ナジミ宅 『ナジミの場合』
--- ナジミの部屋 ---
ふ~、さっぱりしたわ。
アタシはバスタオルで髪を拭きながら部屋のベッドに腰掛ける。
それにしても今日は長い一日だったわね。
トキオ、大丈夫かしら。
たぶん今頃あの2人に付きまとわれてる最中なんでしょうね。
アタシは立ち上がりカーテンを少し開け、窓から向かいのトキオの家を見る。
あたふたしているトキオを想像して少しほほ笑む。
バチンッ!
え?
小さな衝撃音がして、トキオの家の玄関や部屋の明かりが一斉に消える。
何?
停電?
トキオの家だけが真っ暗になっている。
腰を屈めた黒い人影がトキオの家に入って行く。
え?
何?
だれ?
いま、トキオの家に誰か入って行った・・・よね?
どうしよう・・・
トキオ!
そうだ!
電話だ!
アタシは電話をかける。
『あー、もしもし、ナジミ?』
トキオが電話に出る。
「ちょっと!トキオ!あんた大丈夫!?」
『あー何?ちょっと聞こえにくいんだよね?
ヘルメットかぶってるから。
ていうか停電して真っ暗なのよ』
「は?なに言ってんのよトキオ!
今あんたんちに誰か入って行ったわよ!」
『え?何?
ヘルメットかぶってるからよく聞こえないんだよね』
「それもう聞いたわよ!トキオ!
あーもう!今から行くわ!
ちょっと待ってなさい!」
どうする?
とりあえず着替えなきゃ!
あーもう!髪、乾いてないじゃない!
というか誰よ?
誰か入って行ったよね?
トキオの家に・・・
今日の事と何か関係あるの?
だったら、
武器!
なんか武器がいる!
バタバタと着替えたアタシは階段を駆け下り玄関へ向かう。
「トキオんちに行って来る!」
アタシは電気の点いているキッチンに向かって叫ぶ。
「あ、ちょっとナジミ!」
お母さんがアタシの名前を呼ぶ。
アタシは靴を履くと玄関に置いてある懐中電灯を取りライトを点ける。
傘立てにさしてある、ゴミ拾いトングを引き抜く。
これでいけるかしら?
えーい!
考えてるヒマは無いわ!
待ってろ!トキオ!
アタシがいま行く!
暗闇に包まれたトキオの家に、アタシは突入する。




