商店街 『ハナの場合』
--- ユイのマンションの前 ---
わたしとトキオとナジミの3人は、ユイのマンションから出る。
「ナジミ、明日って急すぎじゃね?」
ボサボサ頭のトキオが愚痴っぽく言う。
「あ!ハナ先輩!
これからトキオの家で作戦を練りましょう!」
ナジミはトキオの話しを聞いていない。
「そうね、計画は必要だわね」
「え?ハナちゃん、うち来るの?」
何よそのとぼけた顔は!
好き好んでアンタの家なんか行くかってのよ!
ユイのために決まってるでしょ!
ま、それに・・・
「親が付き合ってるんだから、
今さら問題ないでしょ」
「うん、まぁ、そうだね・・・」
何よ!なに曇った顔してんのよ!このボサボサ頭!
「え?何?わたしが行っちゃ困るわけ?」
「いや、違うんだ。
部屋がその・・・散らかってるというか・・・
だからオレ、先に帰って片づけてるから!!
2人は少しゆっくりめで帰ってきて!」
などと言いながらボサボサ頭のトキオが走って行く。
部屋を片付ける?
てかそんなのどうでもいいし・・・
「あ!ハナ先輩!
アタシ!ちょっと寄りたいところがあるんですけど!」
「寄りたいところ?」
「駅前の商店街です。
明日のために必要なものを買っておきたいんです。
時間はそんなにかからないですから!」
「駅前・・・
通り道なんで、いいわよ」
明日のための買い物ね・・・。
--- 駅前の商店街 ---
わたしとナジミは、洋品店に到着。
「で、ナジミ。
この店で何を買うの?」
「えっと、トキオのパンツです」
「は!?」
トキオの、パンツ?
「あの~、トキオが変身した時に、
パンツが丸出しになるんですよね。
だからその~、見せパンというか、
見えてもおかしくないパンツを履かせようかと・・・」
トキオが、変身?
あ~、
あの三度笠の?
「ねぇ、ナジミ。
相田くんがあの変な格好になるのは理由があるの?」
「理由・・・
そうですね、最初はあの変な格好をさせてユイさんに会わせたら、
ユイさんがトキオのことを嫌いになるんじゃないかと思って」
なるほど。
この子はこの子なりに、ユイとトキオを離そうとしてたわけね・・・
て、ちがーう!
やり方が全然ちがーう!
もっとこう!あるでしょ!やり方ってもんが!!
「だけどなんかヒーローみたいでカッコいいなって・・・」
「カッコいい?」
「あ、いや、見た目はカッコよくは無いんですけど・・・」
ま、あなたがいいなら、
わたしにはどうでもいいことよ。
「で、どんなパンツがいいの?」
「ん~、やっぱりボクサータイプとかですかね・・・」
ボクサーか・・・
無難だな・・・
「ねぇ、ナジミ。
相田くんはあなたが言えばどんな格好でもするの?」
「ん~、なんだかんだ嫌がるけど結局はしてくれますね。
何でしょう?長年の付き合いというか、乗りというか・・・」
「そう。
じゃ、アレにしなさい!」
わたしがマネキンの履いているブーメランパンツを指差す。
どうせやるなら、わいせつ罪ギリギリのラインを狙うってのはどうよ?
「お!先輩!
いいですね!あれにしましょう!
店員さん!店員さん!
アレのオレンジ色あります!?」
ナジミがウキウキでマネキンのブーメランパンツを指差す。
「しょ!少々お待ちください!」
店員さんが在庫をチェックする。
「ナジミってオレンジ色好きよね?」
「はい!アタシ、オレンジ色が一番好きな色なんです!」
「こちらが、このタイプのオレンジ色になります」
店員さんがブーメランパンツを持ってきた。
「じゃ、それ下さい!」
ナジミがブーメランパンツ・オレンジを購入した。




