トキオ宅 風呂場『 トキオの場合 』その2
「なに楽しそうな事やってんのよ、あんた達!
アタシも混ぜなさいよ!」
暗視ゴーグルを付けたナジミが入ってきた。
「あ、兄よ!見て!暗視ゴーグルだ!」
「ああ弟よ!オレも初めて見た!」
「どう?
スゴイでしょ?」
ナジミが胸を張る。
一気に話題が暗視ゴーグルへと移り変わる。
「どうしたんだよソレ?」
オレがナジミに聞く。
「女の殺し屋から奪い取ったのよ」
「は?」
「トキオ、あんた女の殺し屋に狙われてたのよ」
「は?」
「さっきまで、すぐそこに居たのよ。
女の殺し屋が」
「ナ、ナジミ・・・」
お前、何を言っているんだ?
「この停電も女の殺し屋の仕業よ」
「あ、兄よ!呪いより殺し屋の方がいいんじゃね?」
「だな!弟よ!
で、その殺し屋は今どこ!?」
「マモルがあんた達の車で連れてったわ」
「え!!オレたちの車で!?」
「そうよ」
「ど、どこに?」
「知らないけど、たぶんもうすぐ帰って来るわよ」
マジか?
これマジなのか?
オレ、殺し屋に狙われてるのか?
こんな股間に盛り塩的な事してる場合か?
「それじゃ、殺し屋はダメだ、兄よ」
「だな、弟よ。残念だ」
「それで、あんた達、ここで何してんの?」
ナジミがオレ達を指差す。
「こ、これは、お清めだよ」
ブラザー弟が言う。
「ふ~ん。
ねぇ、この股間の盛り塩って、乳首にもしたらいいんじゃない?」
ナジミが暗視ゴーグル越しに言う。
「な!なるほど、三角形を形作るわけか・・・いいね!
ナジミさん、いいアイデアだよ!」
「そうだよ兄!三角と言えば、バミューダトライアングル!
それにピラミッド!」
「だな!弟よ!
世界の不思議現象には三角形が大いに関係している!
そして何より、
夏の大三角!」
「夏の大三角?なにそれ?」
ナジミがブラザー兄に聞く。
「ナジミさん、夏の大三角というのは、夏の夜に見える星のことだよ」
「へぇ~」
「こと座、ワシ座、白鳥座からなってるんだよ」
「へぇ~、それが、お清めにどう関係するの?」
「こと座と言えば、七夕の織姫!そしてワシ座は彦星!
そして白鳥と言えば股間!」
「と言うことは!兄!」
「そう!風呂の大三角!!
今、ここに乳首と股間を結ぶ、風呂の大三角が形作ろうとしているのだよ!!」
あたま大丈夫かコイツら・・・
自分で何を言っているのか分かっているのか?
「さぁトキオくん!
両方の乳首にも盛り塩、いや、盛り重曹を作ろう!!」
「あ!
アタシ、やったげるわ」
ナジミがウキウキで、オレの乳首に盛り重曹を作り始めた。




