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ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
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病院 『~ モノローグ ~』




--- 待合室 『 ナジミの場合 』 ---





病院の待合室でハナ先輩と美少女のユイ、そしてアタシの3人が座っている。


「ハナちゃん、これからどうするの?」

美少女のユイが、ハナ先輩に聞く。

今日のユイはマスクにメガネだが、おさげ髪ではない。

肩までの髪をふんわりとまとめた仕上がりだ。


「今日はこれから引っ越しなの」

ハナ先輩が答える。


「トキオくんちに?」


「そう」


「あ、お引越しは、アタシも手伝います」

アタシが手首だけで小さく手を挙げる。


「そうなんだね・・・」

美少女のユイがつぶやく。

ユイはトキオの記憶が無いというのがショックだったのだろう。

どこか上の空だ。


トキオに会うと、少しだけ話しが出来た。

3人とトキオの関係を簡単に説明した。

トキオは、まだ少し頭が痛いから休ませてほしいと言って眠ってしまった。


そしてアタシたちは病院の待合室に移動してきた。


「ハナちゃん・・・」


「ん?」


「いつからなの?」


「え?」


「いつからハナちゃんのお母さんと、トキオくんのお父さんが付き合ってるのを知ってたの?」


「つい最近なの。

 ホントよ、ユイ。わたしも急すぎて驚いたの」


「そう・・・」


「そうなの。まさかこんなに急に事が進むとは思わなかったの。

 わたし、もしそうなるんだったら、卒業した後だろうと思ってたから」


「わかった。

 ハナちゃん・・・

 それで、トキオくんはこの後どうなるの?」

美少女のユイがアタシを見る。


「えっと、特に問題がないようなら、今日のお昼すぎには退院する予定です」

アタシが答える。


「そう、それじゃ、私はそれまでトキオくんのそばにいるね」

美少女のユイは、少し遠くを見るような表情でつぶやく。



美少女のユイとトキオを2人きりにするのは少しムカつくが、今日に限っては仕方がない。

これから引っ越し作業だからだ。

ついさっき、ユイ先輩のお母さんとトキオのお父さんがユイ先輩の家へ向かった。

たぶん今ごろ、引っ越し業者と共に作業中だ。

アタシと先輩もすぐにタクシーで向かう予定だ。

そのため、トキオは美少女のユイに任せるしかない。


「お願いします。ユイさん」

アタシが小さく頭を下げる。


「うん」

ユイがうなずく。


「ユイ、それじゃ、わたし達そろそろ行くね」


「うん」


アタシとユイ先輩は病院を後にした。


そしてアタシは思った。


やっぱり美少女のユイとトキオを2人きりにするのは危険だ。

さっきトキオを見たとき、アタシの事も、おじさんの事も分からない状態だった。

そう、今トキオの記憶は白紙の状態なのだ。

トキオが美少女ユイの言う事を全て信じてしまえば、もうアタシに勝ち目はない。

幼馴染が、学年トップクラスの美少女の彼女に勝てるわけがないのだ。


やっべ!これ。

終わるわ・・・アタシ。









--- トキオの病室 『 ユイの場合 』 ---



「どう?トキオくん。

 大丈夫?」


「だ、だいぶ落ち着きました。

 ありがとうございます」


私はトキオくんの手の上にそっと手を重ねる。


「え!」

トキオくんが重なった手をピクっと動かす。


「大丈夫よ、トキオくん。

 私たち、前にもこうして手をつないでたのよ。付き合ってたんだから」


「え!そ、そうなんですね」


そ、そうよ!ウソじゃないんだから。

理科室から逃げる時だけど・・・


「あの~、えっと・・・さっき名前を聞いたんですけど・・・」


「あ、私、ユイ。

 トキオくんの恋人なのよ」


「そ、そうなんですね。

 すみません。全然おぼえてなくて・・・」


「慌てなくても、きっとそのうち思い出すと思うよ。

 私、協力するからゆっくり思い出していこうね」


「は、はい・・・ありがとうございます。

 それで、あの~、ユイさん」


「何?トキオくん」


「よければ、顔を見せてもらえませんか?

 もしかしたら思い出すかも・・・」


あ!そうだ!

今日はメガネにマスクをしてたんだった!


「あ、ごめんね。

 メガネとマスクを外すね。

 でもここ病院だからマスクはすぐに付け直すね」


私はそう言ってトキオくんの手からそっと手を離す。


「はい、すみません。

 お願いします」


私がメガネとマスクを外し、トキオくんを見てニッコリ笑う。


「あ、あの~・・・」

トキオくんが真っ赤になる。


「なに?」

私がマスクを付け直して聞く。


「ユイさんは、本当に僕とお付き合いしているのでしょうか?」


「そうよ。

 トキオくんが私にラブレターをくれたの。

 それでお付き合いを始めたのよ」


「そ、そうなんですか・・・」


「うん、そうなの。

 どうしてそう思うの?」


「いや、とてもキレイな方なので・・・

 本当なのかな、と・・・」


「あ、ありがとう・・・トキオくん」


えー!!

トキオくんが私の事キレイって言った!!

嬉しー!!


私は勢い余って再びトキオくんの手をにぎる。

トキオくんが更に真っ赤になる。


「あの~、ユイさんは僕のどんな所が好きなんですか?」


え!何!?

トキオくん、結構グイグイくるタイプ?

なんかすごいドキドキしてきた!


「私、一目惚れなの」


「え?」


「小学校の時、トキオくんに一目惚れしたの」


「あ、え?僕がラブレターを渡したんですよね?」


「そう。だから両想いなの。私たち」


「そうなんですね」


「そうなの・・・」


なぜだろう。

ドキドキして、恥ずかしいのに、

不思議と何でも喋れてしまう。

それも自然な感じで。


「あ、そうだ!トキオくん」


「はい」


「私たち恋人なんだから、敬語じゃなくていいよ。

 気を使わなくていいからね」


「ありがとうございま、あ!

 ありがとう・・・ユイさん」


「あ、それと、ユイさんっていうのも・・・」


「そうだね。

 ユイちゃん」


「うん!トキオくん!」


うわ!

私たちラブラブじゃん!!

よーし!

どんどんラブラブになるぞー!!





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