トキオ宅 『ナジミの場合』
--- トキオの部屋 ---
「じゃトキオ!その上にボロ服を着なさい!」
アタシが指示を出す。
「これもう服ってか、布だぜ?」
トキオがボロ服を指でつまんで持ち上げる。
「あんた!まさかそれ、洗ったんじゃないでしょうね!?」
「洗うに決まってんだろ!
ボロ服なんだから」
「バカじゃないの!トキオ!
ボロ服を洗えばボロボロになるに決まってるでしょ!
そんなの常識でしょうが!!
ボロ服なんだから!」
「そんなのどっちでもいいでしょ!
早くそれ着てよ!相田くん!」
ハナ先輩が下を向いたまま叫ぶ。
トキオがボロ服を着る。
というか、まとう。
「で、トキオ!ここで3択よ!」
「3択?」
「そう、今まで通り、バスタオルでいくか!
カーテンか!シーツか!
どれ!?」
「何のことだよ?」
「マントよ!
あんたね!その格好見てみなさい!
マントが無ければただの変質者よ!
でしょ!?ハナ先輩!」
「わ!わたしは、どっちでもいいわよ・・・」
「いやいや、マントがあっても変質者やろ?これ?」
「うるさいわね!トキオ!
どれにすんのよ!!」
「ん~じゃ、長さ的に、カーテン?」
「よし!じゃ、そこのカーテンを外して明日、学校に持って来なさい!」
「めんどくせーな・・・」
「それとトキオ!
ここからが大事よ!」
「何だよ?まだあんのかよ?」
「カッパよ!」
「カッパ?」
「そう!レインコートよ!
あんた、ベージュのレインコートを持ってたわよね!」
「ん?ああ、確か、そこにあるよ」
トキオがクローゼットを指差す。
「よし!それも明日持ってくるのよ!」
「何で?」
「最後にそれを着ればコスチュームを隠せるでしょ?」
「三度笠は?」
「三度笠はアゴ紐を首にかけて背中に垂らすのよ!
カメの甲羅みたいな感じよ!
その上からレインコートを着るのよ!
だから全体を隠せる大き目のレインコートが必要なのよ!
いい!トキオ!
あんたは最初っからその格好で追跡するの!
で!
ここぞという時にレインコートを取れば一瞬で変身することが可能となるのよ!」
ま、最後に三度笠をかぶらないといけないけどね!
アタシは勝ち誇った顔でニヤリとアゴを出す。
「なるほど・・・」
トキオが納得する。
--- トキオの部屋 『ハナの場合』 ---
「一瞬で変身することが可能となるのよ!」
ナジミがニヤケ顔で腕を組む。
「なるほど・・・」
ボサボサ頭が納得する。
・・・・・。
なんなんだよ、おめーら・・・




