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転生しても私は私  作者: 柳銀竜
国宝返却 編
105/174

マグダリア式!

 

 転移すると、そこはマグダリアの王宮だった。ガチで直通らしい。


 警備上 大丈夫かな?


 そう思いながら、イデアが転移陣をさわると、かなりの魔力を吸われた。


 王族は魔力が高いから平気だが、平民や下級貴族なら、陣を発動させただけで死ぬかもしれない。


 これなら、兵士を送り込むのは不可能だろう。


 ユリナとシュエとグレルは王族ではないが、魔力が王族並みに高いので問題は無いみたいだ。


 そんな事を考えていると、イデアはガシッと捕えられた。


「王女様!お早く!」


「またか・・・」


 イデアは、女官達にズルズル引きずられながらため息の様にそう呟いた。


「髪飾りは、これで宜しいですか?」


「ええ・・あっ・・後これもね」


「ドレスはどうなさいます?」


「深紅の物が良いわね」


「では髪型は・・・」


 イデアは、きせかえ人形の如くあれこれ言われている。

 それを見ていたユリナは、思わず呟いた。


「あの~結婚式は、明日なのでは?」


 何だか、今にも結婚式が始まるみたいに、イデアの化粧まで始めたマグダリアの女官達。


 ドレスや装飾品を、前もって選ぶなら分かるが、急ぎっプリが半端ない。


 ユリナが、不思議に思って聞いてみると、マグダリア王妃が目を見開いた。


「え?今夜よ?

 陛下!ゼルギュウム王に言ってないの?」


 王妃が、偶然通りかかったマグダリア王に怒鳴った。

 王妃に怒鳴られた王は、ビクッとしながら口を開く。


「・・えっ?いや言ったぞ?冬の四週目の3日目だって・・」


 王妃は王の言葉を聞いて、呆れたようにため息を吐いた・・馬鹿が・・


「・・・それ明日よ」


 今日は、冬の四週目の2日だ。


 1日ずれてる・・・


 マグダリア王は王妃にそう言われて、顔を真っ青にさせて目を見開いた。マジで気づいてなかったらしい・・・・・


「・・まあ・・・良いだろう・・間に合ったし!じっじやあ私は行くから!!」


 まあまあと、宥めようとしたマグダリア王を、女官達と王妃が睨み付ける。

 すると王は、脱兎の如く一目散に逃げ出した。


・・怖かったらしい・・


 痛々しげにイデアを見守っていたユリナも、シュエ達に連れていかれてドレスに身を包んだ。


・・逃げられないらしい・・人混み苦手なのに・・・・・


 そして数時間後。


 何とかイデアの支度が間に合い、王城で結婚式が始まった。


 結婚式と言っても、マグダリア式の結婚式はその土地の最高権力者(村なら村長。町なら領主など、貴族同士なら位が上の貴族に頼んで仕切って貰う。子爵なら伯爵に頼むと言った感じだ)が取り仕切る。

 王族の最高権力者。つまり・・マグダリア王が今回の結婚式を取り仕切る事になった。

 取り仕切ると言っても。ズラッと並んだ貴族達の前で、新郎新婦が結婚契約書にサインをするのを見守るだけなので、大して仕事はない。


 マグダリア王は新郎新婦がサインし終わると、その契約書に自分もサインして、書類を宰相に渡した。


 そして・・・・


集まった貴族達に、聞こえる様に声を張り上げた。


「ここに!婚姻を宣言する!」


 ・・王の仕事は此だけである・・実に・・ショボい・・


「婚姻はなされた・・舞踏会を催す!・・・今夜は大いに楽しんでくれ!」


 マグダリアの結婚式は、式ではなく。結婚式の後の舞踏会がメインだった。


 王が叫ぶ。すると、衛兵達が謁見の間の続きの間の扉を開けた。


 其処には、色とりどりの料理が盛られたテーブルと、小休憩用のソファーが置かれていた。


 王、イグニス、イデア、王妃の順で続きの間に入って行く。

そしてその後に、身分順に貴族達が続いた・・


 ・・今夜は長くなりそうだ・・・



マグダリア式の結婚式でした。

次は舞踏会です!

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