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死後裁判~直江兼続~

作者: 如月ニロ

被告人:直江兼続


罪状:主家侵害



検「え~直江さん、あなたは生存時、主である上杉景勝さんを軽視し、景勝さんを差し置いて政治、外交、軍事全てにおいて指揮をとり、自分勝手に国を動かしました結果、上杉家を減封させてしまう事態を招きました。この文章に間違いはありますか」



直「いいえ、ありません」


判「弁護人、ここまでで何か言いたいことはありますか」


弁「特にないです」


判「では、続けてください。」


検「この問題が明るみにでたのは関ヶ原の発端となった直江状にあります。この直江状には家康さんを挑発する内容について書かれており、徳川軍をおびき寄せる為に書いたものです。こちらは現物の写真です。」



検「見て分かる通り、この書状は正式な外交書であるにもかかわらず景勝さんの意志を微塵にも入れずに自らの意志のみで構成されています」


弁「異議あり、この書状には景勝さんの花押もあり景勝さんも内容に異存が無いことが読み取れます」


判「異議を認めます。」


検「この花押は白紙に書かれたもので直江さんに全幅の信頼を寄せていた景勝さんが渡していた物です。証人もいます」


判「では証人を呼んでください」






検「景勝さんの近従の●●さんです」


判「●●さん景勝さんは白紙に花押を書いた物を直江さんに渡していたと言うのは本当ですか」



証「はい。私がその紙を直江さんに届けていました。間違いありません。」


判「わかりました。●●さん、ありがとうございました。原告側は話を続けてください。」



検「徳川軍が上杉領に来るのを見計らって石田さんが挙兵。調べた所によると景勝さんの知らない所で石田さんと直江さんの間に密約があったようです。徳川軍との衝突に反対だった景勝さんは挟み撃ちに反対し最上さんの領土に進行。その戦いでも直江さんは全力で取り組まず、長谷堂城を落とす前に関ヶ原が決着…これは明らかな職務怠慢です」


弁「異議あり。長谷堂城は有数の堅城で落とすのに時間がかかります。決して手を抜いていた訳ではありません。」

検「これは長谷堂城のデータです。人数も少なく、火薬などの蓄えもわずかです。こんな城に全兵士を集結させ、城の救援に来た伊達軍とも槍を合わせないのはしょうがないと言えるのでしょうか」



判「異議を却下します。続けてください。」



検「これは余罪になりますが景勝さんが家督を継いだ時、直江さんはライバルを蹴落とすために武田さんに賄賂を送り、城に立てこもりライバルを城から追い出すという事件も引き起こしております。原告は懲役5年を求刑します」


判「ありがとうございました。お座りください。弁護人、前へ」


弁「私共は直江さんが全ては上杉家のために動いていた事と、今後の社会復帰を考慮し懲役1年を主張します」



判「それでは審議に入ります」



―――――――――



判「では判決を言い渡します。懲役3年執行猶予8年。直江さん、貴方にはまだ未来があります。今回の経験を生かし来世を生きてください。直江さん、最後に何かありますか?」


直「これからは主家を重んじ尽くしていく所存にございます」


判「はい。あなたの社会復帰お待ちしてます。これにて直江被告主家侵害の刑事裁判を閉会します」






 読んでいただきありがとうございます。


個人的に直江兼続が評価され過ぎな気がして罪人という設定で書いてみました。


余談ですが信長のキセキはしばらく書いてませんが構想は出来てきてるのでもう少し待ってください

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