結婚式
遅くなりました!ごめんなさい!
カーンカーン。
教会の鐘がなる。
教会には、礼服を身につけた老若男女が集まっていた。
そう、結婚式だ。
その中心には、二人の花嫁と二人の花婿が各々の伴侶の手を取り、絨毯の道を歩いている。
新郎新婦は、神父の前までいくとピタリと止まった。
そして、神父は厳かに話始める
「カール・リョダリ。貴方は、アン・メイプルを妻とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
「アン・メイプル。貴女は、カール・リョダリを夫とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
「ジャック・ウォールク。貴方は、クレール・カッツェを妻とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
「クレール・カッツェ。貴女は、ジャック・ウォールクを夫とし、愛することを誓いますか?」
「誓います」
四人に各々に神父が問う。
四人の返答に頷き、神父は宣言する。
「よろしい。神の名において此処にカール・リョダリとアン・メイプルの婚姻とジャック・ウォールクとクレール・カッツェの婚姻を認めることを宣言する。」
宣言が終わり無事結婚式が終わった。
そして、その場で宴会をするのが習わしで、二人の結婚式の参加者は殆どが公爵家の使用人達だ。
仕事があるので何人か来れなかったが、来れなかった者は御祝いの言葉や、贈り物を前日に贈ってる。
そして向こうでは、四人の母親が嬉し泣きしていた・・・愛されてるな。
そして新郎新婦達は、皆に御祝いの言葉を貰い嬉しそうである。
椅子に座っていたユリナは、新郎新婦達の所にいる人が、減ってきたのを見計らって立ち上がり、新郎新婦に御祝いの言葉を言いに行った。
因みにシュエはユリナの隣にいる。
ユリナが立ち上がると・・・・ビタリとついてきた。
「おめでとう!クレール、アン、ついでに、カールとジャック」
ユリナが言うと、シュエも祝いの言葉を口にする。
「幸せになれ」
二人が言うと、二人の花嫁が嬉しそうに答えた。
「ありがとう。ユリナ!」
「ありがとう。ユリナ!」
「俺達はついでか!」
花婿達は不満顔だ・・・・・良いじゃんか。
「まあ、余り話したこと無いし
な」
ジャックは、どうでも良いみたいだ。というか、花嫁しか見てないし・・・・・
「所で・・・何で合同結婚式にしたの?安くすむから?」
ユリナの台詞に、二人同時に否定する。
「「違うわよ!」」
ムスッとした二人の花嫁の替わりに、花婿達がユリナの疑問に答えてくれた。
「二人が親友だから、一緒が良いっていったんだよ!」
「そうだよ!結婚資金ぐらい有るに決まってるだろ!」
男二人に凄まれ、ちょっと怖かった。
「ウッ!ご免なさい」
「まあ、資金難発言は余計だな」
シュエにまで言われたよ。
落ち込んでいると、花嫁達がユリナのドレスを見て呆れる。
「所であんた。その、ドレス・・・・」
「頭から足まで・・・青一色ね」
「似合ってるだろ?」
シュエは自慢げだ。ドレスはシュエのプレゼントらしい・・・・・
「似合うけどさ・・・・・あんたは結婚式青一色にしそうね」
ユリナは、ウーンと考え込む。
「結婚しないけど・・・・そうだね・・・建物を青い布で覆い・・花も青い花にして・・・・青いドレスで、新郎も青い礼服をきせて、参列者にも青を強制するよ!!」
ユリナは高らかに宣言した。
「そうか・・・・・やはり、青か・・・・・」
「うわー・・・・・あんたね」
「青いドレス作っとこうか・・・・」
「そこまで・・・・・・」
「シュエ様・・・・・・」
シュエは考え込み、クレールとカールは呆れ、アンはドレスの心配している・・・そしてジャックはシュエに呆れた。
宴会を終えると。新郎新婦は、馬車に乗って町に買っておいた新居に帰っていった。
四人は、これから通いで屋敷に勤めるらしい。
ユリナは、三人部屋が一人部屋になって、ガランとしている部屋でボーとしていた。
既に、彼女達の荷物は全て運び出されていて、マットを残すのみだ。
静かすぎて・・・・少し寂しい・・・・・
ユリナは、素早くドレスを脱ぎハンガーにかけクローゼットに仕舞う。
そして、ユリナは同じクローゼットから、メイド服を取りだし着て、簡単に髪を整える。
「よし!」
ユリナは、部屋を出てメイドの休憩室に向かった。
メイド長が昨日。夕方からでもいいから出れる人は出てくれと、結婚式に出席するメイド達に頼んでいた。
メイドは雑用などもするので、半分も休むと大変だ。
ユリナが、夕食の支度だけなら出ると言うと、夕食の支度に出てくれるだけでありがたい、とメイド長がいっていた。
結婚式は、男女の出会いの場でもある。
結婚を真剣に考えているメイドは、早く帰らない・・・・・帰れない。
私は結婚する気がないので、早々と帰ってきたが・・・・・
ユリナが休憩室にに入ると、慌ただしくメイド長が指示をとばしていた・・・・・
「貴女と貴女は、奥様の部屋を整えて!貴女は、貴女と
ラスク様の部屋を!貴女は、私と夕食のを運んであっ!
ユリナ!良かった人が足りないの!貴女は彼女と食事を運んで!旦那様がよく食べるのよ!宴会で余りお食べにならなかったのかしら!」
「食事!追加分できたぞ!」
「はい!ユリナ!早速お願い!食べ終わりのお皿の回収もね!」
メイド長は私に指示を出すと、掃除の確認作業に向かった。
ユリナは、急いでメイドの一人と食堂に向かう、二人は必死にはや歩き(走るのは貴族邸では御法度)で急ぐ。
食堂に入ると丁度旦那様が食べ終わった。
所だった。危ない!
「お!追加分か!」
「はい。少々御待ちを」
ユリナ達は、素早く皿を回収し料理を置く。
すると旦那様は、嬉しそうに食べ始めた。
凄いな、何が凄いって・・・・・・
「旦那様・・・・・貴方宴会であんなに飲み食いして・・・まだ食べますの?よく太りませんね・・・・・」
「訓練の賜物だろうな」
あっ!一皿もう、終わった!
「おかわっ」
「父上・・・・・もういいでしょう。朝食の食材がなくなる。」
「そうよ!食べ過ぎよ!だから、そのデザートください!」
「肥るぞ」
「女の子になに言うの!ユリナに嫌われるわよ!」
その瞬間・・・・シュエは、ラクスに叫ぶ!
「ユリナには・・・・拷問されたとしても言わない!!」
「「「この!ユリナ狂い!」」」
三人が叫んだところで、ユリナは普通の声音で旦那様。バルバロに皿を回収しながら聞いた。
「ところで、旦那様。結局御代わりはどうなさいます?」
「「「いらない!残りの食事も下げなさい」」」
旦那様が返事をする前に、三人同時に言い切られた。
旦那様がうなだれている。
ユリナ達は、台車に全ての皿と料理をのせ入り口付近で一礼した。
「食事は終了したと、厨房に伝えておきます。では、失礼します」
そして、ユリナ達はその場を後にした・・・・・
厨房の料理人達は、やっと仕事が終わったと、一休みして夕食。
メイド達も、料理人達と一緒に夕食をとる。
ユリナは、結婚式に行けなかった者達に、結婚式の話を聞かせてあげたりして、ワイワイしながら夕食を食べる。
そして夕食を食べ終わると、皆で片付ける。
片付けが終わると、皆各々の部屋に帰って行った。
そして、部屋に戻ったユリナは部屋を見渡す。
やはり少し・・・・・少しだけ寂しい。
ベッドに座り込み、物思いに耽っていると・・・ドアがノックされた。
「ユリナ・・・・・起きているか?」
シュエだ。
「何?」
ユリナは立ち上がり、扉に近づく。
「私の部屋に来い。寂しいんだろ?」
本当に・・・私をよく見てる奴だな。
「うん!行く」
ユリナは、勢いよく扉を開けて飛び出てきた。
シュエは迫る扉を上手くかわして、ユリナを瞬時に横抱きに、つまりお姫様抱っこした。
そして、そのままシュエは自室に向かって歩きだしす・・・・・
二人の・・・長い長い夜が始まった。
どうでしたか?結婚式です!ユリナちゃんは、寂しい思いをしましたが、シュエがいるから寂しくないよ!と言うことです!




