しかし・・
「・・下位なら問題有りませんが中位竜種は別です。
竜王陛下に、謁見を申し出るので暫くお待ち下さい」
受付嬢自身も中位竜種。
下位竜種はペット扱いだが、中位竜種は平民扱いだ。自分の判断で許可は出来ない。受付嬢がそう言うと、ユリナは頷いて待合室のソファーに腰かけた。
そしてユリナは、ラピスにこそりと問いかけた。
「ねぇねぇラピス?」
「何?ユリナ」
ラピスはコテンと首をかしげる・・可愛い。
「中位と下位の扱いが、なり違うのは何で?」
ユリナが聞くと、ラピスは人間には分からないよね・・と前置きして、身ぶり手振りを加えながらユリナに話始めた。
「ん?それはね。変化出来るか出来ないかと、知能と魔力の数値で位階が決まっているの。魔力が低く、知能も低い竜種は下位。
魔力が下位より高く、変化が出来て知能が高ければ中位。
魔力が一定以上高くて知能も高く、三段階の変化が出来るのが上位竜種だよ」
三段階?ユリナが分からないといった顔をしていると、ラピスは笑顔で教えてくれた。
「竜化だよ。上位竜種は、巨大な竜になれるんだよ」
・・・上位竜種は、巨大な竜に化る事が出来るらしい・・
「・・凄いね」
ユリナがビックリしていると、受付嬢が待合室に入ってきた。
因みに、男達はとても大人しい・・・
さっき男達で喧嘩をしていた時に、ユリナとラピスに叱られたせいだろう・・静でとてもいい・・
「謁見の準備が出来たので!此方に!」
ユリナ達が待合室を出て、豪華な部屋に通される・・そこには・・
「久しぶりだな・・娘よ」
そこには・・・
ミミル結婚式に来ていた竜種の青年が、ニヤリと笑いながら座っていた・・・
竜種の青年 再登場でした!




