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城の客室で寛いでいたユリナ一行は、突然訪ねてきたブライア国王に連れられて、城の奥へ、奥へと歩いていく。
暫くすると、倉庫の様な場所に出た。
其所は・・・・・
「うわっすごっ」
「凄いだろ!」
天井は、光を取るために木ではなく、ガラスで作られている。
そして下には、土管を半分に切って足をつけた様なモノの上に、植物が植えられていた。
・・これは・・もしかして・・
「水耕栽培だ!」
昔。テレビで見た水耕栽培そのものだった・・・・・
この世界は、中世ヨーロッパ位の技術レベルだから、100年は進んでる・・
凄い!!凄いよ王様!!
「水耕?なんだそれ」
・・そりゃ知らないよな・・・
ユリナは昔。テレビで見た農家の兄ちゃんが、言っていた言葉を思い出しながら、ブライア王に向かって口を開いた。
「水だけで栽培する方法の事。
所で、肥料はどうしてるんですか?」
「樹液だよ。これ」
ブライア王はそう言うと、一本の小枝を取りだしユリナに見せてきた。
ブライア王が小枝を折ると、トクトクと白い液体が出てくる。彼はその枝を、植物の横の土に突き刺した。
そうすると、樹液が土の中に染みだすらしい・・かなり雑だ・・
ユリナが植物を見ていると、何やら紫色の実が!!もしかして!?
「これがチゴイ!?」
ユリナが目を見張って叫ぶと、イデアも目を見開いて叫んだ。
「粒が大きい!!」
イチゴと言うより、最早桃。桃サイズのイチゴだった。禍々しい紫色の実に、白い種が・・
・・・何か・・毒がありそうだ。
ユリナ達が微妙な顔をしていると・・
「食ってみるか?」
ブライア王がチゴイを五つつもいで、ユリナ達に差し出した。
「はい!」
「私も!」
若干・・チゴイの毒々しさに、顔をひきつらせて、食べようとしない男性達を尻目に、ユリナとイデアはチゴイにかぶりつく。
二人の口の回りは、毒でも飲んだみたいに紫色だが気にしない。ジャムは赤かったのにな。
「「イチゴだ!」」
ユリナとイデアは、笑顔で同時に叫ぶ。ブライア王は、二人の台詞に首をかしげた。
「イチゴ?」
何だそれ、とブライア王は首をかしげた。
ゼルギュウムやマグダリアに似た植物が有るのかと、ブライア王が男達を見ると、王が男達を見る視線に気付いたイデアが笑顔で答えた。
「ああ。私達前世の記憶があるんですよ。チゴイが、前世のイチゴにそっくりで・・これで何をつくる?」
イデアがユリナに言うと、ユリナがビシッと手を上げた。
「ケーキ!」
ユリナ叫ぶと、イデアが低い声で切り捨てた。
「量産できないからボツ」
ユリナは言い捨てられて、ムスッとしながら口を開いた。
「・・パフェ」
ユリナは、懇願するようにイデアを見る。しかし・・・
「経費がかかる」
これも駄目らしい・・ならば!!
「クッキー!」
「それだ!」
イデアはビシッとユリナを指差した。これはOKらしい・・ヨッシャア!!
そしてユリナ達は、ブライア王専用の(あの怪しい物体の製作場所)厨房にチゴイをタップリ収穫してから向かった。
一時間後。試作品一号が完成した。
まだ湯気が出ている厚めクッキーを、ブライア王が摘まんで口に運ぶ。
「これは・・・食べやすいし、旨い」
モグモグ咀嚼する王を見ながら、ユリナ達も試食を始めた。(チゴイは加熱すると赤くなるらしい)
「でしょ?」
「ソフトクッキーだね・・・美味しい」
ユリナは、クッキーをモグモグ食べながら、机の上にある怪しい物体(販売していたパン)を見ながら口を開いた。
「あと・・あれの改良ね」
「どうするの?」
「キャラパンにしょうか」
ユリナとイデアが、キャイキャイしながら話し合っていると、ブライア王が首をかしけながら二人に聞いてきた。
「キャラパン?何だそれ」
ブライア王が二人に聞いたのだが、彼女達の耳に入らず。
結果的に無視された・・いいのか!?
「何のキャラにするの?」
「ん~海蛇?」
「国宝か・・いいね」
そして、一時間後。試作品2号が完成した。
最後の仕上げに、ユリナは串を取り出して・・
「目玉の場所はくり貫いて、そこからジャムが出るようにすれば、手が汚れないよ」
ユリナはそう言いながら、目玉の部分をくり貫いていく・・・
そして、五十個位の海蛇パンが完成した。
「成る程・・思い付かなかったよ」
ブライア王が感心しながら頷いていると、ユリナは笑顔で爆弾を落とした。
「さあ!売ってみましょう!国境で!完売するまで帰らないよ」
「えええええ!?」
ユリナの無茶な提案に、ブライア王の叫びが響き渡った・・・
商品開発でした!
次は王都を旅立ちます!




