王宮の廃屋
シュエ視点です!
とても気持ちのいい・・・・棲んだ空気が漂うの早朝。
シュエは、近衛騎士団の詰め所に向かっていた。
そこで、手下と言っても過言ではない者達にユリナの事を頼む(しつこく、しつこーく 言い聞かせた)ユリナを、女官長のところに送っていたガウリスが詰め所に戻って来ると、シュエはユリナの住む宿舎を聞いた。
そして団長の資料を漁り、場所が判明(警備上 宿舎が何処か団長が確認する。漁ったのがバレたら懲罰ものだ) シュエ達五人は、資料を他の紙に書き写して資料を戻してから、紙を片手に詰め所をあとにした。
一時間半。歩き続けて、やっとついたその場所は・・・・・
数人の男達が、ある廃屋の前に唖然としていた。
「本当に此処か・・・・・」
何か・・・・
幽霊的な者が、住んでいそうな木製の一軒家の前でシュエが呟いた。
恋人のユリナが、住む事になる宿舎を確認にきたのだが・・・
嫌がらせは有るとは思ったが、此処までするか!
「ああ。此処だ・・・・・」
自分が指示した訳でも無いのに、近衛騎士のガウリスは唖然と建物をみあげていた。
余りに酷い建物に顔もひきつっている。
「先々代の王の手作りだってさ」
栗毛の騎士は、資料を見ながらシュエに報告する。
「・・・・王が死んでから、手を入れてないってさ」
金髪の騎士は、一軒家を見上げながらそう口にした。
「鍵もないらしい」
赤目の騎士は、扉を見ながら呆れ顔でそう口にした。
城内に、よくこんな建物が会ったモノだ。
シュエが一軒家の中に入る。
暫くすると入口から、唸るように外の騎士達に命じた。
「おい!ガウリス!近衛騎士団の宿舎から、余っている寝具一式とカーテン持ってこい!
あとタオル数枚!他の者はありったけの板と釘それから、金槌と鍋にヤカン。湯をいれるタライに水差しだ!急げ!」
「「「「はい!」」」」
四人は各々走り、目的の物を探しにいく。
そして命じた本人は、箒とちりとりを取り、雑巾と水を持ってきて掃除の準備を開始した。
言われたものを見つけて、四人が戻って来ると、シュエ廃屋の修理と掃除をを開始した。
木材を使い、穴の空いた屋根や壁を塞ぐ。
それから皆で壁の隙間を塞いでいく、力の強い軍人が五人もいるので、数時間で終った。
穴を塞ぎ終わると、箒で掃いて濡れ雑巾でふく、乾いた雑巾で乾拭きをして掃終了。つぎは家具だ。
外にだした家具を、念入りに修理をしてから拭きあげる。
今日は偶々、騎士団の詰め所のガラスが割れていて、新しいガラスが倉庫に置いてあった。
なのでそれを拝借して、剥き出しの窓に嵌める。
そして、カーテンを釘で打ち付け、紐をかける場所も釘で作る。
修理をしたベッドを部屋に入れ込み、綿の入った布団を乗せてシーツをかける。そして枕を置き、毛布をかけて、厚い布をかける(ユリナは寒がりだ)
この宿舎には、クローゼットが無かったので、板で手作りした。
それを拭き、作ったクローゼットを入れ込んだ。
その中に、ユリナのバッグから出した服をかける。バッグはクローゼットの下に入れて、扉を閉める。
そして、机を入れ込みカーテンをテーブルクロスの様に机の上にかけた。
そして気を利かせたガウディが、持ってきた花瓶をまん中に置き、近くで咲いていた花を生けた。
ふきあげた台所には、桶とタライを置き籠を近くの床に置いて、タオルを入れる。
そして、鍋とヤカンをおき食器類も置いた(これは、厨房から貰ってきた。沢山あるし、数えたりしないようだから絶対バレない・・・・・・と、思う)部屋はこれでいい。
次は入口の鍵だ。
シュエは、自分の貴重品を入れる箱の鍵を外し、扉につけ直しす。
「よし!完璧だ!私は、ガラスと鍵を買ってくる!それまでガラスの件はなんとしても誤魔化せ!団長にはなんとしてもな!」
「「「「了解!」」」」
彼ら四人は見習いの頃。
生意気なシュエを、集団で暴行しようとした。
だが・・・逆にボコボコにされ、それ以来シュエに逆らえないようになっていた。
ぶっちゃけ怖いのだ・・・・・殺されそうで・・・・・
ユリナが、姫様の部屋から帰ってくると、部屋が綺麗になっていた。
どう考えても、シュエがやったんだだと思う・・・・・
「後でシュエにお礼いわなきゃね」
シュエに小さい頃から尽くされている彼女は気付かない・・・・・
明らかに彼はやり過ぎだという事に・・・・・
今日もシュエは、ユリナに尽くす
愛しい愛しいあの人に・・
シュエと愉快な仲間達でした!
次。ユリナの話に戻ります。




