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ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
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トキオの部屋 『ハナの場合』



「ハイ!どうもー!!

 廃墟ブラザーズでーす!!

 それではこれより呪われし男の密着を開始いたしまーす!!」


ちょ!何!なに!ナニィー!!?


「ちょっと!待てェエエエーーーイ!!」

わたしは野球の審判のセーフの格好で叫ぶ。


全員が止まる。


「ナジミッ!!」

わたしが叫ぶ。


「はいッ!」


「あなた!こっちに座りなさい!」


「は、はい」


「それで、あなた達も!

 一回そのカメラと照明器具を置く!そして座りなさい!

 相田くんも!!」

わたしが全員を床に座るよう命じる。


全員が床に体育座りをする。


「そこ!カメラ止めるッ!!」

不自然にカメラに角度をつけるブラザー弟に、わたしが一喝する。


「ひぃー!

 ごめんなさい!」

ブラザー弟がカメラを止め、床に置く。


「ナジミッ!!」


「はい!」


「まず、この2人は何なの!?」


「廃墟ブラザーズ兼、運転手です。

 ハナ先輩」


それは知ってるわよ!

さっきこの人達に車で送ってもらったんだから・・・

てか、この2人あれから直ぐに家からカメラを取って戻って来たってこと?

一体なんなのよこいつら!


「だから何してる人なの?」


ブラザー兄がちょっと姿勢を正す。

「我々!廃墟ブラザーズは、廃墟を探索、調査しその動画を全世界へ配信するブラザーなのです!!」


ふ~ん、それ、仕事なの?

・・・ま、どうでもいいわ。


「ナジミ、

 あなたの知り合いなの!?」


「あ、知り合いというか、

 今日、会ったばかりです」


「今日?」


「はい、アタシが連れ去られた廃墟ホテルに、2人が偶然入ってきたんです。

 それで色々あって今こうなってる、というか・・・」


「そう。

 で、あなた達は何でココに居るの?」

わたしがブラザーに聞く。


「何でって、密着、」


「違うわよッ!!

 どうやってこの家に入ったのか聞いてんのよ!

 てか!何時だと思ってんのよ!!」


あー!もうッ!!

すっげー我慢してたけどキレちゃったじゃない!

だいたい、こんなのが夜に入って来るってどんだけ不用心な家なんだよ!

こんなとこ住めるかよッ!!


「ハ、ハナちゃん。

 ハナちゃんのお母さんが入れたんだよ」

ボサボサ頭のトキオが言う。


「はぁ?」


「オレがジュースを用意してたら、ドアをノックする音がして、

 ハナちゃんのお母さんが開けたんだよ」


「はぁ?」


「で、玄関で話し声がするから見に行ったら、

 この2人が撮影しながら家に上がって来たからオレ急いで部屋に行ったんだよ」


ハハーー!!

わたしの母ーッ!!

何やってんのよ!

どう見ても怪しいやろ!

何でこんなの家に入れるのよ!

浮かれすぎやろ!

結婚指輪して浮かれすぎやろ!


「それでは撮影を再開するという事で」


は?

ちょっと待てやおめーら!

なにが再開だゴラッ!

いや!

落ち着け!

落ち着くのよ!


「ちょっと待ちなさいあなたたち・・・

 だから・・・何時だと思ってるんですか?

 こっちは何も食べずに、さっきまで死ぬような思いをしてたんですよ?」


「あ!それなら大丈夫!」

ブラザー弟が大きなレジ袋を出す。


「いろいろ買って来たから!

 みんなで食べよう!!」

ブラザー弟が満面の笑みでレジ袋を広げる。


「やるじゃん!あんたたち!」

ナジミがレジ袋をのぞき込む。


ちょっと!待てー!

何だ!?これは?

楽しい修学旅行か?

先生の目を盗んで楽しむ修学旅行の夜なのか!?

みんなで朝まで騒ごうぜ!なのか!?


「ハナちゃん」


ささやくようにボサボサ頭がわたしの名を呼ぶ。


は?


「ハナちゃん、

 食べよう」


は?

なに言ってんのお前。


「お腹が満たされれば気分も良くなるよ。

 きっと」


は?

きっと?・・・だと?


「そうですよ。

 ハナ先輩!食べましょう!」


いやいやいや。

お菓子やん。

これ、全部お菓子やん!

わたしは米が食いたいのよ!

米よ!

わたしは米を食うのよッ!


「お米は無いの?」

わたしが言う。


「ありますよ!当然でしょ!」

ブラザー弟がもう一袋取り出す。


「おぉぉお!」

歓声が上がる。


わたしもちょっとテンションが上がる。


いや!違ーーう!!

違うやろ!

てかもう食ってるし!

お弁当おいしそうやし!

具材の量が半端ない高級おにぎりもあるし!

すっげー食べたかったヤツやし!


・・・・・。


わたしたちは、とりあえず、

食べることにした。






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