下校中 2日目 『トキオの場合』
--- ユイちゃんのマンションの前 ---
「あ!ハナちゃん!
あいつが現れた!!」
奴だ!
昨日と同じ格好だ!
間違いない!
どうする!?
行くか!?
行くのか!?
よし!
行け!!
「ハナちゃん。
これ持ってて」
オレはハナちゃんに脱いだレインコートを手渡した。
三度笠をかぶる。
そして、アゴひもを結ぶ!
ちょうちょ結びだ!!
なぜなら取り外せ、
キキィーーーー!!!
な!何だ!!
それは一瞬の出来事だった・・・
激しいブレーキ音と共にワンボックスカーが、ユイに変装したナジミの横に止まる。
と同時に車の後部ドアから覆面の男が飛び出し、ナジミのカバンを奪い取ろうとする。
激しく抵抗するナジミ。
それに加わるストーカー男。
さらに車の運転席から覆面の男がスタンガンをバチバチさせながらナジミを車に押し込む。
スタンガンの男が運転席に戻るとワンボックスカーは走り去った。
そしてそこには、何事もなかったかのように、
いつものマンションの風景が広がっていた・・・
「な、なんなの・・・」
ハナちゃんがオレの後ろで呆然と立ち尽くす。
「ハ、ハナちゃん・・・
ナジミが・・・
連れ去られた・・・」
「ど、どうしよう・・・
わたしが・・・
わたしのせいだ・・・
わたしがあんなこと言うから・・・」
「ちがう!
ハナちゃんのせいなんかじゃない!!」
オレは三度笠を外すと動揺するハナちゃんからレインコートを受け取り着る。
「だけど、
だけど、わたし・・・」
「しっかりしろ!ハナちゃん!
行くぞ!!」
「え!?
行くってどこへ?」
「ナジミを助けに行く」
「助けに行くって、どこへ?」
「あの車なら知ってる」
「え?」
「オレはあの車がどこにあるかを知ってる。
だから行くぞ!
オレたちでナジミを助けるんだ!!」
そう、オレはあの車を知っている。
すぐだ!
オレたちがすぐに行く!
だから待ってろ!ナジミ!!




