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ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
5/112

放課後の校舎 4階渡り廊下 『ハナの場合』


--- 3年1組 ハナとユイの教室 ---



「ねぇハナちゃん。

 ちょっと相談があるんだけど・・・」


休み時間に話しかけてきたのは2年の時に知り合い意気投合した親友のユイ。

おさげ髪でメガネをかけていつもマスクをしている。

性格はおとなしく目立つほうではないが成績は常にトップクラス。


「どうしたの?どんな相談?」


「ちょっと、こっち来て」


ユイが顔を近づけてささやく。


ユイと一緒に教室から出て人通りの少ない廊下の角に向かう。


ユイ、相談って何だろう?

手に持ってるのは・・・封筒?


「あのね、これ見てほしいんだけど・・・」


ユイが封筒を差し出す。


「何これ?」


「いいから、中、見てくれる?」


「うん・・・」



『あいしてるぜ、ベイビィ!

 オレとつきあってくれベイベー!!

       3年3組 相田トキオ』



な!

何これ!?

なにこれー!


てか誰?

アイダトキオ?

だれー!?


あ。


もしかして、一年の時に同じクラスだった男子?

あの、ボサボサ頭の?


「ねぇユイ、この人・・・知ってるの?」


「ん~、知ってるというか・・・」


「話したことあるの?」


「いや~、ない・・・かな?」


「ユイこれ、いたずらだよ!

 絶対!いたずらだよ!」



間違いない!

いたずらに決まってる!

マジックで殴り書きって!


ベイベー?


なめとるやろ!!


「ユイ、これいつもらったの?」


「昨日、かな・・・」


「相田って人から、もらったの?」


「いや、鞄に入ってた」


「か!鞄に!!」


マジで!?

女子の鞄を開けてこのアホな手紙を突っ込んだってこと!?


ウソやろ!


アイダトキオ?


ありえんやろ!

この変態野郎!!


「よし、ユイ!

 ついてきて!」




--- 3年3組 トキオの教室 ---




「ユイはわたしの後ろに居て!

 いい?何も喋っちゃダメだからね!」


「うん、わかった・・・」


いた!

あいつだ!


あのボサボサ頭だ!


お!


ちょうどこっちに来た!


「ねぇ、相田くん!」


「へ?」


なにが「へ?」だ!

寝ぼけた顔しやがって!


「今日の放課後、話しがあるから4階の渡り廊下に来て」


「え?うん、わかった・・・」


何だこいつ!


ユイのこと全然見もしないで!

あんなアホ手紙渡しといて!

まるで他人事の顔しやがって!


あー!ムカついてきた!



--- 4階渡り廊下 ---



「だったら・・・

 お願いします。

 お付き合い・・・」


へえぇぇぇー!!!


ちょ、ちょ!変な声出た!!


「ちょと何言ってんのユイ!本気!?」


「うん」


「うん・・・って」


いやいや、待て待て!

こんなボサボサ頭の変態野郎とユイが付き合う!?


ウソやー!


学年トップクラスとボサボサ頭のサイコ野郎が付き合う!?


ウソやろー!


「ちょっと待ってユイ!

 わたし達これから受験とかで大切な時期なのよ!

 そんな、付き合うとか、そんな時間無いのよ!

 わかってる!?」


「うん、わかってる」


「いや!ユイわかってない!!

 だいたい相田くんもなんで今こんなもの渡すのよ!」


「あ、いや・・・」


あ、いやって何だよ!!

おめーがこんなもん渡すからユイおかしくなっちゃてんだろーうが!

どーすんだよ受験に影響でたら!


てか、こっちも巻き沿い食らってんだろうーが!

今、このくっだらねえ時間がもったいねーだろうーが!



くっそ!もういい!



「じゃ相田くん今度の日曜日ユイと会いなさい!」


「え!?デート?」


何が、え!?デート?だよ!このボサボサ頭!

アホみたいな顔してんじゃないわよ!


「違う!デートじゃないわよ!

 ちゃんと話し合うってことよ!

 わたしも付いてってやるから!!」


「え!?3人で?」


だから何が、え!?3人で?だ!この変態野郎!

寝ぼけた顔してんじゃないわよ!


「当たり前でしょ!

 ユイと二人っきりなんてできるわけないじゃない!」



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