下校中 『ナジミの場合』
--- おさげのユイのマンション前 ---
「証拠よ!これを終わらせるには証拠が必要よ!!」
ハナ先輩が歯を食いしばる。
「分かりました!ハナ先輩!
やりましょう!!追跡続行です!!」
ストーカー野郎がマンションの前からゆっくりと動き出す。
「ナジミ!私はこれまでの事をユイに電話で連絡するから、
あなたと相田くんは男を追いかけて!
すぐ追いつくから!」
「分かりました先輩!
行くぞ!トキオ!!」
アタシとトキオはストーカー野郎を追跡する。
ここからが本番!
この作戦の本来の姿!!
ついに!ストーカー・ストーキング作戦の幕開けだ!
「おい、ナジミ。
これ、どこまでついていくんだよ?」
トキオが聞いてくる。
「どこまでって、決まってるでしょ!
アイツの家までよ!
住所が分かれば警察にすぐ捕まえてもらえるでしょ!」
トキオよ!
おめーはそんな事も分からねぇのか?
おめーはそんなにもボンクラなのか?
「ゲッ!」
突然トキオが変な声と共に振り向く。
な!何だ!トキオ!
ビビんだろうがッ!
急に振り向くな!!
な!!!?
なに!!
男がこっち来る!
どうする!
ヤバい!
顔見られる!!
てか何?
バレてる?
追跡がバレたのか?
あ!!!
男が!!
ヤベーヤベー!
こっち!来てる!!
えぇいクソ!!
こうなったら!
トキオ!
こっち来い!!
ガバッ!!
アタシがトキオに抱きつく。
というかアタシの胸にトキオの顔を押し付ける。
「フガッ!フガッ!」
慌てるトキオ。
慌てんなトキオ!!
顔見られたら終わりだ!!
このまま密着して男をやり過ごすぞ!!
「フガッ!フガッ!」
もがくトキオ。
バカ!
もがくなトキオ!
もう少しだ!
もう少しで男は通過する!!
とにかく今、男に顔を見られるわけにはいか、
「あんたたち何やってんのよ?」
ハナ先輩が細い目でアタシたちを見る。
「あ!いや!違うんだ!ハナちゃん!
これは!」
トキオが飛びのく。
「あ、先輩。
いや、男がこっちに来たから、
とっさに・・・」
「ふーん、どうでもいいわ。
そんな事より男は?」
「あ、いや・・・あれ?」
アタシとトキオは周りを見回す。
ヤバい!
見失った・・・
「あんたたち!何やってんのよ!
手分けして探すわよ!!」
「はい!先輩!」




