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ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
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マモル宅の付近 『~ マモルの場合 ~』


「マモル・・・どこに・・行くの?」

クレナイが俺にしがみつき、少しよろけながら聞く。


「この先に俺の住んでいるアパートがある」

俺はクレナイを支えながらつぶやく。


「ダメよ・・・」

クレナイが足を止める。


「え?」


「たぶん、見張られてるわ・・・」


「それじゃ・・・」


「私の家に、行きましょう・・・」


「お前の方こそ、家も見張られてるんじゃ・・・」


「大丈夫よ、他にもマンションの部屋を借りてるから・・・」


「そうなのか」


「ええ、まだほとんど使ってない部屋だから、ベッドぐらいしかないけど・・・」


「どの辺りだ?ここから近いのか?」


「ううん。少し距離があるわ。

 マモル、タクシー拾える?」


「ああ、分かった。

 大通りに出よう」


俺とクレナイは大通りへと向かった。








『~ クレナイのマンション ~』



俺がクレナイをベッドに横にする。

「ありがとう・・・マモル」


「具合はどうだ?」


「だいぶいいわ・・・

 手足が少し痺れてるけど・・・」


「病院には?」


「たぶん、大丈夫・・・」


「お前、何されたんだ?」


「マモル・・・首、見てくれる?」

クレナイが顔を横に向ける。


首筋に小さな赤い点が見える。


「何か刺されたような痕があるぞ」


「やっぱり・・・

 注射器で薬を入れられたのよ」


「そうか・・・ところで、

 ここ、何かあるのか?

 飲み物とか」


「ないわ・・・」


「・・・わかった。

 待ってろ、何か買って来る」


「うん、ありがとう」


俺はココに来る途中にコンビニがあるのを確認している。

ここからそう遠くはない距離だ。






『~ コンビニの帰り ~』



俺は、コンビニで飲み物と軽食を買って、クレナイのマンションへと戻っている。

空が少し明るくなってくる。


夜明けか・・・


そうだ、ナジミ!

ナジミに連絡しておこう。


俺はスマホから、記憶しているナジミの番号へ電話する。


プルルルル


プルルルル


呼び出し音が鳴っている。


プルルルル


さすがに寝てるか・・・


プルルルル


ガチャ


出た!


『はい、もしもし・・・』


「ナジミか?」


『・・・マモル?』


「ああ、俺だ」


『どうしたの?こんなに早くに!』


「悪い、緊急だ」


『緊急?』



俺はナジミに、事のいきさつを簡潔に説明した。



「絶対に妙なマネはするな。

 わかったな」


『う、うん・・・

 わかった・・・』


ブツン



俺は電話を切る。


これでいい。

俺たちまでで止める。

絶対にナジミたちを巻き込んではいけない・・・



!?


何だ!?

あいつら!?


マンションから、2人の男がぐったりとした女をかかえて黒のワンボックスカーに押し込んでいる。


ク!クレナイ!!


ぐったりとした女はクレナイだ!

ダメだ!

このままじゃ、クレナイが連れ去られる!


俺が走り出すと同時に、クレナイが押し込まれている車の横をタクシーが通過しこちらに向かって来る。

俺は向かってくるタクシーを呼び止めると、急いで乗り込んで叫ぶ。


「運転手さん!」


「え、あ、はい!」


「今すぐ引き返して、後ろのワンボックスを追ってくれますか!」


「あ!は、はい!」

運転手は、少し動揺するが、すぐにタクシーをUターンさせると、黒のワンボックスカーを追う。


俺は後部座席から身を乗り出して黒のワンボックスカーから目を離さない。


なぜだ?

なぜ俺たちの居場所がバレた?

クレナイは言っていた。

このマンションは、ほとんど使っていないと・・・

だから先回りなど出来るわけがないはずだ。


だったら、後をつけられた・・・


それしかない。

ずっと、つけられていたとしか考えられない・・・


「あの~、刑事さんですか?」


「・・・え?」


タクシーの運転手が俺に話しかけてきた。


「お客さん、刑事さんですか?」


「あ、いや、違いますが・・・」

刑事ではないが警察だ。


「あの黒い車、女の人を連れ去ってましたよね?」


やっぱり、この運転手には見えていた。

さすがにあれは丸見えの距離だ。


「・・・・・」


「お知り合いの女性ですか?」


どうする?

ごまかすか?


「え、ええ・・・まあ・・・」


「警察に連絡しますか?」


まずい・・・

いま通報されるのはマズすぎる・・・

しかし状況からすると通報するのが当たり前だ。

通報しなければ変に疑われる。

どうする?


俺が黙っていると、タクシーの運転手が話しを続ける。


「いや、私ね、タクシーの運転を20年近くやってるんですよ」


「・・・・・」


「それで、よくドラマとかであるでしょ、前の車を追ってくれってヤツ」


「え、ええ」


「私、ああいうの、一度でいいからやってみたかったんですよ」

運転手はニヤリと笑い、俺を横目でチラッと見る。


「そ、そうですか・・・」


「で、どうします?」


「なにがです?」


「もっと近づきますか?

 それとも離れますか?」


「少し離れて、追って下さい」


「分かりました!」

運転手はイキイキとした笑顔で答える。


「見つからないように、お願いします」


「へへ・・・まかせて下さい!こっちは運転のプロですよ!」


ノリノリの運転手との追跡が始まった・・・






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