表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
14/128

理科室 『トキオの場合』


--- 4階渡り廊下 ---



ハナちゃんが怒っている。

その横には、おさげ頭のユイちゃんがうつむき加減でオレを見ている。


「これ!何なの!!」

激怒するハナちゃんがオレの鼻先にA4のコピー用紙を突き出す。




きょうはオレのバースデーパーテーだ!

オレにつきあってくれベイベー!!


  放課後4階渡り廊下へ 相田トキオ




なんだこれ!?

バーテー?


ナジミ!

またか!!





--- トキオの家 数日前 ---



「だいぶ落ち着いたわね・・・」

ナジミが当たり前のようにオレンジジュースを飲んでいる。


「そだな・・・」


事件の翌日は大騒ぎだった。

学校で呼び出されたオレは進路指導の教師二人に散々嫌味を言われた。

いくら被害者とは言え事件が大きすぎた。

未成年ということもあり情報は最低限に抑えられたが学校での噂は広まってしまう。

さらに3年での警察沙汰は進路に響く。

その後も教師たちと学校内で会う度に『余計な事しやがって』という視線が嫌というほど突き刺さってくる。

恐らく、ハナちゃんとおさげのユイちゃんも同じ対応なのだろう。

あの二人にとってこの時期の警察沙汰は精神的なショックと今後の進路に大きな影響を与えることは確実といえる。




「ねぇトキオ、

 ユイって子とはどうなったの?」


「別に・・・

 あの後から会ってないよ・・・」


カフェでの混乱の中、おさげのユイちゃんはオレをかばうために飛び込んできた。

強盗とオレを若い警官がタックルで引き倒している最中にだ。

ユイちゃんはオレを抱きかかえて守ってくれたのだ。

感謝しきれないほどだ。

成績もトップクラスであんないい子がオレなんかと関わっちゃいけない。

住む世界が違うのだ。

オレなんかと関わるべきではない。

だから会ってはいけないのだ。


「トキオ!

 あんた来週、誕生日でしょ!

 だからアタシがドッキリプレゼントをお見舞いしてやるよ!!」


「ちょ、もういいよ、やめろよ」


「じゃじゃーん!!」

ナジミが隅に置いてある箱を両手で高々と持ち上げる。


「なんだよそれ?」


「なんでも解決箱よ!

 アタシが作ったの!!」


確かに箱には長方形の横穴が開いていて小型のポストの形をしている。

油性ペンで雑に『なんでも解決箱』と書いてある。


「どうすんだよそれ」


「これを学校に置いてみんなのトラブルを解決するのよ!!」


何いってんだこいつは。

そんなもん勝手に置くなよ。


「解決するって、誰が?」


「決まってるでしょ!トキオ!あんたよ!!

 ボロ服三度笠がよ!!」


もう、

やめてくれよ。





--- 4階渡り廊下 ---



で、こうなってる。


オレの誕生日である今日、鬼の形相のハナちゃんがオレの顔面にA4コピー用紙を突き付けている。



きょうはオレのバースデーパーテーだ!

オレにつきあってくれベイベー!!


  放課後4階渡り廊下へ 相田トキオ




「相田くん!あなたねッ!!

 何でまたこんなものユイの鞄に入れるのッ!!

 あんな事があったばかりなのに!!

 いい加減にしてよ!!」


「あ、いや・・・えっと・・・」


うわぁぁぁ、ハナちゃん今日も怒ってる。

そりゃ怒るわな・・・


あ、

そういえばオレ、

怒ってるハナちゃんしか間近で見たことないよな・・・


「それと、誰?

 さっきから後ろの扉に隠れてる子は!?」

ハナちゃんはA4コピー用紙を突き付けたまま、

視線だけオレの後ろへ向ける。


後ろの扉からナジミが気まずそうに出てくる。


「あ、トキオくんの妹さんだ」

ハナちゃんの横にいるユイちゃんが声を上げる。


はあ!?

オレのいもうと!!?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ