理科室 その後 『 ~ トキオの家 ~ 』
『 ~ トキオの場合 ~ 』
--- トキオの家 ---
「何?なんなの?あのハナって子!ギャーギャーうるさいのよ!」
ナジミが冷蔵庫から当たり前のようにオレンジジュースを取り出す。
「仕方ねぇだろ、あの状況じゃ・・・
どう考えてもオレたちが悪いんだから・・・」
「ま、そうなんだけど・・・」
これで本当にあの2人とは、もう会うことはないだろう。
学校ですれ違っても恐らくハナちゃんからは無視されるはずだ。
だけどそれでいい。
この結末でいいのだ。
「てか、トキオ!
よくもアタシを置き去りしたわね!」
「あ、理科室か?」
「そうよ!
何で戻って来ないのよ!!」
ナジミがオレンジジュースを片手にオレの横に座る。
「あのね!あの後、大変だったんだから!」
クルッとオレの方を向くとポニーテールが揺れる。
「何が?」
「何がってアンタね!
アタシ、上の窓から廊下に出たんだからね!」
「何で?中からカギ開けて出ればいいだろ?」
「トキオ!あんたやっぱアホたんだね。
理科室のドアどうやって閉めんのよ!
カギ持ってないのよ!
ドアのカギが開いてたらそれこそ問題でしょうが!!
あの2人に、中にまだ誰か居たって勘ぐられたら面倒くさいでしょ!」
「あ、そっか・・・
でもナジミ、よく上の窓まで登れたな?すげーよ」
「へ!アタシをなめんじゃないよ!
時間かかったけど脱出ぐらいできるわよ!!」
「ま、これで理科室にお化け出なくなるから良かったんじゃね?
解決ってことだろ?」
「まあ、そうね・・・」
あの2人の教師が約束を守るかどうかは分からない。
ただ一つ目安となるのは、ナジミが設置した『なんでも解決箱』だ。
もしあの箱を2人の教師が撤去したなら危険信号といえる。
一つの目安だけど・・・
「お~いトキオ!
居るかー!!
ちょっと玄関まで来てくれ!!」
オヤジが玄関から叫ぶ。
何だよ、玄関って・・・
めんどくさいなー
「わかったー!いま行くー!」
オレはソファから立ち上がると玄関へと向かう。
ナジミもオレンジジュースをテーブルに置いて後ろから付いてくる。
玄関のオヤジがウキウキで言う。
「トキオ!紹介する!」
へ!!?
な!何でココに!
なんで!?
「こちら!今、俺とお付き合いしている高峰さんだ!」
な!にぃぃいい!!?
なんでー!!?
オレとナジミは口を開け、のけぞる。
『 ~ ナジミの場合 ~ 』
--- トキオの家 ---
「てか、トキオ!
よくもアタシを置き去りしたわね!」
「あ、理科室か?」
何よそのアホ面は!
ごめんの一言ぐらい言いなさいよ!
それに何なの!
逃げる時、どさくさに紛れて、あのおさげ女と仲良く手なんか繋いじゃって!!
なーにが『行きましょう!トキオくん!』だ!
デレデレしてんじゃないわよ!
ま、とにかく理科室のお化けの件はこれで終了ね!
「お~いトキオ!
居るかー!!
ちょっと玄関まで来てくれ!!」
お!
トキオのおじさんが帰ってきた。
玄関まで来い?
何だろう?
アタシはオレンジジュースをテーブルに置くとトキオと一緒に玄関へ向かう。
トキオのおじさんがウキウキで言う。
「トキオ!紹介する!
こちら!今、俺とお付き合いしている高峰さんだ!」
知らない女性だ。
が!!
その後ろの女は知っている!!
「で、こちらが娘さんのハナさんだ!」
ハ!ハナーーー!!!
マジかー!!?
トキオとアタシは口を開け、のけぞる。




