表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
100/128

トキオの部屋 『 ハナの場合 』



ナジミがトキオにグッと詰め寄る。


「それじゃ、トキオ!

 アンタの好きな人って誰?」


「ちょっとナジミ!」

わたしが思わず慌てる。


「ハナだ。

 俺が好きなのはハナだ」


な!何よコイツ!

なんのためらいも無く!

どうすんのよ!

わたし、顔、赤くなってんじゃない!


ナジミはトキオから距離を取り、少し考える。


「ねぇ、トキオ」


「なんだ?」


「あの~、アタシの事はどう思ってるの?」


「好きだ」


「え?」

わたしが驚く。

やべ!声が出た!


ナジミも驚いた顔をしている。


何!?

どういう事?


お前!わたしが好きなんじゃねぇーのかよ!

どうなってんだよ!


「トキオ、それってどういう事?」

ナジミがトキオに聞く。


「俺はナジミが好きって事だ」


「ちょっと待って!トキオ!

 アンタが好きなのはハナ先輩でしょ!?」


「そうだ。

 俺はハナが好きだ」


「だから!、それって、」


「ちょっと待って!ナジミ!」

わたしがナジミを遮る。


「え?」

ナジミがわたしを見る。


「あなた、わたしの事が好きなんでしょ?」

わたしがトキオに問いかける。


「そうだ。好きだ」


「ナジミも好き?」


「そうだ。好きだ」


「それじゃ、ユイはどうなの?

 好きなの?」


「ああ、俺はユイが好きだ」


「やっぱり・・・」


「え!?

 どういう事です?先輩!?」


「このトキオは本心を言ってるのよ」


「本心?って事は・・・先輩」


「そうよ、3人とも好きなのよ。

 そうでしょ?トキオ」


「ああ、そうだ。

 3人とも好きだ」


「ちょっとトキオ!

 3人とも好きって!あんたね!

 それ一体どういう事なのよ!」

ナジミが詰め寄ってトキオの胸ぐらをつかむ。


「俺はハナに一目惚れした。

 ハナは俺の憧れの人だ。

 ナジミは俺の幼馴染で、一番大切な人だ。

 そしてユイは俺を受け入れてくれる恋人だ」


やっぱり・・・


トキオは選べないのだ。


「迷ってるのよ・・・」

わたしがつぶやく。


「え?

 何です?先輩?」


「トキオの本心は迷ってるのよ。

 今のトキオは、誰か1人を選べないでいるのよ」


「・・・・・」

ナジミが無言でトキオの胸ぐらから手を離す。


「そうなんでしょ?

 トキオ」

わたしが聞く。


「分からない。

 選ぶのは俺じゃない」


「それ、どういう事?」

ナジミが聞く。


「本当のトキオだ。

 アイツが選ぶことだ」


「本当のトキオ・・・?」

ナジミがつぶやく。


「ああ。

 夜の俺と、昼のヤツは、トキオの心だ。

 心が2つに分かれてるんだ」


「じゃあ、本当のトキオはどこにいるの?」

ナジミが聞く。


「分からない・・・

 俺・・・ちょっと疲れてきた。

 休ませてくれるか?」

そう言ってトキオがゆっくりとベッドに横になる。


そっか・・・

やっぱり、あの夕方に一瞬だけ現れたのが本当のトキオだったのね・・・


「ナジミ」


「何です?先輩」


「ちょっと、わたしの部屋に来て」


「は、はい」


ナジミとわたしがトキオの部屋を後にする。


「トキオ!しっかり休めよ!」

ナジミがベッドのトキオに声をかけてドアを閉める。


バタン。





--- ハナの部屋 ---



「てきとうに座って」

わたしが言うとナジミがベッドに腰掛ける。


「で、何でしょう?先輩」


「本当のトキオの事よ」


「本当のトキオ?」


「そう。

 わたし、見たのよ」


「何をです?」


「本当のトキオよ」


「え?」


「ほら、昼から夜のトキオに変身するって言ったでしょ?」


「はい。

 言ってましたね」


「あの変身する前に、ほんの少しの時間、本当のトキオに会ったのよ」


「え?マジですか?

 そ、それで?」


「わたしに言ったの」


「何って言ったんです?」


「助けてくれって」


「トキオが、そう言ったんですか?」


「うん」


「そうか・・・

 トキオが・・・」

ナジミがブツブツ言いながら何かを考え、パッと明るい顔になる。


「よし!先輩!」


「何?」


「助けましょう!」


「え?」


「アタシたちでトキオを助けましょう!」


「助けるって・・・

 どうやって?」


「アタシに考えがあります!

 えっへっへ!」

ナジミが笑う。


あんた・・・何するつもりよ?






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ