駅前広場 『ハナの場合』
--- ハナの母親が経営する美容室 ---
「いらっしゃ、あら・・・どうしたの?ハナ?」
「あ、ちょっと暇だったから・・・
来ちゃいけなかった?」
「いいえ・・・だったらお手伝いしてもらおうかしら」
「いいよ、何したらいい?」
お父さんとお母さんは離婚しているが、一緒に美容室を経営している。
美容室はおじいちゃんの代で大成功を収め、昔はグループ会社として数多くの店舗があったが今は3店舗になっている。
そのうちの1店舗を主にお母さんが担当し、残りの2店舗をお父さんが担当している。
これぐらいがのんびりできて性に合っているとお母さんは言っている。
「そうね・・・それじゃ奥のシャンプーとリンスの在庫を確認し・・・
あ!そうそう!
そういえばさっき、あなたのお友達が来たわよ。
えっと、ユイちゃん!」
「え?ユイ?」
「そうそう!あれはきっとデートね!
とってもおめかししてたから。
だからヘアスタイルもバッチリ決めてやったわよ!」
え、何?
ユイ、休日はどこにも行かないって言ってたよね?
何?
なんかいやな予感がする・・・
「さっきっていつ頃?」
「ん~、20分ぐらい前かな?」
「ユイどこに行くって言ってた?」
「そうね・・・たしか駅の方に行くって言ってたような・・・」
「ごめん、お母さん!わたしちょっと出てくる!
あ!それと自転車借りるね!」
「あ!ハナ!」
駅ならすぐ近くだ。
わたしは、美容室を飛び出すと自転車をこぎ出し全速力で駅へと向かった。
--- 駅の手前の信号 ---
あーもう!!なんでこの信号いっつもこんなに長いのよ!!
そうだ!ユイに電話!!
『・・・ただいま電話に出ることが出来ません・・・』
くっそー!
つながらない!
よし、ナジミに確認してみよう!
今のわたしはナジミと協力関係にある。
連絡先も交換済みだ。
スマホでナジミに電話をかける。
まさかユイ!
ボサボサ頭たちと会ってるんじゃ?
違ってたらそれでいい。
『もしもし、先輩ですか?』
ナジミが出た。
「ナジミ!
あなた今、相田くんと一緒にいるの?」
『はい・・・』
ボサボサ頭と一緒か・・・
「で、どこ?どこにいるの?」
『えっと、駅前です』
え!駅前!!?
「あなたたち!!もしかして!今日ユイと会うことになってるの!!?」
『いえ・・・会わないですよ』
ふぅ~
そうか、違うのか・・・
安心した・・・
「そう、じゃ、いいわ。突然ごめん!それじゃね!」
電話を切る。
よかった、余計な心配だったか・・・
信号が青になった。
駅は目の前だ。
ま、ここまで来たんだ。ついでにユイと会っていこう。
わたしは自転車をこぎだす。
--- 駅前の広場 ---
さてと、ユイは・・・
どこだろう・・・
遠くに駅前のカフェが見える。
そういえばあのカフェ、事件のあとから行ってないわね・・・
あ!
ボサボサ頭とナジミと白い帽子の女性がカフェに入るのが見えた。
え?
あれって・・・




